提供会社:T&Dフィナンシャル
商品名:働くあなたにやさしい保険2
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フローチャートでまるわかり!5つの質問!アナタに必要は保険はこれだ!!
この保険の弱点はここだ!!
参考コラム:就労不能保険「損保系」、「特化型」、「特約型」の違いを理解しよう
良い商品だと思う。
筆者が知る限り「ほぼ完璧な就業不能保険」と言っても良いのではないだろうか?
だが、それ故に保険料が高い。
また「うーん、やや過剰かなぁ」と思う部分もあり、総合的に判断して、星3つとさせて貰った。
まず、商品の解説をする前に「就業不能保険の難しさ」について触れたいと思う。
昨今、医療技術の進歩によって、飛躍的に命が助かったり、延命が出来たりするケースが増えている。
それ自体は「喜ばしいこと」ではあるものの、病気や怪我が完治せずに、仕事が出来ないという状態に陥ってしまうこともある。
少々残酷な言い方をすれば、昔なら死んでいた人が「就業不能状態でも生きられる世の中」になったわけだが、正直なところ、これはこれでなかなか辛い。
そのような背景もあり、各社から就業不能保険が販売されている。
しかし、この就業不能という分野が、なかなか一筋縄ではいかない。
「働けない」というのは、非常に定義が難しいからだ。
死亡保障であれば「死亡」、医療保険であれば「入院」という、誰にでも分かる明確な基準があるが「働けない」というのは、人によってイメージがまちまち。
そのため、各保険会社は
これが『働けない状況です!!』
と提示しなくてはいけない。
そのための基準として、
・障害2級以上
・障害手帳3級以上
・要介護2以上
など、公的制度が利用されることが多い。
要は
「この公的制度に該当したら『働けない』認定してお金を払いますよ」
ということ。
商品によっては、基準は「これだけ」というものもあるが、それでは片手落ちのケースもある。
代表的な例が「がん」
がんの場合、長期入院や、転移・再発の入退院などで「働けない」場合も多いが、障害認定を受けられるか?と言うと、そういうわけでもない。
一部「肺がんで酸素療法を受けている」、「脳腫瘍で後遺障害がある」などの例もあるが、基本的にはがんで障害認定や介護認定をされることは、ほとんどない。
そうなると、
「働けないのに、払われない」
ということになる。
そのため「公的制度(障害2級など)」をベースにして、そこに各社なりの「肉付け」をして、保障の範囲を広げている。
例えば、
・医師が「自宅療養」を指示したら払う
とか、
・病気ごとに「血液検査の数値がこれ以下(もしくはこれ以上)になった」、「体重が何%減った」などの条件を付けて、それに該当したら払う
などなど、「働けない」を様々なアプローチで定義しようとしているのである。
本商品においては、そのルールを3つのプランごとに変えている。
1 がんプラン
がんと診断されたら払う
2 障害介護プラン
障害等級2級以上、もしくは要介護2級以上に該当したら払う
3 三大疾病障害介護プラン
1+2に更に心疾患、脳血管疾患も対象
心疾患 :手術 or 5日以上の入院(但し、急性心筋梗塞の場合入院1日で対象)
脳血管疾患 :手術 or 5日以上の入院(但し、脳卒中の場合入院1日で対象)
1のがんプランは分かりやすい。
がんに特化したもので、「がんです」と言われたら年金が開始される。
その後、どのような治療をして、どのような予後を過ごしていたとしても関係ないので、例えば1週間程度の入院で職場復帰し、ほとんど収入も減っていないし、その後も元気に仕事ができたとしても、決まった期間(60歳まで、65歳まで、5年間など)、年金を受け取れる。
だが、逆に言えば、がん以外の理由で「働けない」時にはお金は受けれないので、就業不能保険というよりは「がん就業不能保険」とでも言った方が良いだろう。
2の障害介護プランが、他社の一般的な就業不能保険に近い。
障害等級2級、要介護2という公的制度に認定されれば「払う」というもの。
こちらも、これらに認定されれば年金が受け取れる。
例えば障害がありながらも、勤務先の理解もあって、仕事が継続出来たような場合でも年金が受け取れる。
3の三大疾病障害介護プランでは、前述の1と2の保障が含まれつつ、更に心臓(心疾患)、脳(脳血管疾患)も対象になる。
どちらも、手術を受けるか、もしくは5日以上の入院をした場合対象なのだが、重篤になりやすい急性心筋梗塞(心疾患の一部)と、脳卒中(脳血管疾患の一部)については、「1日」でも入院すれば対象となる。
なお、心疾患、脳血管疾患、急性心筋梗塞、脳卒中の関係性については、以下コラムを参照して欲しい。
参考コラム:心疾患と急性心筋梗塞、脳血管疾患と脳卒中、何が違う?
