この保険の弱点はここだ!T&Dフィナンシャル生命「長寿プレミアム2」

提供会社:T&Dフィナンシャル

商品名:長寿プレミアム2

この保険の弱点はここだ!!

何だか良く分からんな。

それが第一印象。

高齢者向けに銀行の窓口で販売されている商品なのだが、「複雑」&「投資効率が悪い」ということで1つ星。

知り合いが「これに入る」と言ったら「やめておけ」と止めるだろう。

商品としての流れは以下の通り。

1 一時金を預ける

2 米ドルに変換される

3 加入時に決まっている利率で運用されていく

4 加入直後から「年金」が開始する。年金は10年、15年、20年から選択可能

5 年金は全体の80%を受け取れる仕組み(10年の場合、全体の8%が10回 計80%を受け取れる)

6 年金終了の満期を迎えると、年金の残額20%(生存祝金)にそれまでの運用益が戻ってくる

こう書いても「イマイチよく分からない」ので、もし加入を検討しているならちゃんと説明を受けて欲しい。

上記内容を「ベース」として、コースとしては以下の3つがある。

介護認知症保障コース

・要介護1以上で預けた金額の20%を「介護認知症一時金」をドルベースで受け取れる。

・年金途中で死亡した場合、保険金は支払った金額(ドルベース)の80%(つまり20%損する)

・満期時の生存祝金は、20%+運用益+年金途中で死亡した「他の契約者」が損をした20%を「生き残った人」で分配

受取総額重視コース

・「介護認知症コース」の「介護認知症一時金」が「ない」バージョン

・保険金が80%で、年金中に死亡した契約者は20%損をする。それは他の「生き残った人」の生存祝金に分配される(介護認知症コースと同じ)

死亡保険重視コース

・死亡保険金が100%保証される

文章で説明するには限界があるが、まあ、よくもこんな面倒な商品を開発したものだな・・・と呆れる。

では弱点。

自分にはどんな保険が必要なの?
「死亡」、「医療」、「働けない」、「貯金」各分野の賛成派、反対派、両方の意見を聞きながら・・・
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弱点1 元本が減り運用効率が悪い

当初から年金が始まる。というのが本商品の「売り」ではあるが、正直、何のメリットももない。

例えば1ドル140円の時に1,000万円を預けた場合、71,428.57ドルとなり、年金はその8% 5,714ドルを受け取れる。

預けたお金は加入時に決まった利率で運用されているが、1年目に受け取る年金は「ほとんど運用されていない」ということ。

2年目の年金も1年間しか運用されない。

つまり、どんどん元本が減っていくので、いくらドル建で利率が高くても運用効率が悪い。

そもそもすぐに年金が欲しいのであれば、その分は預けずに自分で管理していれば良いではないか?

せめて4,5年分の年金分だけよけておいて、それでも余っている分だけを投資すれば良い。

本商品のようなタイプは「すぐに年金が受け取れる!!」と高齢者が喜ぶようだが、その金は自分のものだ。

ドル建のリスクを取るのであれば、年金などで元本を減らさず、腰を据えて運用した方が良い。

弱点2 年金受取が円のみ

本商品の年金は日本円でしか受け取ることが出来ない。

例えば1ドル140円とか、150円などの「円安ドル高」の時であれば、円べースで受け取った方がメリットがあるが、逆に1ドル100円などの「円高ドル安」では、とりあえずはドルで受け取っていた方が良い。

そのままドルで取っておいて、ドル高になった時に変換すれば良いからだ。

「ドルで受け取れる」というのは、ドル投資における重要な防衛手法であり、それが出来ないのは痛い。

弱点3 保険金80%+ドルリスク

介護認知症コースと受取総額重視コースでは、年金受取期間中に死亡した場合、保険金が80%しか受け取れない。

例えば1,000万円を1ドル140円で変換した場合、71,428.57ドルとなるが、年金受取中に死亡した場合、その8割の57,142.86ドルとなる。(実際には既に受け取る済の年金額が引かれる)

またタイミング悪く、この時の為替レートが1ドル100円などであれば、日本円ベースでの保険金は571万円となり、支払った金額1,000万円の半額ほどになってしまう。

これに納得できる人は少ないだろう。

なお、先ほど「年金は日本円でしか受け取れない」と説明したが、保険金はドルでも受け取れる。

そのため、仮にドル安の時に保険金を受け取ることになれば、まずはドルで貰っておいて、ドルの調子が良くなった時に円に変換することは出来る。

だが、そもそも保険金が8割しかないので、損をする可能性は高い。

また、自分が受け取れなかった「2割」は、他の契約者の満期時の生存祝金の配当として配られてしまうので、それも何だかな、という気がする。

当然、自分がそれを受け取る側になる可能性もあるが、高齢者間で寿命をタネにギャンブルしているようなものだろう。

なお、このように「長生きした人が得をする保険」のことを、トンチン型などとも呼ぶ。

参考コラム:トンチン型年金とは何か?特徴、背景、デメリット

 

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この保険の弱点、こう考えろ!!(解決策)

正直、筆者は本商品の良さは分からない。

ドルで運用するなら、一度にどかんと預けて、5年なり10年なり決まった利率で運用してくれるようなものの方が良いだろう。

わざわざ手前で元本を減らす必要はない。

あずけた直後から年金を受け取らないとやっていけないような人は、そもそもドルでの運用なんてしてはいけない。

口コミ(販売側から)

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検討した方がいい他社商品

ドル建の一時払なら以下の商品が、当サイトでは高評価

ジブラルタ生命 一時払米国ドル建終身保険 ★★★☆☆

ソニー生命 米ドル建一時払終身保険 ★★★☆☆

T&Dフィナンシャル生命 みんなにやさしい年金保険 ★★★☆☆

PGF生命 米国ドル建介護終身保険Neo ★★★☆☆
別名:ぬくもり介護US、悠々介護終身US、米国ドル建一時払介護終身PG、介護バリューUS

明治安田生命 米ドル建一時払養老保険 ★★★☆☆

メットライフ生命 サニーガーデンEX ★★★☆☆

編集後記

約款