提供会社:フコクしんらい生命
商品名:ご長寿万歳
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この商品の弱点はここだ!!
フコクしんらい生命の販売する祝金付の終身保険「ご長寿万歳」
加入年齢は50歳から80歳までなので、高齢者向けの商品といえる。
フコクしんらい生命は、富国生命のグループ会社で、主に銀行の窓口でセールスされる商品の企画・販売を行っている。
そのため、本商品は保険ショップなどで見かけることもなく、みずほ銀行系列や、地方の信用金庫などの「保険相談窓口」で紹介されるケースが多い。
星1つでも分かることから、筆者の本商品への評価は低い。
はっきり言って良い商品ではない。
ぱっとみた印象。
「随分、色々盛り込んできたな・・・」
そんな感じで、
・無告知(加入時に健康告知が必要ない、誰でも入れる)
・お小遣いが受け取れる(長寿祝金、60、70、77、88歳に保険金額の10%)
という大きな2つの特徴がある。
商品としての論点(特徴)が多すぎると、契約者にとっては考えるべきポイントが多すぎて「分かりづらくなる」
どちらの特徴も、結構「コッテリ」しているので、
「どちらか一個で良くない?・・・・」
というのが率直な感想。
無告知の方は、そのまんま。
入る時に告知がないので、どんな病気を持っている人でも入れる。
極論すれば、末期がんの方でも入れる。
ただし、入れたからといって保険金が受け取れるかと言うと、それは別の問題で、保険会社もそこまで甘くはない。
無告知の商品には、たいてい「削減期間」というものがあり、加入してから数年は保険金が低く抑えられている。
本商品でも、加入してから2年間は「保険料相当額」しかないので、要は払った分が戻ってくるだけ。
3年目には保険金の60%、4年目には80%になり、加入時に約束された保険金額が満額になるのは5年目以降ということになる。
このあたりはパンフレットを見れば一目瞭然。
つまり、保険会社からすれば
「入ってから数年間は様子を見ますね」
ということ。
だが、これは仕方がない処置でもある。
例えば、加入して保険料を1、2回しか払っていないのに、大きな保険金を支払っていては保険会社は大赤字だし、周り回ってみれば、それらの保険金の原資は「他の契約者が支払った保険料」なのだから、契約者全体に迷惑がかかっていることになる。
そのため、ある程度の年数は保険金を抑えることは、このタイプの商品(無告知)では当然のことだろう。
ただし、この4年の間も、災害死亡だけは満額支払われる。
災害死亡とは交通事故などを原因とした死亡で、基本的には「病死以外」と考えて良い。
災害死亡で死亡するのは完全に「運」なので、健康上の問題は関係ない。
そのため、保険会社としても、そこでの保険金を減らす理由もなく、これだけは満額支払うことになる。
とは言え、実際のところ、2019年には137万人の方が亡くなっていて、その中で交通事故はわずか3215人。
その確率わずか0.23%程度。
400人に1人といった具合だから「ほとんどない」と思っておいた方が良いだろう。
次にお小遣い(長寿お祝い金)
60歳、70歳、77歳、88歳の時に保険金の10%を長寿お祝い金として受け取れるが、実質的には「自分で払ったものを貰っているだけ」なので、別にありがたがる必要もない。
実際、本商品は他社の同種の商品より、保険料が割高で、この「割高分」がそのままお祝い金の元になっている。
つまるところ、
無告知型の終身保険 + 長寿お祝い金用の上乗せ費用
を負担しているだけということ。
以上が商品概要。
では、弱点の解説。
弱点1 実際のところは「70歳くらいまでの保険」でしかない
終身保険とは、一生涯の保障で、いつ亡くなっても保険金が受け取れる。
しかし、本商品は保険料が高いので、ある時点で「受け取る保険金」より、「支払った保険料の総額」の方が多くなってしまう。
いわゆる「逆ザヤ」保険ということ。
実際の例で見てみよう。
50歳 男性
保険金 200万円
月払保険料:10,394円
60歳時点のシミレーション
支払総額 約125万円 お祝い金20万円ゲット!!
この時点では125万円を支払って、お祝い金20万円を受け取っているので、実質的な負担は105万円ということになる。
これで保険金は200万円なので、仮に死亡すれば
支払った以上の保険金
を受け取ることが出来る。
では、70歳。
支払総額 約249万円 お祝い金20万円ゲット!!(2回目)
総額は249万円だが、60歳、70歳で、それぞれ20万円、合計40万円を受け取っているので、実質負担は209万円ということになる。
どうだろうか?
