提供会社:なないろ生命
商品名:なないろメディカルスーパーワイド
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この保険の弱点はここだ!!
参考コラム:
医療保険の検討ってどうすれば良いの?と迷ったら
『医療保険。こう考えれば、スッキリ決められる!』
率直に良い商品だと思う。
かなりチャレンジブルな商品であり、気持ちとしては星4.5くらいを付けても良いと思っている。
なお、本商品を販売する「なないろ生命」は朝日生命のグループだが、このことについては以下の記事で詳細を解説しているので、ここでは割愛する。
保険会社としてどうなのか?という点について、ご興味がある方はそちらをご参照頂きたい。
さて、本商品。大分類としては緩和型の医療保険に分けることが出来るが、従来のライバル各社のそれとは大きく違っている。
加入時の質問項目が少ないのである。
まず本商品。以下の2つに該当しなければ入れる。
1 過去3か月以内に、医師・歯科医師から、入院、手術、放射線治療(電磁波温熱療法を含みます)をすすめられたことまたは説明をうけたことがあるか?
2 過去1年以内に、入院をしたこと、または、手術、放射線治療(電磁波温熱療法を含みます)をうけたことがあるか?
それに対し、ライバル各社では以下の3つとなっていることが多い。
1 過去3ヶ月以内に、医師から入院・手術・検査をすすめられているか?
2 過去2年以内に、病気や怪我で入院をしたこと、または手術をしたことがあるか?
3 過去5年以内に、がんまたは上皮内新生物、肝硬変、統合失調症、認知症、アルコール依存症で、医師の診察、検査、治療、投薬のいずれかをうけたことがあるか?
この両者で、大きく違うのは、まず1の質問にいおいて、
なないろ生命 過去3ヶ月以内に入院、手術、放射線治療をすすめられているか?
他社 過去3ヶ月以内に、医師から入院・手術・検査をすすめられているか?
という点。
他社には「検査」があるが、なないろにはそれが含まれない。
また、2の質問において、なないろは「過去1年以内の入院・手術」であるのに対し、他社では「過去2年」となっている。
当然、過去1年の方が入りやすい。どんな手術・入院をしていても、1年経過してれば条件をクリア出来るからだ。
そして、大事なのが3。
他社では、「過去5年以内」のがんや肝硬変などの病気について聞くが、なないろ生命ではその質問自体がない。
つまりこれは、「どんな病気」を経験していても、入院・手術から1年以上経過し、かつ、過去3ヶ月以内に医師から入院や手術(放射線治療含む)をすすめられていなければ、
誰でも入れる
ということを指す。
従来の緩和型から、「更に」条件が緩和されている。
なお、これよりも条件が緩和され、加入時に「何も聞かない」という無選択型(無告知型)医療保険というのも、あるにはあるが、実際には大手の保険会社で、これを販売しているところはない。(一部の小規模な少額短期保険会社などが販売している)
本商品は「通常の緩和型以上、無選択型未満」という位置付けとなり、現在、国内で販売されている緩和型医療保険の中では「最も入りやすい」と言っても良いだろう。
最近、国内の保険会社では「加入時にあまり細かいことを聞かない」という風潮があり、つまりは保険になるべく入りやすく配慮する傾向がある。
これは少子高齢化の影響で、保険加入者の平均年齢も上がっているため、当然、健康状態も相対的に悪くなる。
そのため、保険会社からしても「あまりうるさいことを言っていては契約が集まらない」という事情があるのだろう。
そのため、多少のリスクを承知の上で、「どなたでもどうぞ」という戦略に切り替えているのだと思われる。
本商品はその象徴的なもので、個人的には「なないろ(朝日生命)、随分、腹をくくったなぁ」という印象をもつ。
このあたりの事情は、以下コラムにおいても解説しているので、ご参照頂きたい。
参考コラム:健康診断の結果なんてあてにならない?!簡素化する査定
前述の通り、本商品であれば、究極、がんで退院してから1年経過していれば(かつ過去3ヶ月以内に入院、手術をすすめられていない)入れる。
これは、当事者にとってはとても嬉しいのではないだろうか?
