必要?それとも要らない?「子供の保険」総論

これ、よく聞かれる。

また、保険会社各社からも「子供を対象」にした保険商品は色々と販売されているので、本稿にて総論を述べてみたい。

まず、筆者の感想としては、以下の3つ。

1 原則要らない

2 だが、0.1%程度は「保険がすごい役に立つケース」もある

3 余裕があるなら、資産運用の一貫としてはアリ

一つずつ解説していきたい。

1 原則要らない

まあ、これはほとんどの人がすんなり理解してくれると思う。

保険には入院した時に役に立つ医療保険と、死亡した時役に立つ死亡保険があるが、原則的には、どちらも「必要ない」

まずは医療保険から。

そもそも子供なんて、入院するほどの病気や怪我などしないし、したとしても軽度のものばかり。

また、自治体によっても異なるが、ある一定の年齢までは医療費は無料なので、お金もかからない。

もちろん、中学、高校くらいになると、医療費無料の対象から外れ、かつ部活動などで怪我をする可能性も高くなるが、それでも医療費は3割負担で、かつ高額療養費制度もある。

それくらいの出費であれば、親が貯蓄を切り崩して支払えば良い。

これが、親が入院した場合、そしてその入院が長期に渡れば「収入減リスク」などがあるため、医療保険は「あった方が良いよね」と言えるのだが、子供は家計に貢献しているわけでもない。(むしろ消費する立場)

入院リスクも低く、更にはもし入院したとしても「自分たちの貯蓄でなんとなかる」のであれば、保険はなくても良い。

ただし、「なくても良い」というのは、逆説的に言えば「あっても良い」ということでもある。

入院するリスクはゼロではないので、そのような場合に保険に入っていれば、多少の副収入にはなる。

それでも総じて見れば「要らないんじゃない?」というのが筆者の結論。

次に、死亡保険。

不運にも子供が亡くなる。考えたくもないことだが、残念ながら起こり得ることではある。

だが、子供が死んでお金が欲しいというような親などいないだろう。

そのため、こちらも必要ないと思う。

なお、参考までに、以下に「子供の死亡リスク」について解説してあるので、ご興味ある方はお読み頂きたい。

ただ、内容的には暗くなるものので、読み飛ばして頂いても結構。

では、始める。

下記、少々古いデータだが、平成20年の年齢階級別の死亡率。

「人口10万あたり、1年で何人が死亡するか?」ということを表している。

0-4歳   70.1人
5-9歳     9.7人
10-14歳   8.7人
15-19歳 26.7人
20-24歳 43.3人
25-29歳 49.0人
30-34歳 60.1人
35-39歳 81.6人

以下、年齢の上昇と共に死者数は増加していく。

0-4歳では、10万人あたり70.1人と結構高く、これは30代の死亡率とほぼ同水準である。

理由は出産直後の重篤な病気が原因で亡くなるお子さんや、乳幼児の突然死などの数値が反映されているから。

悲しいことだが、これだけ医療が発展しても、生まれつきの病気や原因不明で亡くなる子供たちは少なくないということだろう。

しかし、5歳を超えると死亡率は低下。

高校に上がると、死亡率は上昇するが、これは事故や自殺(いじめ、思春期の悩みなど)などが原因となっている。

これらの統計を整理すると、10万人の子供のうち、0歳から22歳までに亡くなる方は706人、最も死亡率の高い「4歳まで」を除くと(つまり5歳から22歳)、355人となる。

22歳までの死亡率は全体で0.7%(140人に1人)、5歳を越えていれば0.35%(300人に1人)ということ。

余談ながら、筆者も保険という仕事をしている関係で、お子さんを亡くされたご両親に何度か保険金を届けたことがあるが、もうこればかりは人生で最大の不幸としか言いようがない。

かける言葉も見つからない。

なお、お支払いした保険金は、大抵はお墓を建てる(もしくは豪華にする)ことに使うことが多く、自分たちのために使うようなことはまずない。(兄弟がいれば、その子達のために使うこともある)

以上のことから、筆者は原則的には子供に保険は必要ないと思っている。

だが、ここまで書いてきて矛盾しているが、筆者自身は自分の子供に医療保険を「入れている」

これは職業的に、実際に役に立つ場面が「あるにはある。」ということを感じているから。

それが次の話。

2 だが、0.1%程度は「保険がすごい役に立つケース」もある(大きなリスク)

前項でも述べた通り、子供が病気や怪我をしても、そのほとんどは些細なもので、出費などたかが知れている。

だが、本当に低い確率ではあるものの「大きな病気」をするお子さんもいる。

小児がんや先天性の免疫不全疾患など。

とは言え、これらのお子さんの病気の場合、大抵は難病指定などをされているため、医療費はそれほどかからない。(難病の場合、医療費助成制度があるため)

だが、お子さんの看護に親(特にお母さん)がかかりっきりになるため、なかなか仕事が出来なかったり、また、これらの難しい病気は治療できる病院が限られているので、地方などではご両親が、家を離れ大きな病院の近くに泊まり込んだるするケースもある。

