この保険の弱点はここだ!東京海上日動あんしん生命「一時払逓増終身保険」

提供会社:東京海上日動あんしん生命

商品名:一時払逓増終身保険

この保険の弱点はここだ!!

一つ星評価。

保険と言っても、ほぼ貯金のようなもので、保険金非課税枠用の商品である。

一時払の円建終身保険で、加入者は60歳以上に限定されている。

保険としての保障面と、貯蓄として貯蓄性の話。2つの面に分けて説明したい。

まず、保障の話。

本商品では、契約者は一時払保険料を預けるのだが、それがイコール保険金となる。

例えば500万円を預ければ、死亡時にも保険金は500万円ということ。

まずは、その状態が5年続き、5年後にほんのちょっとだけ保険金が増える。

さらにその後5年後(契約してから10年後)に、再びちょっとだけ増える。

5年後、10年後に二段階で少しずつ保険金が増えるのが本商品の特徴。

ただ、増えると言っても1%弱程度で(年齢、性別によっても異なる)、500万円預けて、5年後に506万円か507万円程度、10年後に513万円か、514万円か。こんな感じ。

次に貯蓄面としては、本商品は預けたお金が一定の率(それを逓増率と言う)で増える。

しかし、まず契約スタート時点で、預けたお金は一時的に減る。

これは初期の契約に関する手数料が引かれていると思えば良い。

例えば500万円を預ければ、それが490万円くらいに減るイメージ。

この490万円が「一定の率」で増えていくのだが、本稿を書いている段階では、0.2%程度らしい。(あんしん生命の関係者にヒアリング)

そのため、500万円(100%)→490万円(98%)と、2%程度減っているので、元本を回復するまでに10年程度かかる。

そこから預けた以上に増えたいくのだが、所詮0.2%程度なので、ほとんど増えないだろう。

20年あずけて101%とか101.5%とか、そんなもんだ。

以上のことから、本商品には「保障面」からも「貯蓄面」からもほとんどメリットがない。

手元のお金を「保険化」するだけのための商品なのだが、まあ、基本的には保険金の非課税枠用の商品だと思った方が良い。

なお、保険金の非課税枠については、以下のコラムで詳細を解説しているので、参考にして頂きたい。

参考コラム:保険金の非課税枠とは?使用する保険商品の流行り廃り

ただ、同じような商品でも、他社の方が全然条件が良い。

年齢や性別、保険金額によっても異なるが、他社であれば0.5%から最大1%程度の率で増えていくので、どうせやるなら、そちらの方が断然良いと考える。




この保険の弱点こう考えろ!!

あんしん生命の関係者や、あんしん生命の代理店に義理があって、

「何か入るならあんしん生命から入ってあげたい」

というような方以外は選ぶ理由はない。

他社の同種の商品の方が条件が良いので、どうせ預けるならそちらの方を選ぶべき。

そういう意味では「お付き合い」で入るような商品と言える。

参考コラム:「お付き合い保険」の断り方と「お付き合い保険」に入るメリット

但し、他社より「条件が悪い」と言ったところで、円建の終身保険など、どこも似たり寄ったり。

この手の商品の裏側の運用は

ほぼ日本国債を買っているだけ

のようなものなのなのだが、その肝心の国債が長引く超低金利でボロボロ。ほとんどリターンが見込めない。

どこの保険会社も、同じような原材料を使っているのだから、当然、出てくる商品も大したことはないはずで「条件が良い悪い」と言ったところで、せいぜい+1%なのか+0.2%なのか、というどんぐりの背比べのような話である。

また、別に損をするような商品でもなく、あくまで目的は「保険金の非課税枠を利用するため」だけなのだから、まあ、そのニーズがあるのであれば、お付き合いで入ってあげても良いのでは?という感じ。

あんしん生命としても、これをバリバリ売るつもりもなく、自社の商品しか扱っていない代理店向けに

一応ラインナップにそろえている

という感じなのだろう。

参考コラム:損保系生保は何故、商品の数が多いのか?




口コミ(販売側から)

なし

口コミ(契約者から)

なし

比較した方が良い商品

下記の商品が当サイトで高評価。

このあたりの商品の利率や、将来の返戻金のシミュレーションと比較してみると良いだろう。

T&Dフィナンシャル生命 生涯プレミアムジャパン5 ★★★★☆

JA共済 一時払終身共済 ★★★☆☆

JA共済 生存給付特則付一時払終身共済 ★★★☆☆

大同生命 一時払逓増終身保険 ライフギフトα ★★★☆☆

編集後記

約款