この保険の弱点はここだ!ネオファースト生命「ネオ de いりょう 健康プロモート」

提供会社:ネオファースト生命

商品名:ネオ de いりょう 健康プロモート

この保険の弱点はここだ!!

参考コラム:
医療保険の検討ってどうすれば良いの?と迷ったら

『医療保険。こう考えれば、スッキリ決められる!』

それでは、この商品の弱点について解説をしていこう。

 

第一生命グループのネオファースト生命が出す、緩和型医療保険「ネオ de いりょう 健康プロモート」

率直に言って良い商品だと思う。

緩和型医療にしては、普通の医療保険と同じような「豊富な特約(オプション)」が用意されている点が珍しい。

また、加入5年後に、

病気やケガで入院した日数が「5日未満」

だった場合、保険料が下がる「健康割引特則」というものがある。

持病があって不安な人でも「5年間ガマン」すれば、保険料が普通の医療保険レベルに下がるので、メリットは大きい。

緩和型医療保険は、持病がある人が入る保険であるため、保険会社からすると通常の医療保険に比べ、給付金を支払うリスクが大きい。

そのため保険料が割高に設定されているのだが、「持病」と言っても人それぞれで、入院リスクも千差万別。

加入してすぐに入院する人もいれば、10年以上何もない、という人もいる。

この健康割引特則は、平たく言えば

「5年間は様子を見させて下さい」

ということで、保険会社としてもこの期間中にほとんど入院がないのであれば、

通常の医療保険に入れる人とリスクの差はない

と考えているのだろう。

加入時の健康状態だけでなく、その後の状態(支払い実績)も総合的に判断して「保険料を下げる」

非常に合理的な考え方で、今までにこういうアプローチはなかったので、ある意味では今後の緩和型医療保険のモデルケースになるかもしれない。




弱点1 ベースの保険料はやや高い

保険料だけで見ると、ライバルのメディケア(住友生命グループ)や、オリックスに比べ、やや高い。

年齢や性別にもよるが2、3割高いかなという印象。

ただ、冒頭で述べた通り「5年後の割引」も期待できるので、パッと見の高さはそれほど気にする必要はないかもしれない。




弱点2 先進医療特約が10年更新

これは明確な弱点。

保険が適用出来ない先進医療を受けた際、その実費を負担してくれる先進医療特約が、本商品では10年更新となっている。

つまり、この部分の保険料だけ10年ごとに値上がりする。

先にも挙げたオリックス、メディケアなどは「終身型」で、一度加入すればその保険料がずっと続く。

先進医療は今後、利用者の増大が見込まれており、そうなると保険会社も支払いが増える。

今は先進医療特約は、緩和型医療でも月200円程度で提供されているが、今後はそうはいかないだろう。

業界内では500円程度に上がることは確実と言われているし、場合によってはもっと上がるかもしれない。

先進医療特約だけに限れば、10年更新は契約者にとって良い話ではない。

 

参考コラム:
医療保険の検討ってどうすれば良いの?と迷ったら

『医療保険。こう考えれば、スッキリ決められる!』
をご覧いただきたい。




弱点3 復活制度がない!!

ネオファーストの商品の評価をする時、毎回、これを書かないといけないのは心苦しいが、本商品には復活制度がない。

と言うか、ネオファーストは全商品に復活制度がない。

保険は原則的に保険料を2カ月間滞納すると、失効してしまう。
注:ネオファーストの場合、3ヶ月連続での未払いで失効する。他社よりは1ヶ月長い。

つまり、保険の効果がなくなり、この間に入院しても支払い対象外となる。

これ自体は保険料を支払ってないのだから仕方ないが、その時に「復活」が重要になる。

・加入時と健康状態が変わっていないか?

・加入時から今まで大きな病気をしていないか?

