この保険の弱点はここだ!ライフネット生命「働く人への保険2」

提供会社:ライフネット生命

商品名:働く人への保険2

商品の構成について

参考コラム:
就労不能保険の種類が気になったら
就労不能保険「損保系」、「特化型」、「特約型」の違いを理解しよう
をご覧頂きたい。

 

ライフネットは「就業不能保険」という分野を日本に根付かせた功労者だと思う。

2010年に前身商品の「働く人への保険」を出した時には、

「凄いところに手を出したな・・・」

と業界関係者が度肝を抜かれた。

それまでにも就業不能保険はあるにはあったが、会社が損害保険会社と契約して、自社の社員に福利厚生として提供するスタイルが一般的。

つまり、勤務先の会社がそのようなものを用意してくれていれば「働けなくなっても」会社と契約している損害保険会社が月々の生活を給付してくれるが、会社がそのようなものを用意していなければ働けなくなっても、丸裸で経済的に困窮するしかない。

そしてこのような制度を導入している会社などは、ごくごく一部の大企業だけ。

ほとんどの人は「働けない」というリスクに対して無防備で、対策しようにも、どこにも商品がないという状況だった。(損害保険会社も個人とは契約してくれない)

そこにライフネットがスポットライトを当てて、一気に「就業不能保険」と言う分野を作った。

その功績は極めて大きい。

が、その後、ちょっとサボり過ぎた。

働く人への保険 → 働く人への保険2、とバージョンアップはしたものの、あっという間にアフラック、アクサダイレクト、SBI生命などに「パクられ」

保険料、保障内容ともに及ばない。

ネット生保の先駆け「ライフネット」というブランドはあるものの、冒頭で述べた「過去の功績」などを知る人は少ないし、単純に横並びにされるとぼろ負けという印象である。

では、まずは商品の概要を見てみよう。




-支払い条件について

まずは支払い条件。

入院中、もしくは在宅療養が対象となる。

実際のところ「医師の診断書」を見て、その内容で決めるというところだろう。

-保障内容について

働けなくなった時に受け取れる就業不能給付金を10~50万円まで「5万円刻み」で選択可能

更に高度障害給付金(就業不能給付金の10倍)が付いている。

例えば、働けなくなった時に毎月10万円を受け取れる内容で契約していれば、高度障害給付金は100万円ということになる。

これらをベースとして、当初1年6ヵ月(540日)は給付金額が半分になる(10万円であれば5万円)ハーフタイプと、当初から満額(10万円)が受け取れる満額タイプが選択可能。

ハーフタイプと満額タイプを図にすると以下のようなイメージ。

当然、ハーフタイプの方が保険料は安い。

このハーフタイプのメリットを理解するために、傷病手当を説明したい。

傷病手当とは健康保険(協会けんぽ)に加入している人、つまり主に会社員が受けられる公的サービスで、病気やケガで休職した場合、4日目以降に以前の給与の2/3程度が支給される。

例えば月給が30万円だとすれば、2/3で20万円ということ。

この傷病手当は1年6ヵ月受けられるので、その間は保険からの給付は少なくても良いということになる。

そのための「ハーフプラン」

傷病手当が出てるうちは、給付金を少なく抑え、傷病手当が終われば給付金が満額となる。

会社員向けのプランと言える。

逆に個人事情主などは、働けなくなれば、すぐに収入に影響する。

そのため、始めから満額が支給されるプランの方が良いだろう。




-支払対象外期間について

60日、180日から選択可能。

支払対象外期間とは、就業不能状態になっても、この期間は給付金が受け取れない期間を指す。

例えば交通事故にあって、頚椎骨折で全身麻痺などの重度の障害を負った。医師も「リハビリで多少良くなる可能性はあるが、基本的には回復しない」と言っているような状態。

既に就業不能状態は確実であるが、この支払対象外期間は給付されない。

他社では「60日」が一般的だが、「180日」があるのがライフネットの特徴。

このあたりは弱点1で詳しく解説する。

商品についてははこんなところ。

では、弱点(デメリット)の解説に移る。

 

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この保険の弱点はここだ!!

弱点1 保険料が高い

冒頭でも書いた通り、保険料では後発組に圧倒されている。

ライフネットの特徴として、高度障害給付金(就業不能給付金の10倍)というものがあり、かなり重い障害を負った時に「一時金を受け取れる」というメリットもあるものの、ライバル達より保険料が2、3割高いので、その一時金だけでは挽回できない印象。

但し、ライフネットには支払対象外期間を「180日」とすることが出来るので、これを選択すると保険料がものすごく下がる。

そうなると他社に比べてやや優位になるが、とは言え「対象外」が180日となると、「なかなか貰えないので、ちょっと嫌だな」と感じる人が多いかもしれない。

逆に、

・本当に怖いのは何年も働けなくなるような状態
・180日(半年)程度の就業不能で済むのであれば、貯金で何とかなる

そう思う方には「180日」は保険料が安いので、良い選択肢になるかもしれない。




弱点2 保障が弱い

まあ、これが最大の弱点かな。という感じ。

本商品では、入院+在宅療養を支払い条件としている。

実際には医師の診断書を重視するのだと思うが、他社では、これに加え

・障害等級2級以上になったら就業不能と認め給付を支払う(アクサダイレクト、アフラックなど)