詳細は今から説明するが、商品自体のデメリットは結構多いものの、それでも「何はともあれ医療保険が持てる」ということは、病気と戦う人にとっては希望となるだろう。
弱点1 保険料が高い
これは仕方がない。
加入条件がかなり緩和されているので、必然的に健康状態が悪い方々が加入することになり、そうなれば入院して給付金を支払うケースも増える。
保険会社からすれば、その分は保険料を積み立ててもらわねばならず、結果、保険料は上がる。
同業他社の緩和型と比べても、2,3割高いかな?という感じ。
当然、他社の緩和型の条件をクリア出来るのであれば、そちらを選択した方が良い。
弱点2 特約が少ない
これも「入りやすい」という点からすれば、致し方ない部分があるが、本商品には特約(オプション)が少ない。
手術給付金・放射線治療給付金、先進医療、通院一時金の2つのみ。
他社では、がん一時金特約や三大疾病無制限特約などが用意されていることもあり、それらに比べると少々寂しい。
筆者としては三大疾病無制限がないのが「ちょっと痛いな」と感じてる。
三大疾病無制限は、がん、急性心筋梗塞、脳梗塞などの病気で入院した場合、入院している限り無制限で日額給付をしてくれる、というもので、これがないと1回の入院の支払限度日数で給付が打ち切られてしまう。
本商品の場合、1入院あたりの支払い限度は「60日」なので、仮にがんや脳系の病気で長期入院しても、給付は60日で終わるということになる。(3大疾病無制限などを付いていればずっと受け取れる)
例えば入院1日5,000円のプランの場合、60日✕5,000円=30万円となるので、要は30万円が上限ということになる。
30万円であっても、無いよりはあった方が良いだろうが、「長期入院となってしまった時のリスクに対応出来ているか?」と問われると、それは疑問。
ただし、本商品自体が「緩和型の更に緩和型」という新しいコンセプトでもあり、まだまだテスト段階という側面もあるだろう。
保険会社としても実際に商品をリリースしてみて、数年後にどれくらい契約が集まるか?どれくらい給付があるか?などを検証した上でないと、3大疾病無制限などの特約は怖くて出せない。(無制限の場合、給付金額がどれくらいになるか読めないため)
このあたりは今後に期待、という感じだろう。
この商品の弱点、こう考えろ!!(解決策)
通常の緩和型に入れない人にとっては、希望の光となり得る商品で、筆者としても久しぶりにワクワクするものに出会えた。
保険料が高いため、他社の緩和型に入れるのであれば、この商品を検討する必要はない。
ただ、前述した通り、過去にがんや、統合失調症、肝硬変などを経験した人は良い選択肢になると思う。
医療保険としては、保障内容は小粒で、弱点2で挙げたように三大疾病無制限特約のようなものもないので、本当に長期入院をしてしまった時などには物足りないが、それでもないよりはあった方が良いだろう。
あくまで参考例だが、65歳 男性の場合で、先進医療特約だけを付けた場合、保険料は5,459円/月(5,000円/日 終身払)となる。
年間約6.5万円。65歳から85歳まで払うとして、約130万円。
1日入院すれば5,000円の給付であるため、単純計算で260日入院しないと元が取れない。
また、本商品は1入院あたり60日限度というルールがあるので、これに引っかかり、給付金が伸びない可能性もある。(180日入院しても、当初の60日しか対象にならない)
そういう意味では、「払い損」になる可能性が高いものの(まあ、保険全般がそうなのだが。でないと保険会社が儲からない)、それでも「医療保険がある」という心理的な安心感は計り知れない。
特に一度でも大きな病気をした人にとっては、その効果は大きいだろう。
また、後述の特約の部分でも解説しているが、先進医療特約が付けられることも良い。
現在の日本の逼迫した財政では、今後出てくる新しい治療法がすぐに保険適用になることは考えにくく、「先進医療扱い」になる治療法も多いだろう。
それらの治療を受ける場合、保険適用外であれば数十万円、数百万円のお金がかかるが、この先進医療特約があれば、それらの実費を負担してくれる。
なないろ生命の商品は、新興の保険会社としては医療保険もがん保険も「ちょっと滑った」感があるが、本商品は率直に良いし、新しい勢力による、新しい取り組みであると評価したい。
参考コラム:
医療保険の検討ってどうすれば良いの?と迷ったら
『医療保険。こう考えれば、スッキリ決められる!』
付けるべき特約!!(先進医療)
引受基準緩和型先進医療特約
保険適用外の先進医療を受けた場合、2,000万円までの実費+その実費の10%をお見舞金として給付。
筆者としては、本商品の最大の魅力がこれだと思う。
ある程度年齢が高い方で、既に大きな病気を経験していても「医療保険に何も入っていない」というケースは稀だと思う。
ただ、入っている医療保険が古いもので「先進医療が付いていないので不安だ」という声は良く聞く。
とは言え、既に病気もしてしまっているので、医療保険を切り替えることも出来ない。
そのような場合でも、本商品であれば「かなり条件が緩和されている」ので加入することが出来る。
1日5,000円の給付そのものよりは、そこにこの先進医療を付けることが出来る、ということの方がメリットが大きいのではないだろうか?
