提供会社:メディケア生命
商品名:レグルスⅣ
別名:三大陸(愛知銀行、SMBC信託銀行、高知銀行、きらぼし銀行、琉球銀行、他)
別名:ビーエルクローバー(三井住友銀行)
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この保険の弱点はここだ!!
レグルスⅣはメットライフ生命が提供する一時払の年金保険。
従来、米ドル、豪ドル、ユーロ、円と4つの通貨での運用を提供しており、特に年金保険でユーロ建は珍しかったのだが、現状では、豪ドル、ユーロ、円の取扱は停止している。
つまり米ドルだけ。
しかし、レグルスとは随分とキザな名前をつけたものだ。
レグルスはしし座を構成する星の中で、最も明るい星。
昔、天文観測に凝った経験があり、この名を聞いて、ふと懐かしい思いがした。
だが、しし座の中でレグルスは「最も明るい星」であり、一等星であるが、全一等星の中では「最も暗い星」でもある。
本商品もそんな感じ。と言ってしまうと、少々嫌味がきついか・・・
さて、本商品。内容は割とスタンダードであり、以下、3つのコースがある。
1 スタンダードコース
2 定期引出コース
3 ターゲット設定コース
流れはこんな感じ。
1 まとまったお金を預ける。(例:1,300万円)
2 米ドルに換える(例:1,300万円 → 10万ドル:1ドル130円換算)
3 運用期間を決める(3,5,7,10年から選択。ここでは10年とする。なお、プランによっては選択不可の年数もある)
4 契約時の利率が適用され運用開始。(例:2.60%)
4-1 スタンダードコースでは、加入時に利率で、決めた期間を運用し、その運用結果が「年金原資」となる。
(例:10万ドル 10年後→ 129,628ドルが年金原資)
4-2 定期引出コースでは、加入時の利率が、毎年の運用益となり、それを「定期的(年に1回)」受け取れる。期間終了後の年金原資は当初預けた金額と同様。
(例:毎年2,600ドル 10年後 10万ドルが年金原資)
4-3 ターゲット設定コースは、原則的にはスタンダードコースと同じ。加入時の利率で、決めた期間を運用するが、もし運用途中で「ターゲット」をクリアした場合、そこで運用が終了。以後、円建に固定され、期間終了後にそれが「年金原資」となる。
(例:130%設定 運用期間中、運用の結果、1,300万円が1,690万円:130%になった瞬間に、円に転換し、利益を確定)
注:上記の利率には「保険関係費の控除」を含んでいない。実際にはここで表記された運用結果より減る(保険関係費を取られるため)詳細は弱点2参照。
5 期間終了後、年金開始。(もしくは一括受取)
以上、商品概要。
なお、ターゲット機能については、以下コラムにて解説しているので、興味がある方はご一読頂きたい。
参考コラム:ターゲット?保険金保障?外貨建一時払商品に「よくある」特約を解説!!
では弱点。
弱点1 利率低め
本商品は、メットライフの営業職員、代理店だけでなく、銀行の窓口でも「三大陸」、「ビーエルクローバー」と名を変えて販売されているが、実際には売っているのはメットライフの営業職員だけだろう。
その理由は「利率」
そこまで悪くはないが、良くもない。
この手の「外貨」&「一時払」の年金商品は銀行の窓口でも売れ筋商品で、主なプレイヤーとしては、日本生命系のニッセイ・ウェルスや、第一生命系の第一フロンティア、また三井住友海上系の三井住友海上プライマリー生命などがある。
本商品と似たような商品は、各社「腐るほど」出していて、結局のところ利率勝負となっている。
要は
「いかに高い利率を提示できるか?」
ということ。
一時払系の商品は、どこの会社では毎月1日と15日に利率が変わり、以後、次の変更までの申し込みには、この利率が適用される。
各社、他の会社の動向や、マーケット(金利情勢)を見て、利率を決定する。
本稿を執筆している2023年2月18日現在、アメリカの相次ぐ利上げで米国債の利回りは上昇しており、それらを背景に各社3%台の利率を提示してきている。
が、本商品は以下の通り(2023年2月18日現在)
5年 2.26%
7年 2.27%
10年 2.83%
「ちょっと物足りないかな」という印象。
メットライフの営業職員であれば「一時払年金はこれしかない」ので、そのような場面があれば提案するだろうが、銀行の窓口や、複数社を取り扱っている乗り合い代理店(保険ショップなど)では、お客さんへの提案の土台にも乗ってこない。
他に良い商品がいくらでもあるのに、わざわざ利率が低いものを出す必要がないからだ。
弱点2 手数料が結構高い
本商品には保険関係費として「最大1.37%頂戴します」という表記がある。
これらは毎年の運用を左右する利率から控除され、メットライフ側に徴収される。
例えば利率が2.6%となっていても、1%を控除されれば、その分は運用益から減る。
これは「死亡保険金を用意するためのコスト」、「契約を締結する上での保険会社側のコスト」と説明されているのだが、本商品の死亡保障は「そこまでの積立金(元本+運用益)」であり、そこまでコストがかかるものでもない。
保険会社側の利益は、それはそれで取られるのは仕方がないが、このあたりの内訳が公表されていないので、完全にブラックボックス。
メットライフの知人に聞くと、実際にはそこまで大きな費用を取られているわけではないようだが、このあたりは性別、加入年齢によっても異なるので、設計書を見てみないと分からない。
要は「提示された利率通りに増えるわけではない」ということ。
注:なお、冒頭の商品の「流れ」では、このコストを入れると分かりにくいので、加入時の利率で運用した場合の結果を提示している。
実際には提示された利率で全期間運用されるわけではない。
また、ドル返還時の手数料も1ドルあたり50銭となっており、これもちょっと高め。
他社では25銭というところもある。
なお、年金受取時の管理手数料1%は「まあ、こんなもん」という感じ。他社もこの程度。
弱点3 早期解約にご注意を!!
