提供会社:メディケア生命
商品名:メディフィットプラス
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この保険の弱点はここだ!!
8大疾病一時金保険について、動画にて解説中!!本文とともに聞き流して下さい。
メディケア生命は、住友生命資本の保険会社で、主に保険ショップで販売される商品の開発・販売を行っている。
メディフィットプラスは、特定3大疾病(他社で言うところの3大疾病)や、特定8疾病の際に一時金を受け取れる保険で、保障範囲及び支払い条件は以下の通りとなっている。
医療保険などに、がん、心臓、脳の病気の時に一時金を受け取れる「3大疾病一時金特約」というようなオプションがあることが多いが、本商品はそれを独立させ、保障内容の範囲を広げた(3大→8大)さようなもの。
本商品が販売されたころは「さきがけ」という感じだったが、今では同種の商品が増えてきている。
詳細は後述するが、「保険料高く、ややオーバースペックか?」という点で、3つ星評価。
特定3大疾病
1 がん(上皮内がん含む)
初回は診断(がんです、と言われるだけ)でOK、2回目以降は入院することが条件
2 心・血管疾患
急性心筋梗塞は「入院」でOK、急性心筋梗塞以外(狭心症など)は20日以上の入院 or 手術が条件
3 脳血管疾患
脳卒中は「入院」でOK、脳卒中以外(狭心症など)は20日以上の入院 or 手術が条件
なお、心疾患、脳血管疾患の詳細については以下のコラムにて詳細を解説している。
「心疾患と急性心筋梗塞は何が違うのか?脳血管疾患って何?」
というような方はご参照頂きたい。
参考コラム:がん診断一時金、3大疾病一時金は付けるべきか?
特定8疾病
上記3つに、以下5つがプラスされる
4 糖尿病
糖尿病性網膜症にて手術 or 糖尿病性壊疽にて1本の指(手足どちらでも)以上の切断手術
5 高血圧疾患
大動脈瘤または大動脈解離にて手術
6 肝疾患
肝硬変により、入院または通院
7 すい臓疾患
慢性膵炎により、入院または通院
8 腎臓疾患
慢性腎不全により、入院または通院
ライバル商品は、なないろ生命(朝日生命グループ)の「なないろセブン」、はなさく生命の「はなさく一時金」、ネオファースト生命の「ネオdeからだエール」あたり。
どの商品も「7つ(もしくは8つ)の病気で一時金」という点では共通している。
同種(7つ、もしくは8つの病気で一時金)が、以下の商品。
ネオファースト生命 ネオdeからだエール ★★★☆☆
注:3年更新型
何故か、国内大手の「第二生保(保険ショップ向け専用の子会社)」が販売しているケースが多い。
恐らく、マーケティング的には、以下の2つのパターンを狙っているのだろう。
1 医療保険の上乗せアプローチ
医療保険は最安値構成で組み、そこに「上乗せ」として本商品のような保障を乗せる。
通常の医療保険でも、3大疾病一時金を特約(オプション)として用意している会社が多いが、「より守備範囲の広いものがある」というアプローチで、本商品のようなものに誘導する。
2 これだけで良い!!アプローチ
「どうせ入院なんて短期間で終わる。医療保険なんて損するだけ」と、医療保険に懐疑的な層(若い人が多い)に対して、本商品などを使い「ホントに大変な『7つの病気』の時に一時金を払います!!」という極めて単純な提案をする。
当サイトの編集に関わるスタッフで、保険ショップに勤務している人間に聞くと、だいたいこの2つのセールストークが多いようだ。
「がん、心筋梗塞、脳卒中」などと言われても、若い人はなかなかピンと来ないが、そこに糖尿病や高血圧、肝臓、膵臓など、とにかく色々な病名を話題に出すことで、病気を身近なものとして感じてもらう。
糖尿病や高血圧程度であれば、「オヤジが薬を飲んでる」、「おばあちゃんが病院に通っている」といような体験談もあるだろうから、
「ああ、俺も将来、なるかもなぁ」
などと思ってもらえるので、訴求力があるのだろう。
つまり病気の範囲を広げることで、契約者に「なるかもしれない=お金が貰える」と思わせる。
範囲が広い分、本商品のような8大(7大)疾病一時金は3大疾病一時期金よりも保険料が高いのだが、契約者からすれば、
「貰いやすい=勝率が上がる」
ということでもあるので、多少の差であれば「8大(もしくは7大)の方が・・・」となるのかもしれない。
ちなみに本商品は、8つの病気のうち「肝疾患」、「すい臓疾患」、「腎臓疾患」については、通院でも支払対象となるので、先に挙げたライバル各社よりは条件が緩い(他の商品は入院が条件のところが多い)
この点はメリットと言える。
では、弱点の話に入ろう。
弱点1 保険料高め&オーバースペック
保障内容が良い、ということは、契約者からすれば、それだけ「保険金を受取るチャンスがある」ということになる。
それは保険会社の方から見れば「払う可能性が高い」ということ。
そのため、保険料を高めに設定する。
この法則は「絶対」であり、他社より保障内容が良くて、更に安い、ということは原則的には起こり得ない。
このあたりは不動産に似ている。
都心の一等地、駅近で、広くて安い家が「ない」と同じ。
まずこの点は理解すること。
保険選びで袋小路に入る人は、「もっと良い商品、もっとお得な商品があるんじゃないか?」と考えすぎてしまうが、そんなものはない。
無理はないか?予算範囲内で求めている保障はあるか?