もし、他の医療保険などで先進医療特約を付けていないのであれば、これは付けておいた方が良いだろう。
付ける必要なし、な特約!!(手術、医療費充当、通院一時金)
手術給付金・放射線治療給付金
高いわりに給付が少ない。
65歳 男性の場合で、手術時もしくは放射線治療時に2.5万円給付で+1150円。年間13,800円、10年間で13万8,000円。
ざっと計算しても、10年間で6回手術か放射線治療を受けねばペイしないので、はっきり言って経済合理性はない。
がんになって放射線治療を何度も受ける、くらいのケースでしか役に立たない可能性が高いし、かつ2.5万円程度なら、貯金でどうにでもなるだろう。
医療費充当給付金
日帰り入院であっても「入院すれば」受け取れる一時金。
日額(1日5,000円)の10倍、20倍、30倍より選択可能。
65歳 男性の場合、5万円の一時金で+2,150円。年間25,800円、10年間で25万8,000円となり、つまりは10年間で5回入院してほぼトントン。
こちらも先の手術同様、経済合理性はない。
引受基準緩和型通院一時金特約
退院後、入院の原因となった病気のために通院した場合、一時金として3万円が給付される。
先の医療費充当給付金が「入院時」の一時金であれば、こちらは「退院後」の一時金という位置づけ。
65歳 男性の場合、3万円で+1,065円。年間12,780円、10年で12万7,800円。
3万円貰ったところで、何がどう、という話でもないだろう。
必要ない。
口コミ・評判(販売側から)
・かなり売れている。うちの代理店では、過去に緩和型医療保険に入れなかった方をリストアップして、集中的に案内したところ、2,3ヶ月で10件程度の申込みになった。
なないろとしても、相当入念に市場調査をしていたようで「緩和型にも入れない人」のマーケットをうまくとったという感じ。
謝礼Amazonギフトカード300円!! アナタの口コミ教えて下さい!!
保険会社勤務、代理店勤務の方でも、販売現場の情報や、当サイトで指摘していない弱点(デメリット)などには謝礼(amazonカード300円)をお支払い致します。
口コミ・評判(契約者から)
・40代 女性 既婚 子供ありさんからの口コミ
70歳の母に加入させました。母は3年前に大腸がん、1年前に胃がんをやり、医療保険の加入は諦めていましたが、知り合いの保険屋さんからこの商品を紹介されました。
母に確認したところ、退院からも1年経過し、その経過観察でも、特に医師からの指摘はないとのことで、それを伝えると「問題なく加入出来る」とのことでしたので、お願いしました。
母は某保険会社の医療保険には入っていたのですが、父の保険の特約扱いで、1日3,000円しかおりず、更には入院して10日くらい経たないと支払い対象にならないものでした。
1日5,000円とは言え、これがあるだけで、子供としてはかなり安心出来ます。また先進医療も付けられたので、今後出てくるであろう新しい治療法にも対応出来ることも嬉しいです。
比較した方が良い商品
オリックス生命 医療保険 CURE Support Plus[キュア・サポート・プラス] ★★★☆☆
ネオファースト生命 ネオ de いりょう 健康プロモート ★★★★☆
編集後記
参考コラム:
医療保険の検討ってどうすれば良いの?と迷ったら
『医療保険。こう考えれば、スッキリ決められる!』
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