この保険の弱点はここだ!チューリッヒ生命「三大疾病保険プレミアムZ」

提供会社:チューリッヒ生命

商品名:三大疾病保険プレミアムZ

この保険の弱点はここだ!!

本商品はがん、急性心筋梗塞、脳卒中の「3大疾病」を対象にした保険だが、商品の構成としては同社のがん保険

終身ガン治療保険プレミアムZ ★★☆☆☆

をベースにしたもの。がん保険を強引に三大疾病保険に仕立て直したような商品。

終身ガン治療保険プレミアムZ(以下、がんプレミアムZ)は、抗がん剤治療などを受けた場合

「月額10万円(10~30万円の中で選択可能)」

を受け取れるというがん保険で、抗がん剤治療を保障の中心(主契約)としている。

抗がん剤治療を受けた場合に月額の給付を受けられる保障は、他社ではがん保険のオプションとして「抗がん剤治療特約」などとして提供されていることが多く、ようは「脇役」のようなものなのだが、がんプレミアムZではその脇役を主役に据えている。

参考コラム:『保険屋の口車に乗る前に読みたい、がんと保険の真実』

ちょっと変わっていると言えば変わっているがん保険なのだが(このあたりは上記のがんプレミアムZの解説をお読み頂きたい。抗がん剤治療をメインにすることの意義についても、そこで述べている)、本商品の主契約も「抗がん剤の保障」となっている。

つまり「3大疾病保険」と銘打っているにも関わらず、何故か主契約は抗がん剤治療であり、何だか随分乱暴だなぁという印象。

そこに、以下の特約を付けることで「三大疾病にも対応できる保険」にすることが出来る。

・3大疾病で所定の条件を満たした時に、以後の保険料が免除される「払込免除」

・ホルモン剤治療や緩和療養を受けた場合に毎月5万円(自由診療は10万円)を受け取れる「ガン治療」

・3大疾病に関する先進医療を受けた場合に実費を負担してくれる「3大疾病先進医療」

・3大疾病が原因で通院した場合に1回あたり5,000円などを受け取れる「3大疾病通院」

・3大疾病で入院した日額(1日1万円など)が受け取れる「3大疾病診入院給付金」

・3大疾病で入院した時に一時金(50万円など)が受け取れる「3大疾病診断一時金」

・3大疾病の診断を原因としたストレス性疾患(気分障害など)に罹患した場合に一時金(5万円から20万円)を受け取れる「3大疾病診断後ストレス性疾患給付金」

だが、どの特約も先に挙げた「がんプレミアムZ」のものがベースとなっている。

そこに、急性心筋梗塞と脳卒中も「支払い対象に加えただけ」という印象で、取ってつけたような商品だなという感じ。

率直に言って、がん保険の「ついで」に開発したような商品で、チューリッヒも、

本当にこれが売れると思って出しているのかな?

とも思ってしまう。

三大疾病と言いながら、完全に軸足は「がん」であり、急性心筋梗塞と脳卒中はただの「オマケ」という扱い。

失礼ながら、ここまで適当な商品というのもあまり見たことがない。

当サイトではがんプレミアムZを星2つ評価としているので、これも同じく星2つと言うことになる。

以上商品概要。




弱点1 がんの保障に寄りすぎ

何度も繰り返すが、本商品はがんプレミアムZの「拡張版」に過ぎない。

そのため、がんには手厚いのだが、そもそも主契約(絶対に契約しないといけない部分)が「抗がん剤を受けた時に毎月〇〇万円」という保障なので、

「3大疾病の時100万円欲しい」

とか

「3大疾病で入院した時に1日1万円などの日額が欲しい」

というようなシンプルなニーズを持った人には向いていない。

これらの人には「抗がん剤治療の時の保障」という主契約は余計なものであり、そこにコストを支払うことになるからだ。

このあたり、3大疾病保険なのに、何故か主契約ががんの保障という構成には違和感しかない。

弱点2 保障範囲が時代遅れ

昨今の3大疾病保険は、

・がん
・心疾患
・脳血管疾患

と定義している保険会社が多いが、本商品は昔ながらの

・がん
・急性心筋梗塞
・脳卒中

としている。

心疾患は心臓全般の病気を指し、その一部が急性心筋梗塞、同じく脳血管疾患は脳の血管全体に関する病気を指し、その一部が脳卒中ということになる。

つまり、心疾患、脳血管疾患の方が範囲が広いのである。

このあたりは、以下コラムにて解説しているのでお読み頂きたい。

参考コラム:心疾患と急性心筋梗塞、脳血管疾患と脳卒中、何が違う?

