提供会社:ソニー生命
格付け:A+(S&P)
商品名:リビング・ベネフィット20シリーズ
シリーズ全般としては・・・
但し、ドル建だけは・・・
この商品の弱点はここだ!!
かなり骨太な商品で、ソニー生命の主力商品の一つ。
一言に「リビング・ベネフィット20」と言っても、終身から、定期(掛け捨て)、ドルなど、商品構成は多岐に渡る。
評価としては、円建系の終身と定期が星2つ。ドル建終身のみ星4つ。
まずは、商品の概要を見てみたい。
本商品には、保障の面で、大きく分けて以下の2タイプがある。
1 死亡(高度障害) + 3大疾病
2 死亡(高度障害) + 3大疾病 + 介護
1は、通常の死亡保障に、
・がん 診断(がんです、と言われたらOK)
・急性心筋梗塞 手術 or 労働制限などが60日以上継続
・脳卒中 手術 or 労働制限や麻痺などが60日以上継続
以上、3つの状態に該当した時に保険金を受取ることが出来る。
他社では「特定疾病保障」などと言われる保険。
なお、特定疾病保障についての是非は以下のコラムにて考察しているので、もしご興味があればご一読頂きたい。
参考コラム:3大疾病の保障が付いた終身保険「特定疾病保障」は得か、損か?
2は、この保険を更に「拡張」したもので、上記の保障にさらに介護を上乗せし、ソニー生命では「生活保障」と呼んでいる。
先に挙げた死亡+3大疾病に加え、
・身体障害手帳3級以上
・要介護2以上
この状態に該当すれば保険金が払われる。
特定疾病に、介護までがセットになっている商品は珍しく、ソニーオリジナルと言えるかもしれない。
リビング・ベネフィット20シリーズの商品群を、この2タイプの保障に分類すると、以下のようになる。
1のタイプ 死亡(高度障害)+三大疾病
・終身型 上記保障を終身で提供
・定期型 上記保障を定期(10年更新など)で提供
2のタイプ 死亡(高度障害)+三大疾病+介護
・生活保障 終身型 上記保障を終身で提供
・生活保障 定期型 上記保障を定期(10年更新など)で提供
・米ドル生活保障 終身型 上記保障をドル建にて提供
・生活保障 逓減定期型 上記保障を逓減定期にて提供
注:逓減定期とは、一定割合で減っていく保険のこと
以上が商品概要。
他社比較でのメリット・デメリットで言えば、筆者が感じるメリットは以下の3点。
1 死亡+3大疾病だけでなく、そこに介護をつけた商品は他社では見かけない
2 更に、その保障内容で「逓減定期」を用意している。
3 他社では特定疾病保障の場合、加入出来るのが上限2,000万円まで、というところが多いが、本商品では1億円(法人の場合、個人は5,000万円が上限)まで加入出来る
特に死亡+三大疾病に介護が付いたものは、他社にはないので、比較のしようがない。
また、筆者は個人的には逓減定期に秘かな魅力を感じている。
逓減定期は「定期的に減る定期」という意味で、例えば35歳で1000万円の保険に入っても、5年ごとに保険金が20%ずつ減っていき(Ⅰ型の場合)、40歳の時には800万円、45歳で600万円という具合に「逓減」する。注:減り方がより緩やかなⅡ型というものもある。
保険金が減っていく
ということ自体には、「えー、なんか嫌だな」と思う方もいるかもしれないが、当然、保険金が減る分だけ、そうでないものに比べて保険料は安い。
これ、使い方次第では結構有効で、例えば会社の社長などが1億円の借金をしている場合などにこの保険がハマる。
「借金はもちろん返すけど、途中で死んじゃったらどうしよう?」
中小企業などの場合、社長=会社の顔、なので、社長が突然逝去したような場合、金融機関から「すぐに返して下さい」などと言われることが少なくない。
そのため、社長が死亡時には借入金を返済出来るように、そのための保険に入っておくことが多いのだが、例えば1億円借りていても、5年後も1億円の借入残高があるとは限らない。
返済が進めば、借金も減るからだ。
そのため、保険もそれに合わせて「減る」方が良い。
返済することを考えれば、「ずっと1億円の保障」が必要なわけではない。
このようなニーズに、借金残高と同じ歩調で保険金も減る逓減定期が合致する。
更に、本商品であれば死亡だけでなく、三大疾病や介護状態になった時にも保険金が支払われるので、経営者からすれば安心だろう。
もしくは、会社員でも、「大きな保険金が必要なのは若い時だけ」という方が多い。
夫婦も30代前半、子供も小さい。
そんな時に、亡くなったり、介護になったり、そうなれば経済的にはかなり大変だ。
まだまだ子供にもお金がかかるので、保険で大きなお金が入ってくれば助かる。
だが、自身も50代になり、子どもたちも自立、貯金も増えていれば、30代のころのような保障はいらない。