この時点で既に、保険金200万円を超えてしまっている。
つまり「払った分より、貰う分の方が少ない」ということ。
以後、この差額は増えていく。
77歳時点
・支払い総額約337万円
・ここまでのお祝い金60万円(60、70、77歳の3回)
・実質負担277万円に対して、保険金200万円 77万円のマイナス
88歳時点
・支払い総額約474万円
・ここまでのお祝い金68万円(60、70、77、88歳の3回)
・実質負担394万円に対して、保険金200万円 194万円のマイナス
この50歳男性のケースで言えば、保険として機能しているのは、53歳(当初2年間は保険金がないため)から69歳までの16年間で、その間に死亡すれば、支払った以上の保険金が受け取れるが、それ以降は200万円を受け取るためだけに毎月10,394円の保険料を支払い続け、損が拡大していくということ。
もちろん、52歳-69歳まではに亡くなれば、この保険に入っていた「意味」はあるのだが、69歳までに亡くなる方は、統計上はかなり少ない。
本商品は無告知型なので、当然ながら「健康に不安がある人」が入るのだろうから、そのような方は
「わしは持病もあるし、早く亡くなるだろう」
と思っているのかもしれないが、医療技術が発達した現代、今の老人は病気持ちでも元気なので、69歳というのはちょっと早すぎる気もする。
本商品では、70歳以降は損をするので、だったら自分で貯めておいても良いのでは?
とも思う。
弱点2 類似商品にくらべ、保険料が高い & 商品スペックが低い
これは類似商品を見てもらった方が早い。
無告知型の終身保険を販売している会社は何社かあるが、わりと条件が良いのが「ひまわり生命」の新・誰でも終身。
これも、加入時に何も言わないで入れる。
先ほどと同じ例で保険料を比較してみよう。(2020年12月の数値)
50歳 男性
保険金 200万円
フコクしんらい生命 ご長寿万歳 10,394円/月
ひまわり生命 新・誰でも終身 8,162円/月
ぱっと見ただけで、ひまわり生命の方が2,000円近く安い。
一方、ご長寿万歳の方は、60、70、77、88歳のお祝い金があるが、毎月2,000円高いということは、年間2.4万円「余計に支払っているということ」
これを図にすると以下のようになる。
どの段階でも、ひまわり生命に負けており、お祝い金を受け取ったとしても、本商品は「高い」ということ。
また、それ以外にも加入当初の削減期間が、ひまわり生命の方は「2年経過後に満額(この場合、3年目から200万円)」になるのに対し、ご長寿万歳の方は
2年経過後に60%(120万円)、3年経過後に80%(160万円)
となっており、丸々4年経過した後にようやく満額(200万円)となる。
この点でも負けている。
保険料が高い上、スペックも劣っているので、ご長寿万歳に良いところはない。
実際のところ、長寿であればあるほど保険会社が得をする仕組みになっていて、保険会社からして「万歳」ということなのだろう。
しかし、ひまわり生命の商品の方も、70歳を超えると支払った保険料が保険金を超えてしまう「逆ザヤ」になってしまう。
総論としては、持病があり、加入時に健康告知を受けない保険の場合、
どんな商品でも逆ザヤになってしまう
ということを理解した方が良い。
実態としては、早く亡くなった方の保険金(保険会社としての損)は、長生きした人が補填しているのであって、言い方は悪いが、早く亡くなった者勝ちでなのだ。
持病があるから保険に入りたい
その気持は痛いほど分かるが、筆者としては自分で貯めておく方を勧める。
商品の特徴
・一生涯の保障
・告知の必要のない無告知型
・加入年齢は、50~80歳
・保険金額は、30万円~300万円(10万円単位)で設定可能
・払込期間は、終身払
・病気による死亡保障については削減期間がある
2年以内 … 既払保険料相当額
2年超3年以内 … 保険金額の60%
3年超4年以内 … 保険金額の80%
不慮の事故による死亡については、削減はなく死亡保険金額の満額が受け取れる。
・高度障害は支払対象外
特約(オプション)について
特に付加できる特約はなし
口コミ・評判(販売側から)
なし
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口コミ・評判(契約者から)
なし
比較した方が良い他社商品は?
SOMPOひまわり生命 新・誰でも終身(無選択型終身保険) ★★★☆☆
参考コラム:
医療保険の検討ってどうすれば良いの?と迷ったら
『医療保険。こう考えれば、スッキリ決められる!』
をご覧いただきたい。
他社の医療保険の☆評価一覧は、コチラ
編集後記