この保険の弱点はここだ!マニュライフ生命「未来につなげる終身保険」

提供会社:マニュライフ生命

商品名:未来につなげる終身保険

この保険の弱点はここだ!!

ごくごくシンプルな一時払の終身保険。

利率も悪くないが、現状のマニュライフに「大きなお金を預けるのはちょっと不安だな」という点から星1つとした。(弱点2参照)

本商品、本来「円」、「米ドル」、「豪ドル」の3つに通貨から選択出来るが、本稿を書いている2023年1月時点では円は販売停止となっている。

円での一時払の場合、運用と言っても日本国債を買っているだけ。

要は原材料だ。

その原材料の利回りが、マイナス金利政策のお陰で異様に「低い」

そのため、保険会社としても円建てで一時払い保険を預かったところで、増やすことができないし、当然、利ざやを抜くこともできない。

そのため「販売停止」としているのである。

国内勢では、それでもまだ続けているところもあるが、儲からないと見るや、即販売停止にするあたりマニュライフらしい。

と、言うことで、本商品の選択肢は米ドルと豪ドルしかないのだが、本稿執筆時点(2023年1月16日)の利率は以下のようになっている。

米ドル 4,08%
豪ドル 3.98%

まあ、結構頑張っているな。というところ。

特徴1 加入直後から保険金が「増える」

なお、本商品では一時払したお金を米ドルや豪ドルに替え、加入時直後から米ドルの場合、1.26倍、豪ドルの場合、1.19倍の保険金が用意されている。

例えば10万ドルを預けた場合、直後に死亡しても12万6,000ドルの保険金を受け取れるということ。

他社の一時払系商品では、契約当初は「預けたお金=保険金」というものが多く、その後、数年(5年など)経過すると保険金が増えるような仕組みのものが多い。

このあたりは、後述の「弱点1」にて考察する。

特徴2 初期手数料が取られる。

本商品は契約時に初期手数料を取られる。

初期手数料は3.50%~9.80%で、加入時に年齢などによって変わる。

一時払系の商品では、「初期手数料がある」タイプと「初期手数料がない」タイプがあるが、一般的に初期手数料が「ある」方が利率が高く、「ない」方が利率が低い。

要は保険会社として「初めに利益を取る(初期手数料)」か、初期手数料は取らないが利率を低めに設定して「運用の中で少しずつ取るか」という違い。

本商品は前者。

「初めに利益を取りますけど、その後の利率は高めにしておきますね」ということ。

以上、商品概要。

では弱点。




弱点1 告知がある

前述の通り、本商品には加入直後から死亡保険金が増える仕組みになっている。

米ドルなら預けたお金の1.26倍、豪ドルなら1.19倍である。

そのため、本商品は一時払系には珍しく「告知(健康状態のチェック)」を取る。

この「差額分」の保障があるため、一応、契約者の健康状態をチェックするのである。

だが、他社の商品では、告知は取らないものも多い。

理由は加入者の年齢層。

一時払は、500万円とか1,000万円、時には1億円くらいのお金を「ドカッと」預ける商品。

要はお金持ち向けなわけだ。

そして、お金持ちには高齢者が多い。

当然、総じて健康状態が悪い。

告知を取ると「入れない」というようなことも発生するので、あえて「告知を取らない」という戦略の保険会社が多い。

このような「告知を取らない」商品の場合、大抵は「保険金=預けたお金」となっている。

そのため、仮に加入直後に契約者が死亡したとしても、保険会社は預かったお金を返すだけで済む。

だが、本商品では加入直後から1.26倍(米ドル)、119倍(豪ドル)の死亡保障があるため、その差額分の保障のために告知を取らないといけないのだ。

もちろん、これをクリア出来るのであれば、死亡保障の上乗せは「ないよりあった方が良い」のだが、意外とクリアできないことも多い。

健康状態に問題がある人の場合、本商品はそもそも対象外ということになる。

「客を選ぶ一時払商品」

とも言える。

弱点2 マニュライフという会社

マニュライフは元々法人向けの節税商品に強いがあった。

そのため、法人保険のルールが変更される前には、結構な存在感があった保険会社だったのだが、法人保険の税制改正後はなかなか厳しい立場に追い込まれた。

それでも、「金融庁上等!!国税上等!!」とばかりに、わずかに残った節税商品を売りまくっていたため、いよいよ金融庁が激怒。

以下のような行政処分をくらってしまった。

金融庁 行政処分詳細

正直、現状、かなり苦しい立場に立たされている。

信頼回復のために、なりふり構わず過去の悪事(と言うほどのものでもないが)を「自分たちの責任ではない。代理店が勝手にやったこと」にしようと躍起になっているが、保険業界の人間は筆者も含め「何を今更」と白々しい目で見ている。

過去にはマスミューチュアル生命という、マニュライフと同じように節税に強みをもつ保険会社があったが、こちらも「やり過ぎて」当局から目を付けられ、結果、日本市場から退却した(マスミューチュアルは日本生命が引き取って、現在はニッセイ・ウェルス生命として存続)

本商品に関しても「悪くはない」のだが、以上のような事情から、

あまり大きなお金を預けるのはちょっと不安だな

というのが率直な感想。

なお、実際問題として破綻する可能性はほとんどないし、仮に日本市場から撤退するとしても契約自体は、ここを買収した保険会社が継続する。

その点ではそこまでナーバスになる必要はないのだが、その手のニュースが出る度にいちいち心配になるのも精神衛生上よろしくないだろう。

群を抜いて条件が良いわけでもないので、無理して付き合う必要もない。というのが筆者の考え。




この保険の弱点、こう考えろ!!(解決策)

前述の通り、現状では本商品を推す理由はない。

もし同種の商品を求めているのであれば、保険ショップなどに言って、「似たような商品をピックアップしてくれ」と言えば、3,4個は類似商品を紹介してくれるだろう。

おそらく、ニッセイ・ウェルス、ジブラルタ、PGF、T&Dファイナンシャル、メットライフあたりが出てくるのではないかと思うが、その中で利率が一番高く、将来一番増えるような商品を選んでおけば間違いない。

なお、本商品のような一時払系の商品は、どこも毎月1日、16日に利率が変更され、契約時にはその利率がずっと適当される。

検討している間に、1日、16日をまたいでしまうと、また利率が変わってしまうので要注意。

参考コラム:ドル?株?介護を付けた方が良い? 一時払保険の賢い選び方総論

口コミ・評判(販売側から)

なし

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口コミ・評判(契約者から)

なし

検討した方がいい他社商品

ジブラルタ生命 一時払米国ドル建終身保険 ★★★☆☆

ソニー生命 米ドル建一時払終身保険 ★★★☆☆

T&Dフィナンシャル生命 みんなにやさしい年金保険 ★★★☆☆

T&Dフィナンシャル生命 ファイブテン・ワールド2 ★★★☆☆

ニッセイ・ウィルス生命 アットウィル 年金額 ★★★☆☆

ニッセイウェルス生命 つみたてねんきん2 ★★★☆☆
別名:ニッセイウェルス定額年金 外貨建・円積立型、みらいの笑顔、夢のつみたてねんきん

プルデンシャル生命 米国ドル建積立利率更改型一時払終身保険 ★★★☆☆

PGF生命 ドル建一時払終身保険 ★★★☆☆

明治安田生命 米ドル建一時払養老保険 ★★★☆☆

メットライフ生命 サニーガーデンEX ★★★☆☆

編集後記

約款