つまりは、自分にあっているか、いないか。という点だけ。
で、本商品。
筆者は「ややオーバースペックかな」という気がしている。
理由は先程も書いたが、「肝疾患」、「すい臓疾患」、「腎臓疾患」で通院を支払対象にしていること。
この点、本商品単体で説明をしても分かりにくいので、具体的なライバル商品と比較してみよう。
30歳 男性の場合、「ほぼ条件を揃えて」比較をすると保険料は以下のようになる。
一時金 50万円 月払・終身払のケース
・メディケア生命 メディフィットプラス 8大疾病 1,805円/月
・はなさく生命 はなさく一時金 8大疾病Ⅰ型 1,515円/月
・なないろ生命 なないろセブン 7大疾病 1,164円/月
3社の商品は、どれも「表面上」は似ているが、保険料では1.5倍程度の差がある。
では、何が違うのか?
まず、がん、心疾患、脳血管疾患の3つについては、3社で大きな違いはない。
「その他の病気」で差がつく。
メディケア vs はなさくの場合、先に挙げた「肝疾患」、「すい臓疾患」、「腎臓疾患」の3つでメディケアは「通院」だけでも支払うが、はなさくでは
肝硬変 1日以上の入院 or 通院
慢性膵炎 手術
慢性腎不全 永続的な人工透析
となっている。
肝硬変については、条件は同じだが、慢性膵炎と慢性腎不全においては、メディケア「通院」、はなさく「手術、人工透析」と、その支払条件に結構な差がある。
さらに、メディケア vs なないろとなると、なないろの方は
肝硬変 食道、胃静脈瘤が破裂したと診断 or それに伴う手術、肝移植手術
慢性膵炎 対象外
慢性腎不全 永続的な人工透析
とある。
肝硬変においては「食道の破裂って何だよ・・・怖すぎるだろ・・・」という感じだし、膵炎はそもそも対象外、慢性腎不全でも「永続的な人工透析」となっており、支払い条件は明らかに「通院」だけより重い。
このように比較すると、保険料と保障内容は「良ければ高い、悪ければ安い」ということが明確である。
これだけを見れば、「じゃあメディケアが一番安心だ!!」となるが、実際にそうだろうか?
保険料は1,805円と1,164円で毎月641円ほど違う。年間で見れば約7,700円。10年で7.7万円。30年で23万円だ。
端的に言えば、「23万円を支払って、肝臓、膵臓、腎臓の保障をグレードアップしている」ということになるが、その結果受け取れるのは50万円であり、その差額(このために支払ってきた保険料23万円との)は27万円でしかない。(複数回受取る人もいるのせよ)
また、肝硬変の患者は5.7万人、膵臓が4.7万人、腎臓が29万人と、数だけを見れば、年間100万件近く診断されるがんと比べると、リスクは相当低いことが分かる。
実際に本商品に加入していて、「軽度の肝硬変で通院だけで一時金受け取れた!!」というような方もいるだろうが、レアケースかな?という気もするし、筆者の率直の感想としては、
「そこまで心配してたらキリがないよ・・・」
という感じでもある。
そのため原則的には「カバーするのは三大疾病くらいで良いのでは?」とも思っている。
なお、余談ながらなないろ生命のなないろセブンに関しては、保険料が医療保険などにオプションで付ける「三大疾病一時金特約」と、ほとんど変わらないため、「オマケ」として3大が7大になるのであれば、それも悪くないと判断している(そのため4つ星評価)
この商品の弱点、こう考えろ!!(解決策)
前述の通り「内容は良い、その代わり保険料は高い」ので、予算に余裕がある「心配屋さん」向きかな?という印象。
このあたりは難しいところで、保険屋から比較資料などを見せられ、
「このケースではA社は払わないけど、メディケアは払う。このケースではB社は払わないけど、メディケアは払う」
などと言われると、何となく不安な気持ちが増幅されてしまう。
そうなると、メディケア以外を選ぶことは「一時金を受け取れなくても良い!!」と自分で決めることにもなるので、将来後悔するかも?など、色々と考え、結果「月数百円であれば、まあ良いか・・・」などとなることが多い(筆者の経験上)
しかし、数百円も長い目で見れば何十万円にもなるので、些細なケースであれば「必要ない」と勇気を持って決断することも重要。
でないと、不安に付け込まれ「あれも、これも」と保険料ばかりが焼け太りしてしてしまう(保険会社からすれば良いお客さん)
それでも、本商品は「悪い商品」ではない。
そして、実際に8つの病気のリスクもあるので、あくまで「予算に余裕がある」なら良いのでは?とは思う。