などを書面で問われ、問題なければ、滞納していた分の保険料を納め、以前と同じ状態に戻せる。

しかし、ネオファーストではそれが出来ない。

たまたま残高が不足していたり、銀行口座やクレジットカードの変更の際、保険会社に連絡するのを失念していたり、ちょっとしたミスから保険料を滞納してしまうことは間々ある。

そんな時に復活が出来なければ、再度、「その時の年齢」で保険に入る直すしかない。

特に緩和型医療保険は年齢が上がれば上がるほど保険料が高くなる傾向があるので、以前より保険料が高くなってしまうだろう。

また、緩和型医療に加入するのは高齢者が多く、先に挙げたような保険料の支払いミスも高齢者に多い。

そのような時の救済手段である復活制度がないのは、保険業界の長い筆者としては

「重要なアフターフォロー」

を放棄しているように見えて、何とも首をかしげてしまう。




弱点4 180日ルール(複数回入院した場合の取り決め)

この商品では

「退院後180日以内に入院した場合は、その前の入院と同一のものと見なす」

という、かなり特殊なルールがある。

例えばこんな事例。

肺炎で30日間入院、その3か月後に胃潰瘍で40日入院。

この場合、通常の(他社の)医療保険では、それぞれ30日分と40日分が支払われる。

しかし、本商品の場合、1入院あたりの上限は60日分なので、最初の肺炎の30日分は全て受け取れるが、次に胃潰瘍に関しては30日分しか対象とならない。

既に最初の入院で30日を消化してしまっているので、上限60日のうち30日分しか残っていないのである。

そのため、オーバー分の10日は支払対象外となる。

このルールは通称「180日ルール」と言われ、わりと新しい保険会社、ライフネットや楽天、メディケアなどで導入されている。

いわば「最近の流行り」のようなもの。

保険会社からすれば、給付金の支払いを抑える効果があるが、契約者にとっては足枷でしかない。

注:通常の医療保険でも「同じ病気(例えば、肺炎のあと再び肺炎など)」での180日以内の再入院、などでは前回の入院から「継続」したものとして見なす。
上記は「違う病気なのに」同一の入院期間に含まれてしまうため、弱点としている。

 

参考コラム:
医療保険の検討ってどうすれば良いの?と迷ったら

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特約 Good & Bad!!

Good がん診断特約、抗がん剤治療特約

筆者の知る限り、緩和型医療保険の特約でがん診断特約が用意されてことはあるが、抗がん剤治療特約がラインナップされていることは稀。

なお、抗がん剤治療特約はがんの治療が長期化して、入退院を繰り返し「働けない」という状態の時に有効な特約。

このような時に毎月決まった金額を給付されるのはうれしい(治療を受けていることが前提だが)

