この保険の弱点はここだ!太陽生命「保険組曲Best 」

提供会社:太陽生命

商品名:保険組曲ベスト

この保険の弱点はここだ!!

保険組曲Bestは、太陽生命の看板商品で、いわゆる総合保障と呼ばれるタイプの商品。

死亡、医療、介護、就業不能など、様々なオプションが提示され、その中から「必要なものだけを選ぶ」というスタイルで、色々な保険がセットになっていることから「パッケージ型」などとも言われる。

なお、当サイトでは原則的には総合保障タイプ(パッケージ型)には否定的。

総合保障と言えば聞こえは良いが、レストランに例えるなら「ファミレス」のようなもので、和食、洋食、中華などメニューは豊富だが、それぞれは各分野の専門的に比べれば劣る。

そのため、当サイトでは

「死亡、医療、就業不能など、各分野で最も良い(最も自分に合っている)商品を自分で組み立てる方が良い」

というスタンスである。

このあたりの事情は、以下コラムにて詳細を解説している。

参考コラム:古い日本の保険会社が提供する「パッケージ型商品」総論

とは言え、ファミレスの食べ物が「専門店ほどではないにせよ、それなりに美味しい」というように、総合保障もそこまで酷いわけではない。

だが、一般的にファミレスが「安い」の対して、太陽生命のように「昔からある大きな保険会社」が提供する総合保障は「原則、保険料は高い」ということが多い。

これは、大量の人員であったり、同じく大量の広告費であったり、要はビジネスモデルが古いので、そもそもが高コスト体質なので、それがどうしても保険料に跳ね返ってしまう。

その点、規模が小さく、駅前などの保険ショップなどの既存の代理店網を使って商品を流す新興系の生命保険会社や、インフラがネットだけのネット生保などと比べてしまうと、保険料の安さでは構造上、勝てないのである。

では、商品を解説していきたい。

と、言ってもパッケージ型はその中に含まれる「パーツ」が膨大で、各パーツをそれぞれ解説していてもキリがない。

そのため、本稿では約款を読み「ああ、これは他社と比較してスペックが劣っているな、ここを誤解しやすいな」とう点のみを挙げていきたい。

医療保障に関する弱点が目立つ印象。

死亡保障や就業不能に関しては、特に他社に劣るところは見当たらない。(保険料が割高なくらい)

なお、同じ保険組曲Bestの中に「100歳年金時代」というものもあるが、これは主契約(メイン部分)を年金保険にしたもの。

その他のパーツは全て共通している。




弱点1 10大疾病とうたっているが、3大疾病以外のハードルは高い

本商品の目玉の一つでもある「10大疾病保障保険」と「ワイド給付金特則」

がん、急性心筋梗塞、脳卒中の「3大疾病」を更に広げ、そこに糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、高血圧性疾患、大動脈瘤及び大動脈瘤解離、慢性呼吸不全、慢性膵炎、その他臓器の障害(ペースメーカー、人工肛門など)という疾病(病気)を加えている。

ただし、ここで挙げられている病名に「なったから」と言って一時金が受け取れるわけではない。

例えば慢性腎不全の給付の条件は

「永続的な人工透析を受けていること」

となっている。

つまり、どの病名も軽症ではダメで、結構重い状態にならないと給付されない。

病名だけを見て「ああ、10コも保障してくれるんだ」と勘違いしないこと。

弱点2 診断一時金が1回だけ

これは弱点と言うか、「商品の仕様」なので仕方ないが先の10大疾病の一時金は「1回」しか受け取れない。

1回受け取ると、この部分の保険は消滅する。

この手の一時金は他社では「何回でも」というところが多く、もちろんその分、保険料も高いのだが、がんなどに関しては「再発・転移」の危険性もあるため、その都度受け取れる方が安心感がある。

但し、本商品の一時金が「300万円」など高額であれば、実質的には「100万円、3回分」にも相当するので、まあ十分と言えばそう言えるかもしれない。

これは考え方次第。

弱点3 急性心筋梗塞、脳卒中が対象で「心疾患」、「脳血管疾患」ではない

先で挙げた「10大疾病保障保険」と「ワイド給付金特則」では、急性心筋梗塞、脳卒中が対象だが、急性心筋梗塞は心臓全般の病気を表す「心疾患」の中の一つでしかなく、脳卒中も「脳血管疾患」の中の一つでしかない。

昨今、他社では対象を「心疾患」、「脳血管疾患」と広くとっているところが多く、その点では本商品は劣る。

参考コラム:心疾患と急性心筋梗塞、脳血管疾患と脳卒中、何が違う?

弱点4 上皮内がんの給付は1/10

同じく「10大疾病保障保険」と「ワイド給付金特則」から。

上皮内がんは、「10大疾病保障保険」では支払い対象外。

ワイドを付けておけば、1/10が給付されるが、他社では「上皮内がん」と「がん」は給付金が同額のものが多い。




弱点5 先進医療特約にて白内障が対象外

また、「白内障は対象外」と明記してある点も注意が必要。

先進医療で最も請求が多いのは「多焦点レンズを使用した白内障手術」である。

しかし、これは過去の話。

2020年4月より「多焦点レンズを使用した白内障手術」は先進医療から外され「選定療養」に移行した。

本稿は「選定療養」について説明するものではないので、詳細は省くが、簡単に言えば「一部自己負担の治療」のこと。

分かりやすい例が「差額ベット代」だ。

通常の大部屋であれば3割負担で入院出来るが、個室など部屋が豪華になると、通常ベット(大部屋)との差額は自己負担となり、保険適用外になる。

それが「選定療養」

つまり「多焦点レンズを使用した白内障手術」も、先進医療の時には全額自己負担だったが、選定療養になって以前の5,6割の価格に落ちたようだ(病院にもよる)

ということは、「多焦点レンズを使用した白内障手術」は既に先進医療ではないので、先進医療特約の対象外であることに異論はないのだが、約款にはそれでも敢えて

「白内障は対象外」

と明記している。

ある種の注意喚起(白内障は出ませんよ!!という)の意味もあるのだろうが、仮に今後、新たに白内障の先進医療が出てくれば、それも対象外ということになってしまう。

そのような状況になれば「他社は払う、太陽は払わない」ということにもなり、些細なデメリットではあるが、ある種の時限爆弾的な要素があるので、ここで挙げておく。

また、本商品の先進医療特約では、

治療1回の上限が1,000万円、合計2,000万円まで

というルールになっているが、他社では「合計2,000万円まで」というところが多く、1回あたりの治療費の上限などは設けていないところが多い。

とは言え、実際に「1回1,000万円を超える先進医療」はほとんどないので、あまり気にする必要はないのだが、ほとんど起こりえないようなケースをわざわざルール化しなくても良いのでは?という気もする。

弱点6 退院して180日以内の入院は別の病気でも「連続した入院」として見なす!!

本商品の医療保険では、Aという病気で入院し、退院後180日以内に別のBという病気で入院した場合でも

継続した同一の入院

と見なすルールがある。

例えば、脳卒中で50日入院し、その後、肺炎で20日入院した場合、この両者には何の因果関係もないのに、50日+20日で70日間の入院としてカウントされるということ。

仮に、1入院60日限度の場合、このケースでは60日をオーバーした分は「支払い対象外」となる。

新興の保険会社や、ネット生保などはこのルールを採用しているところが多いのだが、古い日本社でこれを適用しているのは珍しい。

下記のコラムでも詳しく解説しているので、ご参照まで。

参考コラム:180日ルールとは?通常型、変則型の違いを解説

その他

本商品で採用されている「パーツ(死亡、医療、介護、就業不能など)」は、各パーツがそれぞれ単体の商品として、太陽生命から販売されている。

多少内容は異なっていることもあるが、それぞれのパーツごとの解説も参考にして欲しい。

以下の列挙する。

スマ保険 入院一時金保険(コロナ対応) ★★☆☆☆

スマ保険 がん・重大疾病予防保険/死亡に備える がん・重大疾病予防保険 ★★★☆☆

スマ保険 就業不能重点プラン ★★☆☆☆

100歳時代年金 ★☆☆☆☆(トンチン型年金&介護)




この保険の弱点、こう考えろ!!(解決法)

冒頭、「当サイトは総合保障タイプには否定的」と述べたが、本商品は総合保障タイプの中ではわりと良く出来ている方だとは思う。

医療保険のパーツで多少他社に見劣りする部分もあるが、そこまで致命的なものはない印象。

「結構美味しいファミレス」

という感じ。だが保険料は総じて高めで、高級ファミレスというところか?・・・

なお、総合保障型は10年更新なので(基本的にどこの保険会社のものもそう)、若い時の保険料は保障内容からすると、さほどでもないように感じる。

しかし、これは10年ごとの更新の度に高くなっていくので要注意。

昭和の頃のように「年齢が上がれば給料も上がる」のであれば、10年ごとに保険料が上がるっていくのも合理性があるが、今はそういう時代でもない。

そのため、皆「保険料がずっと変わらない終身タイプ」を若い頃から選ぶ傾向があるのである。

さて、本商品に入るか否かだが、率直に言えば

「この商品でないとダメ」

というような優れた点はないので、基本的には

「人による」

というところだろう。

「これから保険に入りたい」そう思っている人が普通にリサーチをして、太陽生命という中堅保険会社の、しかも総合保障型の本商品にたどり着くことはまずない。

保険ショップでもこれを勧められることはないだろう。

となると、友人や先輩、後輩、もしくは親類が太陽生命の営業職員だった、とか、職場の先輩に太陽生命の営業職員を紹介された、など、個人的な人間関係が絡んでこの商品を知った方が多いのではないか?

そこで提案されて、

「うーん、どうなんだろう?本当に良い商品なのかなぁ?」

そう思って、この記事を読んでいるのかもしれない。

今まで書いてきたように、他に良いものはあるので、無理してこれにする必要はないのだが、あとは人間関係の話かな?という気もする。

筆者自身は「人を信じて保険に入る」のはアリだと思っている。

本商品の弱点に致命的なものはないので、太陽生命の営業職員の知識が豊富で、自分の保険を任せられると思うなら別にこれでも良いのではないか?

もしくは、普段お世話になっている先輩からの紹介であったり、子供の頃から知っている親戚のおばさんであったり、

「うーん、なかなか断れないな・・・」

そんな状況であれば、多少の良し悪しより人間関係を大事にするというのも、「人の道」としては正しいかもしれない。

裏を返せば「そこまでの関係でもない」のであれば、本商品に入る理由はないということでもある。

参考コラム:「お付き合い保険」の断り方と「お付き合い保険」に入るメリット

口コミ・評判(販売側から)

・なし

口コミ・評判(契約者から)

・なし

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参考コラム:
医療保険の検討ってどうすれば良いの?と迷ったら

『医療保険。こう考えれば、スッキリ決められる!』
をご覧いただきたい。

比較した方が良い他社商品

当サイトで解説済みの総合保障型は以下の通り。

但し、冒頭で述べた理由から、低評価のものが多い。

大樹生命 大樹セレクトシリーズ ★★☆☆☆

明治安田生命 ベストスタイル健康キャッシュバック ★★☆☆☆

明治安田生命 メディカルスタイル ★★☆☆☆

編集後記

約款

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