提供会社:メディケア生命
商品名:ドルアドバンス
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この保険の弱点はここだ!!
強い商品であることは間違いない。
但し保険というよりは、単にドルの積立のような商品。
保険料を支払っている間は災害死亡だけが保障され、病死の場合は「それまでに支払った保険料の総額」もしくは「解約返戻金」のうち大きい方が支払われる。
但し、本商品は低解約型(保険料を支払っている間は返戻率を低く抑えている)なので、解約返戻金が「支払った保険料以上になること」はほぼない。
そのため、死亡保険金 = それまでに支払った保険料の総額、だと思って間違いない。
災害死亡とは要は交通事故のことで、交通事故で死亡する確率は0.5%程度。
つまり200人に1人程度なので、実際には「ほとんどない」と言っても良い。
そのため、本商品には実質的には「死亡保障はない」ということになるだろう。
利率は毎月変動し、本稿を執筆している2023年2月時点では4%程度を維持している。
現状、アメリカ国債の利回りが非常に上がっているため、それを受けたものだろうが、利率としてはかなり高いほうだと言える。
最低保証は2.00%。
保障のタイプとしては、以下の4つが用意されている。
1 教育資金準備プラン
2 教育資金準備+介護保障プラン
3 セカンドライフ資金準備プラン
4 セカンドライフ資金準備+介護保障プラン
1の教育資金準備プランは「教育資金」と言っているだけあって、払込期間が短い。
お子さんが大学進学のタイミングに合わせて11年から18年まで、選択出来るようになっている。
例えば30歳 男性で17年タイプを選択した場合、18年後には最低保証の利率2%で109%、毎年3%継続で120.6%、4%継続で133.6%。
前述の通り、利率は毎月変動するので、「ずっと4%」というのも考えにくい。
おそらくこの間の「どこか」で落ち着くと思われるので、真ん中あたりの120%程度が現実的かな?という印象。
2の教育資金+介護は1に介護の保障が付いたタイプ。
保険料の支払いが完了し、保険金が立ち上がったところから、死亡でも介護でも保険金を受け取れる。(1の教育資金プランでは死亡のみ)
介護の条件は「要介護2以上」なので、支払い条件としては他社と同等レベル。
なお、介護付のほうが、やや保険料が高く、やや返戻率も高い(+1%程度)
3と4のセカンドライフ資金準備プランと、それに介護付だが、これも基本的には1,2の学費と同じ。
単に保険料の支払期間を長く取っているだけだ。
以上、商品概要。
では弱点。
弱点1 保険ではないし、利回りが読めない
既に述べた通り、本商品は保険料を支払っている期間には、実質的には死亡保障はない(交通事故だけ)
そのため、内容としては保険と言えるようなものでもなく、個人的には何故、保険会社がこのような商品を販売しなくてはいけないのか?と素朴に感じる。
また、利率が読めないのが怖い。
教育資金準備プランで「最も効率が良い」とされる11年支払いプラン(パンフレット「プラン1 保険料払込期間11年」)で17年目解約でも、利率2%で110.8%、3%で124.8%、4%で140.6%
毎月利率は変動するので、最終的な結果は加入時には分からない。
コロナの頃などは、保険会社の予定利率は軒並み「最低保証」になっていたので、17年間の運用期間中に2%台が続く可能性は多いにある。
流石に「ずっと2%」もないだろうが、「ずっと4%」もないので、真ん中あたりの125%程度で落ち着く可能性が高いのだが、ドル建てで17年間預けて+25%程度だとすると、年利で言えば1.3%程度。
まあ、日本円で運用するよりはマシだが、17年間で+25%で、かつ為替リスクもあるため、少々物足りないなぁ、というのが正直な感想。
ただこれでも競合のドル商品よりは良い方ではある。
本商品に似たもので、オリックス生命のキャンドルというものがあるが、本稿執筆時点では返礼率はメットライフの方が上(30歳 男性の場合。性別、年齢でも結果は変わる)
オリックス生命 米国ドル建終身保険candle(キャンドル) ★★★☆☆
そのため、国内に出回っている商品としては悪いものではないのだが・・・・
また仮に学費目的とするならば、やはり為替リスクが怖い。
17年後、18年後の為替など読めるはずがない。
アメリカと日本の国力、成長力を考えれば、長期的には円安になるだろうが、それでもアメリカ側の問題で瞬間的に超円高(1ドル90円など)になる可能性もある。
仮に子供が大学進学のタイミングで、このような「円高の波」を被ってしまうとしたら?