とは言え、この特約でカバーされるのはがんのリスクのみ。

「働けない」

と言う状態は、ケガや脳卒中による麻痺など、色々考えられる。

そのため、より広範囲にカバーしてくれる就業不能保険などの方が良いのだが、こちらの保険は健康状態が良い人だけが対象で、持病などがあると加入が難しい。

持病持ちの「働けないリスク」に関しては、以前は何の対策も取れなかったが、この特約で「がんで働けない」時だけはカバーできる。

その点は素晴らしい。

通常の医療保険であれば、抗がん剤治療特約は良く目にするが、緩和型医療保険の場合、保険会社がリスクを考えて、がん関係の特約は少ない場合が多い。

そのため、

「がんの特約に入りたいけど、持病があって入れない」

という方が多い。

緩和型医療の特約(オプション)として、このようなものを用意してくれるのは、ニーズのある人にとっては嬉しいだろう。

とは言え、保険料は相当高い。

これも5年後の健康割引特則が適用されれば、一般の医療保険レベルまで下がるので、筆者はがんの長期化を心配するなら入っても良いと思う。

Good 特定疾病一時金給付特約

がん、急性心筋梗塞、脳卒中の際に一時金を受け取れる特約。

この特約は他社では「三大疾病一時金」などと呼ばれ、普通の医療保険ではメジャーな特約だが、緩和型医療保険で、これを用意している会社はまだごく一部。

付ける、付けないは別としても、選択肢が用意されている点は素晴らしい。

下記の条件に該当した場合に一時金(50万円、100万円など、加入時に選択)を受け取れる。

がん     診断のみ(がんです。と言われただけでOK)
脳卒中    手術 or 20日以上の入院
急性心筋梗塞 手術 or 20日以上の入院

給付は1年に1回が上限で、何度でも受け取れる。

他社では「2年に1回まで」としているところも多く、「1年に1回」は条件は良い。

例えば、がんになって一時金を受け取る。しかし、残念ながら再発や転移をしてしまい、短期間で再度入院することになる。こんな時「2年に1回」よりは「1年に1回」の方が、再び一時金を受け取れる確率が上がる。

もちろん「1年以内に再発、転移してしまった」ということもあるので、その時には1年1回でも2年1回でも同じ話(該当しない)だが、この待期期間は短ければ短い方が良い。

予算に余裕があるのであれば、付けておいても良いかもしれない。




Bad 通院特約(通院給付金・通院一時金給付金)、治療保障特約

全て必要ないと考える。

負担する保険料の合計と、給付金のバランスが悪い。

例えば、40歳男性で「通院特約」を5,000円(退院後の通院一回につき)を付けた場合、保険料は

+1,855円/月

年間、2.2万円。10年間で22万円増。

対して、通院1回につき5,000円なので、10年間で44日以上通院しないと元が取れない計算。

わりが悪い。

また、5,000円程度の給付なので、もちろん貰えば嬉しいだろうが、なかったとしてもそれほどインパクトのあるものではないだろう。

ただでさえ、割高な緩和型医療保険。

あれもこれもと考えるより、メリハリをつけた方が良い。

他の特約も、負担する保険料と給付される金額を考えると似たような結果になる。

Bad 先進医療特約

弱点2で述べた通り、10年更新である点がネック。

Bad 特定疾病保険料払込免除特約

がん(悪性新生物)…診断
急性心筋梗塞・脳卒中…手術 or 20日以上の入院

この条件に当てはまった時に、以後の保険料を免除される。

2020年3月の改定で、急性心筋梗塞・脳卒中の条件が

「手術 or 30日以上の労働制限・後遺障害」

から

「手術 or 20日以上の入院」

と条件がよくなった。

他社では、急性心筋梗塞、脳卒中の免除条件として「60日以上労働制限・後遺障害」などという厳しいものをあるので、手術か20日以上の入院で免除されるのは、条件はまあまま良い方だろう。

ちなみに、このような保険料免除は好きな人が多いが、筆者は必要ないと思っている。

確かに免除になれば嬉しいが、実際に免除になるのは70代後半や80代に入ってからが多く、免除されたとしてもそれほど長い期間ではない。

その分、保険料免除のための「上乗せ保険料(特約保険料)」を長年負担することになるので、結局は

免除された分の保険料を先払いしただけ

とも言える。

また、緩和型医療保険はそもそも保険料が高いのに、その保険料免除のための特約はかなり高い。

合計すると、結構バカにならない金額になる。

保険会社としても「持病がある人」を相手にしてるため、免除条件に当てはまる人が多いと考えるため、それなりの保険料を頂かないと、ということなのだろう。

「何となく自分はがんや脳卒中をやって免除になりそうだから、付けたい」

というのなら、止めはしないが、結局はいつまでたっても免除にならず、高い保険料を負担するだけになる危険性も考えた方が良い。




比較した方が良い商品

アクサダイレクト生命 はいりやすい医療 ★★★☆☆

オリックス生命 医療保険 CURE Support Plus[キュア・サポート・プラス] ★★★☆☆

メディケア生命 メディフィットRe[リリーフ] ★★★★☆

改定履歴

・2020年3月1日
「死亡保障特則」「女性疾病入院特約」「特定疾病一時給付特約」の新設
「がん診断特約」の支払限度の改定
「特定疾病保険料払込免除特約」の条件の改定

ネオファーストでは、特約の中途付加の取扱はないため、「現在加入中の契約者」は、これらの特約へ変更することはできない。

参考コラム:
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