この保険の弱点はここだ!フコクしんらい生命「利率更改型一時払終身保険」

提供会社:フコクしんらい生命

商品名:利率更改型一時払終身保険
しんきん らいふ 終身FS(信用金庫)
フコクしんらい終身保険(地方銀行・信用組合)
しんらいの一時払終身保険 無告知型(富国生命)

この保険の弱点はここだ!!

特に何の特徴もない、ごくごく一般的な一時払の終身保険。

フコクしんらい生命と提携(代理店契約)している信用金庫、地方銀行、信用組合などの中小規模の金融機関で販売されていることが多い。

相続対策用の商品だが、それは後述する。

商品の流れとしては、以下の通り。

1 まとまったお金を預ける(ここでは1,000万円)とする

2 死亡時の保険金は「支払った額」。つまり1,000万円支払えば、死亡時にも1,000万円が受け取れる

3 この状態が10年間続き、これを「第一保険期間」と言う

4 第一保険期間終了後の10年後に死亡保険金が増える。どの程度増えるかは、加入時の利率次第

但し、現状、長引く低金利の影響で、保険会社が提示出来る「利率」が低いため、10年後に「増える」と言ったところでたかが知れている。

そのため、

預けたお金=保険金

だと思っておけば良い。

言い換えれば、本商品の目的は「現金の保険化」にある。

保険金には非課税枠というものがあり「法定相続人×500万円」までなら、税金がかからない。

たとえば、お父さんが死亡し、妻と子供二人が残された場合、法定相続人は3人なので

500万円 × 3人 = 1,500万円

までの保険金なら、非課税となる。(詳細は以下コラムが詳しい)

参考コラム:保険金の非課税枠とは?使用する保険商品の流行り廃り

銀行の預貯金で現金として持っていれば相続税の対象なのに、それを「保険」に形を変えるだけで税金がかからない。

冒頭、本商品は「中小の金融機関で販売されていることが多い」と述べたが、それらの信用金庫、信用組合、地方銀行などは、地域密着で預金者との距離が近い。

そして、当然ながら預金額を把握しているし、資産額なども何となく知っている。

「ああ、多分、この人相続税結構かかるだろうなぁ」

そんな預金者に、こう声をかけるわけだ。

「預金を『保険化』しませんか?そうすれば相続対策になりますよ」

で、自行で扱っている本商品を紹介する。

金融機関はそれで、販売手数料を稼ぐということ。

以上が商品概要と、販売の背景。

では、弱点。




弱点1 利率が低いかも?!

本商品。予定利率が公開されていない。

そのため、他社の同種商品と比較して良いのか、悪いのか判断のしようがない。

予定利率を簡単に言えば「この率で運用しますよ」ということなので、高いに越したことはなく、仮に本商品の利率が0.5%で、他社の商品が1%であれば、間違いなく他社の方が良い。

本商品の利率は非公開ではあるが、まあ、普通に考えて他社より高いのであれば公開するだろうから、標準的なレベルか、もしくは低いのだろう。

基本的には銀行や信用金庫の窓口で、行員が面と向かってセールスしているような商品であり、元々人間関係もあるような預金者に話をしているのだろうから、他社商品にコンマ何%程度負けていようが、それだけで他社にするような人も少ない。

人間関係重視で販売している商品なので、そこまで高い利率を提示する必要はないのかもしれない。

参考コラム:「お付き合い保険」の断り方と「お付き合い保険」に入るメリット

また、フコクしんらい生命は、信用金庫や信用組合など、規模が小さい金融機関に強みがある。

大手の銀行であれば、第一生命、日本生命などのビックネームの商品を扱っているが、規模が小さい金融機関は販売量も少ないため、これらの大手生保には相手にされないのである。

そこを埋めているのが、フコクしんらい生命。

また、信用金庫や信用組合などは、地域密着なので、逆に大手の銀行はそこには太刀打ちできない。(と言うか、ビジネス規模が合わないのでやらない)

例えるなら、大手のイオンやイトーヨーカドー(大手金融機関)などが進出しない過疎化した地方に唯一あるスーパー(信用金庫、組合)のようなもの。

そこに陳列されている商品(保険)は、イオンなどに比べると「高い」し、品質も良くはない。

だが、そのスーパーに通っているおじいちゃん、おばあちゃんからすれば「そこしかないんだから仕方ないじゃない」という感じで買う。

そんな感じで、品質(利率)は良くないが、それなりには売れるのだろう。

なかなか上手く出来たビジネスだ。




弱点2 注意喚起!!必要がない場合も

これ結構あるので、注意喚起として。

「相続対策出来ますよ」

という売り文句で、この手の商品に入る人が多いのだが、蓋を開けてみると

別に相続対策なんて必要なかったね・・・

ということが意外と多い。

特に地方の地主さんや農家など「広い土地があるから、相続税が大変だ」などと思っていても、そもそも価値がそこまで高くないし、自宅などの小規模宅地等の特例などを使えば、実際には相続評価額はさほど上がらず、結果、相続税が発生しない範囲で済んでしまう。

田舎に行くと、「信金さんから『相続対策になるから』と言われて入った」というような本商品の類似商品の証券が出てくることがあるが、ちゃんと計算してみると、別に相続税も発生しないし、現金の「保険化」などしなくても良いことが結構ある。

また、本商品のような一時払終身保険は、加入後数年間は解約をすると損をする。

「あれ?こんなやる必要なかったな・・・やっぱり現金の方が」

「介護などで現金が必要になった」

こんな事情で早期解約するとマイナスとなってしまい、泣く泣くその後も続ける羽目になってしまう。

相続対策としてお得

そんなセールストークに安易に乗らず、まず「そもそも相続税がどの程度かかるのか?」、「このお金を預けても将来絶対大丈夫なのか?」そのあたりをしっかりと考えてから、やるやらないと決めて頂きたい。

別に儲かる商品でもないので、無理してやる必要はない。

また、やるにしても比較した方が良い。

多くの保険会社の商品を扱っている保険ショップなどに行って、銀行で貰った設計書を出して「これと同じもので比較してくれ」と言えば、各社の設計書を出してくれる。

この保険の弱点、こう考えろ!!(解決策)

弱点2で述べた点を考慮し、「まず必要かどうかを確認」、そして「やり過ぎ」に注意すること。

一度預けたら、原則、死ぬまで戻って来ないので、十分や余力の範囲でやって欲しい。

また、出来れば比較検討した方が良い。おそらく本商品より条件の良いものは沢山あるだろう。

口コミ・評判(販売側から)

なし

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口コミ・評判(契約者から)

なし

検討した方がいい他社商品

T&Dフィナンシャル生命 生涯プレミアムジャパン5 ★★★★☆

JA共済 一時払終身共済 ★★★☆☆

JA共済 生存給付特則付一時払終身共済 ★★★☆☆

大同生命 一時払逓増終身保険 ライフギフトα ★★★☆☆

ニッセイ・ウィルス生命 アットウィル 年金額 ★★★☆☆

参考コラム:
医療保険の検討ってどうすれば良いの?と迷ったら

『医療保険。こう考えれば、スッキリ決められる!』
をご覧いただきたい。

他社の医療保険の☆評価一覧は、コチラ

編集後記

約款