この点、他社類似商品に比べ時代遅れ。




弱点3 全体的に保険料が高め

主契約ががんの保障だけの「三大疾病保険」なんて他社にないので、比較のしようがないが、「ネット生保」にしては、全体的に保険料高いように感じる。

弱点4 三大疾病一時金が2年に一回

これも周回遅れ。

三大疾病になった時に一時金が受け取れる三大疾病診断一時金。

50万円、100万円というようなまとまった金額を手にすることが出来るので、人気のある特約だが、他社では「1年に1回が上限」というところが多い。

しかし、本商品は「2年に1回」

うーん、今時2年に1回というのはあまり見かけない。

参考コラム:診断給付金、1年に1回と、2年に1回、どちらが良いか?
がん診断一時金、3大疾病一時金は付けるべきか

また、本特約では上皮内癌の場合、一時金の10%(100万円の場合、10万円)しか受け取れないが、これもなかなかの塩対応。

他社では「1回だけ」というような条件付きだが、満額払うものが多い。

このように、保障内容は他社よりかなり劣っているが、そのわりには保険料が結構強気かな?という感じ。

この商品の弱点、こう考えろ!!(解決策)

別に無理してこの商品に入る必要はないだろう。

実際のところ「随分長いことバージョンアップしていない」のだと思う。

そのため、保障内容、保険料ともに最近のトップランナーについていけていない。

がんプレミアムZの方は、がん保険としては「抗がん剤治療を中心に据える」という点で、まだ見どころがあるというか、実際にはがんは「毎月抗がん剤」というような状態になった時が一番辛いので、そのような「最悪のケースに備える」という点では骨太な発想の商品だった。

だが本商品は、それをベースに「急性心筋梗塞と脳卒中もつけちゃいました!!テヘペロっ!!」という感じで、なんだか随分やっつけな商品である。

がんプレミアムZに魅力を感じていて、「更にそれを三大疾病にも対応させたい(あくまでがんの保障を中心として)」というような方であれば、本商品も悪い選択肢ではないが、「3大疾病の保障」として考えるのであれば、本商品を選ぶ理由はない。

3大疾病に備えるのであれば、以下の3つの「考え方」を理解し、それぞれの商品を検討した方が良いだろう。

1 通常の医療保険に3大疾病一時金特約を付ける

医療保険のオプションで三大疾病の時に一時金100万円などを受け取れる「3大疾病一時金特約」を付ける構成。わりとスタンダードなプラン。

当サイトで高評価の医療保険は以下の通り。

アクサダイレクト生命 アクサダイレクトの終身医療 ★★★★☆

アフラック 医療保険EVER Prime プラス ★★★★☆

イオン・アリアンツ生命 元気パスポート ★★★★☆

オリックス生命 CURE Next/CURE Lady Next ★★★★☆

SOMPOひまわり生命 健康をサポートする医療保険 健康のお守り ★★★★☆

チューリッヒ生命 終身医療保険プレミアムZ/プレミアムZ Lady ★★★★☆

なないろ生命 なないろメディカル礎 ★★★★☆

メットライフ生命  マイフレキシィ ★★★★☆

メディケア生命 新メディフィットA ★★★★☆

2 3大疾病、七大疾病の時に「一時金だけ」を受け取れる商品

最近流行っている商品で、3大疾病、7大疾病の時に「一時金だけ」を受け取れる商品。

なないろ生命 なないろセブン ★★★★☆

ネオファースト生命 ネオdeからだエール ★★★☆☆
注:3年更新型

はなさく生命 はなさく一時金 ★★★☆☆

メディケア生命 メディフィットプラス ★★★☆☆

3 死亡+三大疾病の貯蓄型商品「特定疾病保障型終身保険」

死亡保障だけでなく、そこの三大疾病の保障も追加した商品で、貯蓄性がありながら、同時に死亡時と、がん、急性心筋梗塞、脳卒中のも備えられる。(急性心筋梗塞、脳卒中の支払いのハードルは高い。入院しただけでは受け取れない。)

但し、掛け捨てではないので、保険料は高め。予算に余裕のある方向け。ドル建などもある。

オリックス生命 特定疾病保障保険With(ウィズ) ★★★☆☆

SOMPOひまわり生命 特定疾病保障保険 ★★★☆☆

ソニー生命 リビング・ベネフィット20(特定疾病保障型終身) ★★☆☆☆

ジブラルタ生命 米国ドル建特定疾病保障終身保険(低解約返戻金型) ★★★★☆

ソニー生命 リビング・ベネフィット20(米ドル建生活保障・終身型) ★★★★☆

商品の構成について

特約などの解説などは「急性心筋梗塞、脳卒中も支払対象にした」というだけで、商品内容は同社のがんプレミアムZとほぼ同様。詳細はそちらをご参照頂きたい。

終身ガン治療保険プレミアムZ ★★☆☆☆




口コミ・評判(契約者から)

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比較した方がいい他社商品

この商品の弱点、こう考えろ!!(解決策)にて紹介しているので、ご参照頂きたい。

編集後記

約款