他社の商品と比較しても、障害2級、要介護2をベースとした上で、三大疾病でも「払う」というのは、かなり充実している。
また、他社商品では「障害2級以上」という条件でも「精神障害2級以上」は対象外にしているものが多いが、本商品では精神障害も対象としている。
その点でも優位性がある。
以上、商品概要。
では弱点の解説をしたい。
フローチャートでまるわかり!5つの質問!アナタに必要は保険はこれだ!!
弱点1 高い & オーバースペック
冒頭でも述べたように、商品としては素晴らしいと思う。
「働けない状態とは?」
ということを突き詰めれば、ほぼこの保障内容になるだろう。
他社の商品の「基準」と比較して、足りないのは「医師の指導による自宅療養」くらい。
そのため、短期の自宅療養などでは対象外だが、とは言っても、自宅療養も長期になるような場合、多くのケースで障害認定や介護認定を受けられるだろうから、そこまで気にする必要はないだろう。
だが、少々オーバースペックのような気もする。
本商品では「がん」と診断されただけで年金を受け取れるが、本当にそこまでの保障が必要だろうか?
極端なケースで言えば、初期の胃がんや大腸がんなどであれば、1週間程度の入院で済むこともあり、仕事にもほとんど差し支えない。
逆に、転移・再発に苦しみ、がんが発生した場所によっては外科的手術を受けることが出来ずに、「毎月抗がん剤」などで、何とか生き長らえるようなケースもある。
この両者を一括りにして、年金を支払うというのはちょっと「手厚すぎる」という気もする。
また、3大疾病障害介護プランでは、心疾患、脳血管疾患でも手術か入院5日のどちかに該当すれば年金を受け取れるが、脳はともかくとして、心疾患が原因で「働けなくなる」のは極めて稀。
軽度の狭心症などで入院した場合も、本商品に加入していれば「5日で対象」となるので、もし私なら石にかじりついてでも病院に5日間居座る。
身体が良くなっても
「まだ動機がする」
「ドキドキが止まらず、息苦しい」
とか言えば、病院も5日くらいなら居させてくれるだろう。
このようなケースにも「払う」のだから、オーバースペックというか、「甘やかしすぎ」とも言える。
もちろん、これらの「甘い条件」は保険会社にとっても負担となる。
「お金を払う確率が高くなる」
からだ。
そのため、本商品の保険料はかなり高い。
40歳 男性、年金月額10万円、65歳まで、という内容で、3つのプランの保険料を見てみよう。
がんプラン 5,050円/月
障害介護プラン 2,940円/月
三大疾病障害介護プラン 14,930円/月
がんに関しては「うーん、これくらいはするだろうね」という感想で、他社にもよくある障害介護プランは2,940円と「まあ、こんなもん」という感じ。
三大疾病障害介護プランについては、その中身を分解すると
がんプラン + 障害介護プラン + 心疾患/脳血管疾患の保障
となるので、それらを保険料の内訳にすると
がんの部分 5,050円
障害介護の部分 2,940円
心疾患/脳血管疾患 6,940円(保険料14,930円から、がんと障害介護を引いた額)
となる計算。
つまり、心疾患、脳血管疾患の部分の保険料が「がん」を超えて最も高いことになり、保険会社としては、それだけ「払うリスクが高い」と算定しているのだろう。
結果、就業不能保険としては「おそらく一番高い商品」という感じになっていて、正直なところ
就業不能だけにここまでの保険料を払うのはちょっとキツイな・・・・
と感じる。
個人的には、がんについては、
「がんと診断されその治療が6ヶ月以上継続した場合」
心疾患/脳血管疾患についても
「手術 or 21日以上の入院」
注:これを支払い条件としている三大疾病系の商品も多い。
くらいにハードルを上げても良かったのでは?と感じる。
就業不能保険は、あくまで「働けない時」の補助的な役割であり、「働ける」のであれば別に給付される必要はない。
その点、本商品は「過剰」とも言えるだろう。
フローチャートでまるわかり!5つの質問!アナタに必要は保険はこれだ!!
この保険の弱点、こう考えろ!!(解決策)
この商品は人によって評価が真っ二つに割れる。
保障内容を理解し「それだけの価値がある」と納得出来る人と、「高いよ・・」と保険料の高さだけで拒否反応を示す人。
筆者の個人的な感想では後者の方が圧倒的に多いような気がするし、弱点1で挙げた通り「ややオーバースペックか」という気もしている。
また、本商品では一度支払い対象となると、その後、働けたとしても給付が続くので、当人からすれば「ラッキー」ではあるが、本来の保険という意味では、そこまでの給付は必要ない。
本当に働けない時だけ助けてくれれば良い、そう合理的に考えるなら、本商品は保険料の高さから選択肢から外れる。
他社の医療保険の☆評価一覧は、コチラ
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参考コラム:就労不能保険「損保系」、「特化型」、「特約型」の違いを理解しよう
編集後記