・精神疾患で働けなくても給付金18回(1年6ヶ月分)を上限に支払う(アクサダイレクト、SBI生命)

など、支払範囲を広げている。

イメージとしては、ライフネットの条件を土台にして、更にその上にそれぞれの会社ごとに対象を追加している感じ。

契約者としては、やはり色々なケースの「働けない」に対応できた方が嬉しい。

冒頭でも書いた通り、ライフネットは就業不能保険の先駆けではあるが、その後の進化が止まってしまっている。

他社とのスペックの違いがここまで広がってしまっているので、そろそろ「働く人への保険3(新シリーズ)」を出してくるだろうが、その巻き返しに期待したい。




弱点3 担当者がいない

これはネット生保なので仕方ない。

死亡保障などは、正直なところ「死ねば払う」という単純なものなので、別に担当者などついていなくても問題はないだろう。

ただ、こと就業不能保険に関しては、「優秀な担当者なら」いた方が良い。

と言うのも「働けない」という定義は非常に曖昧で、言い方は悪いが医師の診断書の「作文力」のよるところも大きい。

もちろん、明確な基準はあるので、軽症なものをいくら大げさに書いてもダメだし、逆に重症であれば、どんな書き方をしても支払対象にはなる。

ただ、何とも判断が難しい「微妙なとき」は、嘘でない範囲で少々大げさに書いてもらったり、表現を強めにしてもらったり、等々の工夫が必要になることもある。

また、医師には変わり者も多いので「貴様、なんでそんな余計なことを書く?」というようなこともある。

そんな時に保険会社の支払査定部門の判断基準に精通した担当者がいれば、「ここを強調して下さい」、「これは書かないで下さい」などの知恵を授けてくれる。

これはなかなかカスタマーセンターでは教えてくれないので、「担当者がいて良かった」という場面だろう。

筆者も過去、顧客のために医師との診察に同席し(顧客の許可のもと)

「こういう主旨で保険を請求したいので、これこれこういう内容で記載頂けるようご協力下さい」

とお願いをしにいったことがある。

言わばある種のブレーンのようなものだが、就業不能は自ら「働けない」ということを積極的に証明しないといけない保険なので、それをサポートしてくれる人がいた方が良い気もする。

ただ、何の知識もなく、クソの役にも立たない担当者も多いので、そんな奴であればカスタマーセンターとやり取りする方がよっぽどストレスがない。

このあたりは難しいところだが、ネット生保の就業不能保険に入るのであれば、それらのやり取りは自らやらないといけない。という覚悟だけはしておいた方が良い。

ちなみにライフネットの商品は大型の来店型保険ショップ(保険の〇〇など)でも扱っているので、そのようなところを経由して加入すれば「一応は」担当者が付く。

もし、そのようなところに「この人なら信頼できる(まあ、1,2回会っただけでは分からないが)」と思えるような人がいれば、ネット経由で入るよりは、そちらを経由させた方が良いかもしれない。




弱点4 復活が出来ない

ライフネットの商品を解説する度に書いている弱点(デメリット)なので、いささか書き飽きたが、ライフネットの商品は全て

復活が出来ない

何かしらの事情によって保険料の引き落としが出来ず(クレジットカードの変更など)、保険料の未納が2カ月程度続いた場合、保険は「失効」してしまう。

つまり保険の効力が無くなってしまうのだが、そのような場合、多くの会社では「復活」と言う救済制度がある。

滞納していた分の保険料を支払い、簡単な告知(健康状態の申告)をすることで、保険を元の状態に戻してくれるのである。

しかし、ライフネットにはそもそも復活の制度がない。

そのため、一度失効すれば、再び入り直さないといけないのだが、年齢が上がっている分、保険料も上がってしまうので、契約者にとってはデメリットしかない。

保険会社からすれば余計な作業が無くなるので、コストダウンにはなるが、筆者などは復活は重要なアフターフォローのツールだと思っているので、それがない、と言われると違和感しか感じない。

悪意はなくても、何かの拍子で保険料の支払いを忘れてしまうようなことはあり得る。

「復活くらいさせてあげれば良いのに」

と思うし、何となくアフターフォローには力を入れていないのかな?という印象も持ってしまう。




特約 Good & Bad!!

・ハーフタイプ、満額タイプが選択可能。

詳細は商品概要の説明を参照。

・支払対象外期間として「60日」、「180日」が選択可能。

詳細は弱点1を参照。

比較した方が良い商品

アクサダイレクト生命 働けない時の安心 ★★★★☆

アフラック 給与サポート保険 ★★★☆☆

SBI生命 働く人のたより ★★★★☆

 

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