この保険の弱点はここだ!明治安田生命「介護のささえ」

提供会社:明治安田生命

商品名:介護のささえ

この保険の弱点はここだ!!

参考コラム:
介護保険の基礎を学びたい方は、まず

『民間の介護保険は必要か?「介護保険の考え方」』
『介護付き終身保険のメリット・デメリット』
をご覧いただきたい。

介護/認知症保険の総論について以下でも音声にて解説してます!!

 

それでは、この商品の弱点について解説をしていこう。

明治安田生命の介護のささえ。

介護状態になった時に年金を受け取れ、更には死亡時にも給付金がある。

実際の例を見てみよう。

60歳 男性
介護年金 60万円
死亡保険金 300万円(年金の5倍型)
保険料 16,146円/月 終身払

この保険に加入した場合、3つのストーリーがある。それに沿って説明した方が分かりやすい。

ストーリー1 介護を経ず死亡
幸い介護状態にならず、何かしらの病気で死亡 300万円を受け取れる

ストーリー2 介護を経て死亡(ここでは介護期間を3年とする)
介護年金 年間60万円を3年間受け取る。合計180万円。
死亡保険金は「既に受け取った介護年金」を引くので、120万円(300万円ー180万円)

ストーリー3 長期の介護(ここでは7年とする)
介護年金 年間60万円を7年間受け取る。合計420万円。
死亡保険金は介護年金の総額が300万円を超えているため、なし。0円。

要は、介護を経ずに亡くなっても、介護を経て亡くなっても、必ず300万円を受け取れて、介護が長くなった時(5年以上)には、300万円以上の給付を受けられるということ。

以上の商品構成を踏まえた上で弱点(デメリット)を解説していく。




弱点1 要介護3から給付、他社は要介護2から

最大の弱点だろう。

他社の介護商品のほとんどは「要介護2」からだが、本商品は「要介護3」から。

要介護は数字が小さいほど症状が軽い。つまり1が一番軽く、5が一番重い。

であるなら、出来るだけ症状が軽い時に給付が始まる方が良い。

当然、要介護3より要介護2の方が「手前」で給付が始まるためメリットが大きい。

本商品は「要介護3から」という条件のわりに、他社の「要介護2から」と比べ保険料が安いわけでもない。(むしろ高い印象を受ける)

給付の条件が悪い上、保険料が変わらない(もしくは高い)

これだけを見ても、この商品を選ぶ理由はないと考える。

 

参考コラム:
介護保険の基礎を学びたい方は、まず

『民間の介護保険は必要か?「介護保険の考え方」』
『介護付き終身保険のメリット・デメリット』
をご覧いただきたい。

他社の介護保険の☆評価一覧は、コチラ




弱点2 結局、払い損になることがほとんど

この保険に「入っていてよかった!!」となるイメージがわかない。

結論から言えば、75歳までに要介護3にならなければ、ほとんどのケースで損をする。

先ほどの例を見てみよう。

60歳 男性
介護年金 60万円
死亡保険金 300万円(年金の5倍型)
保険料 16,146円/月 終身払

例えば、この保険を75歳(60歳から15年間)まで支払った場合、総支払保険料は約291万円。

ちなみに80歳までなら388万円、85歳までなら484万円となる。

これで亡くなった場合は一律300万円。

75歳までに死亡すれば多少得をしていることになるが、80歳を超えると損をしている。

介護の場合はどうか?

そこでネックとなるのが弱点1で挙げた「要介護3」である。

はっきり言って要介護3というのは相当症状が進んだ状態である。

介護生活は要支援1から始まり、要支援2、要介護1、2、3と進んでいく。

たいていの場合は、初期の段階から中期(要介護1、2あたり)にすすむまでに結構な時間を要する。

もちろん人にもよるが、筆者が実際の事例を見てきた経験で言えば、初期から中期への移行に4,5年というところだろう。

統計データを見ても、おおよそそんな印象だ。

要介護3となると、もう中期とは言えず、むしろ終期に近い。

言い方は悪いが「ここからは長くはない」ともいえる。

このようなタイミングで年金が始まったところで、

あと何年受け取れるのか?

という素朴な疑問がある。

前述の通り、この保険は75歳までに291万円、80歳までに388万円を支払う。

前者では、60万円の年金を5年以上(300万円)、後者では7年以上(420万円)を受け取らないとメリットが出ないということ。

率直なところ、「そんなに長い間、受け取れるかな?」とは思う。

もちろん、給付が短期で終わった場合、死亡保険金(300万円から既に受け取った介護年金を引いた金額)も受け取れるが、両方合わせて300万円までなので、75歳以上(291万円)も保険料を負担していれば赤字となる。

結局のところ、この保険に入って得をする人は、

・若いうち(60代後半や70代前半)に介護が始まる

・進行が早く、早期に要介護3になる

・そこから長い介護生活を続く

というような場合しかないだろう。

要介護3までは早く、そこから長い。

家族は大変だろう・・・

もちろん、このようなケースが怖いから介護保険に入るのだが、全体からすれば相当なレアケースで、そのために赤字になる可能性が高い本商品に入るくらいなら、

自分で貯めておいて、介護の時に自由に使えば良い

と思う。

比較した方が良い商品

朝日生命 あんしん介護 ★★☆☆☆

ジブラルタ生命 米国ドル建介護保障付終身保険(低解約返戻金型) ★★★☆☆

SOMPOひまわり生命 認知症保険 笑顔をまもる認知症保険 ★★★☆☆

明治安田生命 認知症ケアMCIプラス ★★☆☆☆

 

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