「今、死んだって、そんなにお金は必要ないだろう(奥さん1人、貯金もあるので)」
ということ。
このようなケースでも逓減定期が好まれることが多い。
その点、本商品は死亡、3大疾病、介護と「オールリスク」で対応してくれるので心強い。
筆者としては
「ああ、なるほどね。特定疾病に介護が付いた逓減かぁ、悪くないね」
というのが率直な感想。
保険の本質「本当に困った時のため」ということと「必要なものを必要な分だけ(余計な保障はコスト増になるだけ)」という2点からすると、よく考えられている商品だと思う。
ただし、「玄人受け」する商品で、普通の人にはちょっと分かりにくい。
実際あまり売れていないらしい。
では弱点。
弱点1 円建ては他社に遅れを取っているが、ドル建は良い勝負をしている
先に述べた通り、本商品には2タイプの保障がある。
1 死亡(高度障害) + 3大疾病
2 死亡(高度障害) + 3大疾病 + 介護
1は、他社では「特定疾病保障」と呼ばれることは、先に述べた。
ライバルはオリックス、ひまわり、ネオファーストあたり。
オリックス生命 特定疾病保障保険With(ウィズ) ★★★☆☆
ネオファースト生命 ネオdeとりお(特定疾病保障型終身保険) ★☆☆☆☆
これらと比較して、ソニー生命は明確に保険料が高い。
これは明確な弱点。
2のタイプに関しては、他社で類似商品がないので比較のしようがないのだが、そもそもベースとなる特定疾病(1のタイプ)の保険料が高いため、そこに介護を付けると、より高くなってしまう。
良い保障だとは思うのだが、いささか高すぎるかな?というのが筆者の感想。
なお、唯一の例外はドル建。
これは保障内容と比較して、競争力がある。
仮想的はプルデンシャルグループのジブラルタ生命あたりだろうか。
当サイトでは、ドル建の特定疾病保障で以下のジブラルタの商品に、実質上の最高評価4つ星の評価をしている。
(世の中に完璧な商品などない、という考え方で5つ星は過去にないため)
ジブラルタ生命 米国ドル建特定疾病保障終身保険(低解約返戻金型) ★★★★☆
このジブラルタの商品は、死亡+3大疾病なのだが、本商品のドル建はそこに介護を付けても、保険料は「ほんのちょっとのプラス」で済んでいる。(年齢、性別にもよるが)
一例として、以下を挙げる。
35歳 男性
保険金 10万ドル
払込期間:60歳
ジブラルタ 246,40ドル(死亡+3大疾病)
ソニー 247,80ドル(死亡+3大疾病+介護)
わずか1ドル程度の差で、「介護でも払う」のであれば悪くないと思う。
無論、この保険料の差は、性別や年齢、払込期間などによっても変わってくるが、総じて「そこまでの差ではない」と感じる。
このあたりは感覚的なものではあるが、円建の場合、他社比較で保険料の差が「大きすぎる」ので、介護がついているからといっても、すんなりとはその条件を呑めない。
だが、ドル建に関しては、「ほとんど差がない」ので、だったら介護がついてた方が良いかな、というところ。
そのため「円建」は星2つ。「ドル建」だけは星4つとした。
口コミ・評判(販売側から)
・単純なドル建終身では、オリックス、メットライフ、ジブラルタなどに勝てないが、三大疾病+介護まで含めた「人生のあるゆるピンチに!!」というアプローチが響けば行ける。
ポイントは介護なので、将来、介護のリスクがどの程度あるか、どれほど大変か、という点を力説するようにしている。また、ご自身が介護の経験がある方だと話が早い。
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口コミ・評判(契約者から)
・40代 女性 独身さんからの口コミ
500万円の終身保険に入っています。(編集部注:死亡+3大疾病のみか、介護付きかは不明)いつかは結婚したいと思いながら、40代になり、もう無理かなぁと絶望の日々です。
一生独りかと思うと、なかなかブルーになりますが、自分のことは自分で、ということで言えば、死んだ後よりは、病気とか、特に介護が怖いです。以前の職場の先輩がソニーのライフプランナーさんになっていて、相談したところ、この商品を進められました。
ドル建の方が良い、と言われましたが、為替なんて分からないし、将来1ドル200円になることもあるなんて言われ、怖くなって日本円のものにしました。
私のようなお一人様には良いと思います。
比較した方が良い他社商品は?
オリックス生命 特定疾病保障保険With(ウィズ) ★★★☆☆
SOMPOひまわり生命 新・誰でも終身(無選択型終身保険) ★★★☆☆
ネオファースト生命 ネオdeとりお(特定疾病保障型終身保険) ★☆☆☆☆
編集後記