なお、一部の代理店などで「通常の医療保険は必要ない。大きな病気に備えられるこの商品だけで十分!!」というようなセールストークがあるようだが、筆者はそれには否定的。
当然ながら病気はこの8つだけではない。病気以外にも怪我もある。
通常の医療保険は、それはそれであった方が良い。
「8つの病気だけカバーしていればOK」というのは、あまりに短慮かと思う。
その点からも、8つの病気の「細かい違い」を気にして、そこに予算を割くのであれば、通常の医療保険の日額の増額(1日5,000円を7,000円とか)にあてた方が、より広範囲のリスクに備えることが出来る。
保障内容
以下の8つの病気を対象に、一時金を受け取れる。
1 がん(上皮内がん含む)
2 心・血管疾患
3 脳血管疾患
4 慢性腎不全
5 肝硬変
6 慢性膵炎
7 糖尿病
8 慢性腎不全
支払条件は、冒頭の説明を参照のこと。
付けるべき特約!!(先進医療)
先進医療・患者申出療養特約
先進医療の療養を受けたとき、もしくは患者申出療養を受けた場合、その実費を2,000万円まで補償。
また、お見舞金的なものとして15万円が上乗せされる。
他の医療保険などで付けていないなら、付けておいた方が無難。
参考コラム:先進医療特約は「終身型」を選びなさい!!
患者申出療養については、以下コラムをご参照頂きたい。
参考コラム:患者申出療養制度とは?対応商品一覧
付けても良いかも?な特約(薬剤治療:抗がん剤型)
薬剤治療:抗がん剤型
がん治療が長期化し、「毎月抗がん剤を」というような状況になった場合に有効なオプション。
がんによる就業不能、収入減に対しては、かなり安心感がある。
「働けない」のは、何もがんだけに限った話ではないので、全ての「働けない」に対応するには就業不能保険の方が有効ではあるが、本特約は保険料も手頃(30歳 男性の場合、5万円/月の給付で+355円)なので、別途就業不能保険も検討した上で、予算に余裕があれば更に「上乗せ」で付けておいても良いかもしれない。
参考コラム:抗がん剤治療特約は付けるべきか?
参考コラム:就労不能保険「損保系」、「特化型」、「特約型」の違いを理解しよう
払込免除特約(Ⅰ型、Ⅱ型)
医療保険自体、保険料はさほど高額でもなく、それが免除されたからと言って、生活に大きなプラスはない。
言わば、小さなリスク(月々の保険料程度)を気にして、保険に更に保険をかけるようなもので、筆者は原則、必要はないと思うだが、好きな人も多いので、「好きにすれば良いのでは?」という感じ。
「タダになる」
というのが日本人は好きなのだろう・・・
本商品では、免除の条件が異なるⅠ型、Ⅱ型がある。
参考コラム:「医療保険の払込免除は必要か?」
付ける必要なし!な特約(薬剤治療:薬剤Ⅰ型)
抗がん剤だけでなく、脳梗塞の薬なども給付対象になる。
面白い特約ではあるが、抗がん剤以外は給付も少なく、あまり実効性はないと考える。
同社の医療保険「新メディフィットA」の弱点2にて詳細を説明しているので、ここでは割愛する。
参考:この保険の弱点はここだ!メディケア生命「新メディフィットA」弱点2
口コミ・評判(販売から)
代理店勤務さんから口コミ
一時期、結構売れてはいたが、最近ではライバル商品が多くでてきて、やや下火になっている印象。
保険料の違いが、支払条件の違いであることを説明するのに手間がかかり、しかも結構頭の良い人でないと付いてこれない。
所詮は医療保険の上乗せの話なので、そこまで時間を割いていられないというのも本音。
口コミ・評判(契約者から)
なし
謝礼Amazonギフトカード300円!! アナタの口コミ教えて下さい!!
保険会社勤務、代理店勤務の方でも、販売現場の情報や、当サイトで指摘していない弱点(デメリット)などには謝礼(amazonカード300円)をお支払い致します。
比較した方が良い商品
同種(7つ、もしくは8つの病気で一時金)が、以下の商品。
ネオファースト生命 ネオdeからだエール ★★★☆☆
注:3年更新型
また、各社の医療保険のオプションとなる「三大疾病一時金特約」も比較対象となる。
下記に三大疾病一時金の支払い条件が良い商品を列記する。
・心疾患、脳血管疾患が対象。範囲が広い
SOMPOひまわり生命 健康をサポートする医療保険 健康のお守り ★★★★☆
三井住友海上あいおい生命 新医療保険 Aプレミア ★★★☆☆
・三大疾病一時金の特約保険料が安い
編集後記: