提供会社:大同生命
商品名:一時払逓増終身保険 ライフギフトα
この保険の弱点はここだ!!
ごくごく一般的な一時払の終身保険。
資産家の高齢者が、保険金非課税枠を利用するために入る商品である。
なお、非課税枠については、以下コラムにて詳細を解説しているので参考にして欲しい。
参考コラム:保険金の非課税枠とは?使用する保険商品の流行り廃り
なお、「逓増終身保険」と名乗っているので、支払った保険料がその後「逓増(増える)」ような印象を持つが、パンフレットを見る限り、ほんとんど増えない。
実際の契約例では、70歳男性が加入した場合、1,000万円を預けて、逓増率(増える率)は0.012%とあるので、10年後で1,001万円であり、かつこの逓増は10年間で終わり、11年目以降は以後の保険料が固定されてしまう。
そのため、11年目以降も保険金は1,001万円ということになり、結局1万円しか増えない。
背景としては、日本の異常な低金利があり、保険のメインの運用先である国債の利回りが低いため、保険会社としてもお金を預かっても「増やせない(その方法がない)」のである。
そのため、保険というよりはただの貯金なのだが、名目上でも「保険」になっていれば、いざという時に支払われるお金は「保険金」であり、そうなると
500万円 × 法定相続人
分までは非課税となる。
お父さんが亡くなった時に、お母さん、子供2人がいれば法定相続人は3人なので、500万円×3人=1500万円までは、保険金なら税金がかからない。
資産家の場合、お金や不動産などがあると、相続税対策をしなくてはいけないので、まずお金を非課税枠分までは「保険化」するのが一般的で、本商品のようなものが使われる。
なお、昔はこのような相続対策用の「一時払終身保険」が各社から販売されていたのだが、昨今は少なくなっている。
先に挙げた低金利のせいで、保険会社側の旨味が少なくなってしまったので、どこも販売停止にして、代わりにドル建や株価に連動する変額。もしくは死亡だけでなく、介護の時も払うようなタイプなどの「変化球」のような内容にして、そちらで利ザヤを稼ぐ方針に変換しているのである。
その点、
「1,000万円預けなさい。死亡したら1,001万円にして返す。保険金非課税枠も使えるので良いだろ?」
と、どストレートな内容で、分かりやすい。
ドル建や変額が悪いわけではないのだが、変動リスクもあり、やはり分かりにくい。
この手の商品に加入する人のニーズは「非課税枠利用」というシンプルなものなので、あまり余計な話を混ぜない方が良いと言うか、そもそも相続対策を考えるということは、自分の死を意識しているということでもあり、そのような人生の最終幕において、預けた金が多少増えたり、減ったりしたところで、どうでも良い。
むしろ「減って」ストレスを感じるくらいなら、このような「変わらない」方が良いのでは?とも思う。
と言うことで、本商品、極めてシンプルで筆者は好きである。
また無告知であることも良い。
高齢者の場合、何かしら持病などがあることも多いので、告知があると何かと面倒である。
本商品は入る時に、「入院してなければOK(もしくは入院の計画がある)」というユルユルの基準なので、かなり入りやすい。
以上のことから3つ星とした。
弱点1 増えない
前項で述べた通り、本商品は全く増えない。1,000万円あずけて10年後でようやく1,001万円なので、ほぼ定期預金のようなものだ。
その点、物足りなさを感じる人もいるだろう。
そのような方は、ドル建や変額などを選ぶと良い。
以下、コラムにてそのあたりをまとめてあるので、ご参照頂きたい。
参考コラム:ドル?株?介護を付けた方が良い? 一時払保険の賢い選び方総論
口コミ・評判(販売側から)
・なし
口コミ・評判(契約者から)
・なし
比較した方が良い商品
プルデンシャル生命 変額保険(終身タイプ/一時払タイプ) ★★☆☆☆
編集後記