つまり「医療費以外のコスト」がかかるのである。

このような場面では、やはり医療保険からの給付はありがたい。

また、医療保険のオプションとして先進医療特約というものがある。

先進医療を受けた際に、実費を負担してくれるものだ。

先進医療は実験的なものが多く、保険適用外ではあるが、がんの分野などでは著しい成果を挙げているものもある。

仮に自分の子供が病気になり、

「先進医療を受ければ助かるかもしれない」

となった場合、その治療がいかに高額であっても、親は必死に工面するだろう。

だが、その費用は500万円以上する高額なもの(重粒子線治療など)もあり、経済的には大きな負担となる。

そのような時、先進医療特約があれば、2,000万円までは実費を負担してくれる。

これが「すごい役に立つケース」である。

と同時に「ほとんどないケース」でもある。

統計的には、数千人、数万人に1人というもので、我が子がそれ(難病だけでなく、先進医療が必要な事例)を引く確率はゼロに近いくらい低い。

だがゼロではない。

このあたりの判断が難しい。

前項で述べた通り、筆者も「原則的には子供に保険は必要ない」とは思ってはいるが、今まで述べてきたような「最悪のケース」もないわけではなく、それを「心配し過ぎ」と捉えるか、「いや、やっぱり必要だろう」と考えるかは、人それぞれ。

前述した通り、筆者は職業的に「まさか!あり得ない・・・」というケースを多く見聞きしているため、自分でも「心配し過ぎだろう」と呆れながらも、我が子を医療保険に入れている。

なお、今まで述べてきた話を親御さんにすると、8割「でもうちは大丈夫。必要ない」と答える。

考えてそう言ってるわけではなく、あまりにレアケースでもあるため、実感が湧かないということだろう。

そして、2割の親御さんは「念の為」という感じで、最低限の医療保険(日額3,000円など)に先進医療特約を付けたものか、共済などに加入させている。

こればかりは、親御さんの「心配度」が反映される。

ほとんどの子供にとっては「必要ない」のだが、ゼロではない。

これが子供の保険の難しいところだ。

3 余裕があるなら、資産運用の一貫としてはアリ

これは資産がある方向けの話。

そうでないなら読む必要はない。

子供が亡くなった時に保険金が欲しいわけではなく、子供のために「保険を買っておいてあげる」という考え方。

欧米ではこれをやる人が多い。

と、外資系の生保営業マンが、よく喧伝しているらしいが、本当かどうかは知らないし、ヨーロッパ在住の筆者の友人は「初めて聞いたよ笑」と言っていた。

ただ、合理的ではある。

理由は

保険料が安いから

年齢が高くなればなるほど、保険料も高くなる。

逆に年齢が低くなればなるほど安くなる。

究極的には0歳が一番安い。

であるならば、安い時に入れておいてあげて、それを成人してからプレゼントしてあげれば良い。

最低限の保障は大人になれば必要だろう?という感じ。

真夏に冬用のダウンジャケットを買うような話だが、

「どうせ冬になれば使うだろ?凄い安くなってるから買っておこう」

というイメージ。

また、ドル建や、株に連動する変額保険などであれば、子が成人する20年後などには、支払った保険料より返礼金が増えている可能性が高い。

資産運用的な観点からも悪くはない。

なお、筆者は20年払(子が20歳になるまで)の変額終身保険に入れている。

筆者が20年で保険料を払いきり、あとは運用と保障(死亡した時の保険)だけを子に渡す。

その保険を継続するか、途中で解約して自分で使う(結婚費用や、家の頭金など)かは本人に任せるつもりだ。
(しかし、本人の素行が悪く「金もたしたらロクなことに使わない」と判断した場合、この契約は筆者が持ち続け、どこかのタイミングで解約して、その返戻金は自分で使う)

選択しているファンドは米国市場の株式に連動したもので「20年もやってれば多少は増えるだろう」という感じ。

ただ、資産運用として考えるのであれば、投資信託やジュニアnisaなどでも可能で、別段、保険である必要はない。

むしろ、保険は「死亡した時に保険金を払う」という機能があるため、そこで多少の手数料を引かれており、純粋に運用だけの投資信託より分が悪い。

そのため、保険を選択する理由は「保険としては今入った方が安い」というだけ。

なお、変額なら、下記が当サイトで高評価の商品となる。

ソニー生命 バリアブルライフ 変額終身・変額定期 ★★★☆☆

ソニー生命 変額個人年金保険 (無配当) ★★★☆☆

アクサ生命 アクサの「資産形成」の変額保険 ユニット・リンク ★★☆☆☆

アクサ生命 ライフプロデュース ★★☆☆☆

プルデンシャル生命 変額保険(終身タイプ/一時払タイプ) ★★☆☆☆

マニュライフ生命 こだわり変額保険 ★★☆☆☆

総括

以上、つらつらと述べてきたように、原則的には必要ないが、

邪魔になるものでもないし、余裕がある範囲でやっても良いかもね。

というのが「総括」になるだろう。

筆者としては、子供の保険は「先進医療だけ」か「少額の変額保険(死亡時200万円くらい)+先進医療をセットにしたもの」というようなものがあれば良いと思っているのだが、現時点ではそのような商品はない。

どこかが開発してくれたら、当サイトでも取り上げたい。