提供会社:大同生命
商品名:就業障がい保障保険 Tタイプ
就業障がい保障保険 Tタイプα
この保険の弱点はここだ!!
経営者向けの就業不能保険。
就業不能保険とは「働けない時の保険」であり、昨今、各保険会社から新商品の販売が相次いでいる。
医療技術の進化により、昔に比べ「簡単には死なない」ようになっており、それ自体は良いことではあるのだが、結果、何かしらのハンディを持ちながら生活をしなくていけないケースも増えた。
就業不能の代表的な例としては、
・がんによる入退院を繰り返す
・脳系の病気による半身麻痺
・交通事故、スポーツ中の事故による後遺障害
などがあるが、経営者の場合、このような状態になってしまうと、会社の一線でバリバリ働くことが難しくなる。
中小企業の場合、社長の力=会社の力、であることも多く、率直に言って社長の健康上の問題は会社の経営にダイレクトに響く。
このような場面で、数千万円、数億円という保険金を受け取れれば、それなりには役に立つであろう。
なお、就業不能保険というのは、良し悪しの判断が極めて難しい。
と、言うのも何をもって「働けないのか?」という定義が、保険会社ごとにバラバラであり、また、契約する側からしても「働けない」のイメージが個々によって異なる。
まず、前者の保険会社側の考え方だが、例えば「寝たきりの状態」になれば、どこの保険会社の就業不能保険でも「それは働けない」と認定する。
しかし、「片足が不自由」という場合、各社の判断は分かれる。
結論から言えば、払う会社もあれば、払わない会社もある。
それを理解するためには、就業不能保険の「タイプ」を理解することが重要だ。
大きく分けて
1 公的制度連動型
2 医師の意見尊重型
の2つがある。
前者は、障害等級2級以上や障害手帳3級以上、介護保険 要介護1以上など、「国の制度」に認められれば払う。
対して、後者はもう少し実態を見ると言うか、各病気、怪我ごとに医師の所見を聞いて、総合的に判断する。
例えば「がんで入退院をしている」というような状況の時、公的制度連動型の場合、障害とも言えないし、要介護でもないので「払わない」が、後者の場合、医師が「絶対安静、自宅療養」と判断すれば「払う」
ただし、「総合的に判断する」というのは、言い換えれば基準が曖昧とも言える。
また医師の判断を100%信じるわけでもなく、過去の支払事例などにも照らし合わせて支払いの有無を決める部分もあるため、保険会社によっては恣意的な判断では?と疑いたくなるようなケースもあり、なかなか難しい。
その点、公的制度に連動していれば「一目瞭然」である。
つまり、どららにもメリット・デメリットがあり、一概にどちらが良いとは言いにくいのである。
この両者を比較した場合、大きなポイントは先にも挙げた「がん」である。
がんについては、公的制度連動型は「払われにくい」、医師の意見尊重型は「払われやすい」
なお、では公的制度連動型の場合、「絶対払わないのか?」と言われると、そういうわけでもなく、例えば肺がんで酸素療法が必要、とか、脳腫瘍で身体的な麻痺が出て、介護が必要というような場合には、障害認定を受けられることもあるので、そのような時には払う。
このあたり、何ともややこしい。(以下、コラムでも詳細を解説しているのでご参照まで)
参考コラム:就労不能保険「損保系」、「特化型」、「特約型」の違いを理解しよう
なお、本商品は公的制度連動型である。
障害手帳3級以上に該当した場合、支払い対象となる。
内容は極めてシンプルである。
ちなみに障害手帳3級とは、一例を挙げると「片手が動かない」、「片足が動かない」、「耳に近くで大声でしゃべらないと聞こえない」など。
厚生労働省のサイトに詳細が載っているので確認して頂きたい。身体障害者障害程度等級表
なお、本商品には、短期保障(5年、10年)のTタイプと、長期保障(70歳、100歳など)のTタイプαの2種類がある。
また長期保障のTタイプαの中にも、解約返戻金が「ない」ものと、解約返戻金が「ある」ものがある。
以上、商品概要。
では弱点に移る。
弱点1 基準がやや弱い
本商品の支払基準は「障害手帳3級以上」とのことで、極めてシンプルではあるが、他社(公的制度連動型)ではここに障害等級2級以上、要介護1以上など「別の基準」を掛け合わせていることが多い。
なお、ご存知ない方も多いが、障害手帳と障害等級は「別物」である。
おおよそ障害手帳3級と、障害等級2級が同等とは言われるが、各基準は細かく異なっている。
実際問題としては、障害等級2級以上であれば、手帳3級以上を交付されていることがほとんどだろうから、「障害手帳3級以上」でも別に良いとは思うのだが、レアケースで障害等級2級なのに手帳は4級というようなことも起こりえるかもしれない。
その点、契約者側からすれば基準は多いに越したことはない。
また保険会社によっては「独自基準」も設けている場合もある。
「この病気の時にはこの状態になったら払う」
というようなものを、病気や体の部位ごとに約款で細かく定義している。
例えばがんでも「体重が何%減って、血液検査のこの項目の数値が〇〇以下だったら」などと、がんでもなるべく払えるようにしているものもあり、こちらの方が親切ではある。
おそらく本商品は経営者向けということもあり「分かりやすさ」にこだわっているのだろう。
筆者自身も経験があるが、就業不能保険は細かい話になると、キリがなくなり(働けないというケースが多すぎる)収拾がつかなくなるので、
「障害手帳3級以上で払います」
と言う方が、お互いにとっても時間の短縮になるのかもしれない。
「まあ手帳3級以上なら別に良いかな」と思いながらも、「他の基準があっても良いよね?」という感じ。
口コミ・評判(販売側から)
・なし
口コミ・評判(契約者から)
・なし
比較した方が良い商品
法人向けの就業不能保険というのは、基本的に数が少ない。
当サイトで分析済の「就業不能保険」&「法人でも入れる」ものは以下の通り。(あいおいと、ひまわりの商品は死亡保障とセットになっている)
三井住友海上あいおい生命 新総合収入保障(Ⅴ型:くらしの応援ほけん) ★★☆☆☆
編集後記