本商品には早期解約時のペナルティとして、解約控除というものがある。
また必ずしも、ペナルティになるわけでもないのだが、解約時には市場調整価格という仕組みも適用される。
要は「早期解約すると損する可能性が高い」ということ。
解約控除と、市場調整価格については以下をご参照頂きたい。
参考コラム:
なお、解約控除と市場調整価格は、一時払系の商品には、だいたい設定されているので、本商品だけのデメリットというわけではない。
本稿はあくまで注意喚起という意味合いで記した。
パンフレットのかなり後半に「解約控除」という項目があり、年数に応じた控除率(ペナルティ)が記載されているので、目を通して頂きたい。
この商品の弱点、こう考えろ!!(解決策)
無理してこの商品じゃなくても良いんじゃない?
それが本音。
理由は利率が低いこと、また手数料が高いこと。
但し、利率が低いと言っても、そこまでべらぼうに低いわけでもなく、0.5%から最大1%程度。
仮に1,000万円を預けたとして、1%違うということは、年間10万円程度の差ということ。
10年間で100万円になるので、決して「小さな差」ではないのだが、これも人それぞれだろう。
この商品を紹介してきたメットライフの営業職員が友人や家族だったり、もしくは何かの理由で世話になっていたりするなら、
多少損しても入ってあげる
というのも、人の器だとは思う。
そもそも、外貨建ての場合、為替リスクがある。
動くときはプラスマイナス20%程度の範囲で乱高下するので、運用終了時の為替レートが、運用の成功・失敗の最大のポイントである。
仮に1ドル130円で買って、満期時に150円になっていれば万々歳だし、逆に1ドル100円などになっていれば大損だ。
利率は高いにこしたことはないが、「所詮は0.5%、1%程度、為替リスクに比べれば大した話ではない」とも考えられる。
このあたりは、運用の効率を重視するか?それとも人間関係を重視するか?という点で考えたら良いだろう。
参考コラム:「お付き合い保険」の断り方と「お付き合い保険」に入るメリット
なお、弱点3で述べた通り、早期解約は損をする可能性が高いので、もしやるなら「絶対に満期まで手を付けない金額」でやること。
5年(もしくは7年、10年)なら、絶対に解約しないでOK
そう思える金額を設定して欲しい。
また、もし「もっと利率が良いものを」と思うのであれば、保険ショップに行くべき。
本商品の設計書を出して「これより利率の良いものを」と言えば、数多く紹介してくれる。
口コミ・評判(販売から)
メットライフ代理店さんからの口コミ
昨今の米国の利上げの影響で、一気に利率が上がった印象。
ドル建で2%後半くらいを提示できると、意外と顧客からの受けは良い。
「特に運用していないお金」がある方から、500万円、1,000万円など、まとまった現金を預かるケースが多い。
実際、他社でもっと良い利率のものもあるようだが、各社の商品の利率はそこまでオープンにされていないので比較する方も少ない。
注:各社の商品の利率はサイトで開示されている。だが、素人にも見つけずらい。
口コミ・評判(契約者から)
なし
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保険会社勤務、代理店勤務の方でも、販売現場の情報や、当サイトで指摘していない弱点(デメリット)などには謝礼(amazonカード300円)をお支払い致します。
比較した方が良い商品
T&Dフィナンシャル生命 みんなにやさしい年金保険 ★★★☆☆
T&Dフィナンシャル生命 ファイブテン・ワールド2 ★★★☆☆
プルデンシャル生命 米国ドル建積立利率更改型一時払終身保険 ★★★☆☆
PGF生命 米国ドル建介護終身保険Neo ★★★☆☆
別名:ぬくもり介護US、悠々介護終身US、米国ドル建一時払介護終身PG、介護バリューUS
編集後記: