躁うつ病(双極性障害)と保険

死亡保険     ✕
医療保険     ✕
がん保険     △
緩和型医療    ◯
無告知型医療 ◯

解説

これをお読みになっている方は、恐らく躁うつ病(双極性障害)に苦しんでいる方だろう。

そのような方には大変言いにくいのだが、保険加入はかなり厳しい。

通常の死亡保障や、医療保険には入れないし、がん保険も一部の会社で引き受けているのみで、ほとんどの保険会社では難しい。

注:がん保険に関しては、筆者の知るうる限り、ひまわり生命がOKのはず。

筆者にも長い間、躁うつ病に苦しんでいる友人が何人かいて「保険に入りたい」と相談されることがあるのだが、その度、苦しい言い訳はしなくてはならず、こちらも辛い。

なお、がん保険において「加入OK」の保険会社もあれば、「加入NG」の保険会社があるように、実際のところ躁うつ病の「リスク」については、保険会社でも見解が分かれている。

ただ現状を率直に言えば「よくわからない」というのが正直なところではないか?

本当に入院する確率が高いのか?

本当にがんになる確率が高いのか?

これらに明確なデータがない。

ただ、この中で「躁うつ病とがんになる確率には因果関係はないだろう」というは容易に想像出来る。

そのため、受ける会社もあるのだが、それでもほとんどの会社は「受けない」

何故なら、保険会社というのは非常に保守的であり、余計なリスクは受けたくない、というのが本音だからだ。

そのため現状では「よくわからないから、受けない(加入させない)」という状態が続いている。

受けないから、データもたまらない。

保険会社側も「リスクを算定出来ないので・・・」という言い訳を、もう20年近くしている印象だ。

心の風邪という評されるくらいよくある病気なので、もうそろそろ保険会社も何か対策を考えて欲しいものだ。




例えば医療保険などでは

「加入してから3年以内の精神疾患での入院は支払い対象外(不担保条項と言う)」

という条件を付けた上で、保険を受けるとか、色々とやりようはあるだろう。

但し、死亡保険に関しては、かなりハードルが高い。

やはり保険会社は自殺率の高さを見る。

実際、自殺者の1/3程度は何かしらの精神疾患に罹患しているというデータもあるので、保険金を払う立場の保険会社としては無視出来ないだろう。

もちろん、躁うつ病だからと言って、極端に自殺者が多いわけではない。

健常者1万人と躁うつ病患者1万人がいれば、その中で自殺する人は前者が2人、後者が3人程度だろう(あくまでイメージのたとえ話)

自殺「しない人」という比較で見れば、9998人対9997人なので、ほとんど差はない。

しかし、保険会社は自殺「する人」を見る。

実査に何千万円という保険金を支払うからだ。

そうなると、こちらの比較は2対3となり「1.5倍もリスクが高い」という判断になる。

1件の保険金も、結局は他の契約者からの保険金で支払っているので、1.5倍のリスクを引き受けることは、それ以外の契約者の不利益となってしまう。

その点からも「引き受けられない」となるのは理解出来る。

なお、このような話をすると、

「私は自殺する可能性が高いって思われてるんですね・・・」

などと沈む方がいるが、誤解してほしくないのは、別段「あなたが死ぬ確率が高い」と言っているわけではない。

逆に言えば、あなたが「死なない確率」は、躁うつ病でない人とほとんど変わらないということも重々知っている。

しかし、保険会社というのは、人が亡くなった場合に何千万円というお金を払う、という仕事をしているため、何万人単位で見た時に「ちょっとでもリスクが高い」ので「ビジネスとして受けられないのです」というだけ。

そこまで深刻にならないように。

なお、現状では死亡保険も医療保険も「完治後5年経過していれば加入OK」としている会社が多い。

しかし、これは当然の話。

そもそも告知書に

過去5年以内の病気を教えて下さい

としか書いていない。

そのため、5年経過していれば、そもそも報告する必要がないのだから、当然、入れる。

ただ、筆者の経験で言えば、完治後3年程度経過していれば、割と入れることの方が多い。

逆に1,2年だと「厳しいかな」という感じ。

もし、罹患中や、完治後1,2年以内でも「保険に入りたい(医療保険の場合)」と思うなら、緩和型医療保険が良い。

緩和型であれば質問項目が少なく、それに該当しなければ加入出来る。

詳細は以下コラムを参考にして欲しいが、定期的なカウセリングや投薬などは、緩和型医療保険の場合「告知する必要」はない。

参考コラム:緩和型医療保険 告知の疑問を解決!!

そのため、筆者も知人などにはこれを勧めている。

保険料は割高だが「保険に入りたい」と思っているなら、まずはその不安を解消するべきだと考えている。

完治してから3年程度経過してから、普通の医療保険に切り替えれば良いのだから、その間のコスト(割高な保険料)はそこまで高額にはならないだろう。

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