それまで平均1ドル120円で買っていたものが、100円になってしまえば、それだけで-17%の損失を被る。
そうなるとドルベースで17%増えたとしても、トントンか下手をすればマイナスとなってしまい、元も子もないことになる。
そのため、もし学資目的でやるなら、
「これ(ドル貯金)が使えなくても、別に資産でどうにかなる」
という体制(逃げ道)を作っておいた方が良い。
ドルは持っていれば、そのうち円安(1ドル120円など)に振れるので、それまで日本円に換金しないことで為替リスクを軽減出来る。
つまり、何も円高の時に換金せずに、ドルをそのまま持ち続けて換金のタイミングをずらせば良いだけだ。
だが、目先に大学進学が迫っていて、その資金のあてはこのドル貯金しかない。そんな状態では背に腹は代えられなず、換金するしかなくなる。
だからこそ「ドルでも貯めているけど、大学の費用くらいは他の貯金でも賄える。好きな方が使えば良い」という状態を作っておくべきだろう。
また、本商品には保険料支払期間中の死亡保障がないので、仮にお父さんが(もしくはお母さん)が死亡してしまった場合、それまで支払ってきた保険料しか戻ってこない。
一般的な学資保険なら、このような時にまとまった保険金が支払われるので、それを学費として使うことが出来る。
その点、本商品で学費を貯めるなら、別途死亡保障についても考えておかないといけない。
弱点2 為替手数料が結構高い
メットライフは為替手数料が結構高い。
1ドルあたり0.5円。
ドル建商品を提供する他社では、ジブラルタも0.5円だが、プルデンシャルは0.25円、身内に銀行を抱えるソニー、オリックスは0.01円だ。
塵も積もれば山となる、ではないが長期間ドルを買うとなると、これらのコストもバカにならない。
メットライフの為替手数料はコチラ(メットライフ ドル建養老 弱点2 為替手数料)でも考察しているので参考にして欲しい。
この商品の弱点、こう考えろ!!(解決策)
既に述べた通り、ライバルに比べて「強い」商品であり、悪いものではない。
但し、為替リスクを抱えるわりには、利回りはイマイチだなぁ、という気もする。
もうちょっと頑張ってくれても良い。
メットライフの知人に聞くと、やはり若い夫婦に学費目的として売れているケースが多いそうだ。
注意点としては、学費なら既に述べた通り「大学進学時の為替レート」が鍵。
この時に円高(1ドル90円など)だと目も当たられないので、これ以外にもしっかり貯蓄をして「バックアッププラン」も作っておくこと。
老後の資金としてやるなら、まあ、これでも良いと思うが、同じドル建の年金形式の商品なども良いと思う。
このあたりは「いくら払って、いくら戻ってくるのか?」という返戻率勝負だろう。
これらは文末「比較した方が良い商品」に掲載しておくのでご覧頂きたい。
ドルの商品は、各社細かいルール(ドルで受け取れる/受け取れない、など)が違っていたり、A社、B社で同じ利率でもそこから引かれる費用(保険関係費)などが異なり、将来の返戻率に差が出たり、なかなか比較が難しい。
できれば保険ショップなどに行って「各商品の返戻率一覧」などで比べてみると良いだろう。
参考コラム:ドル建商品の比較検討はこうすれば良い!!
参考コラム:ドル建保険 vs 米国債直買い、どちらが良いか?
口コミ・評判(販売から)
メットライフ代理店さんからの口コミ
細かい説明をするより、「保険ではないがドルで高利回りで貯まる」と言えば分かりやすいので、楽に売れる。
学費ではオリックスのキャンドル、セカンドライフではプルデンシャルやジブラルタのドル建リタイアメントインカム(年金)などと比較されることが多いが、今のところ返戻率で上回れているので、勝率は高い。
乗り合い代理店さんからの口コミ
本商品、キャンドルよりは最低保障発動したとしても返戻率高いけども…保障ないし…というのが率直な感想です。
且つ、送信時点だと保障を無視するとニッセイウェルス つみたてねんきん2 市場連動タイプの方が返戻率においては優位性が高く、扱いづらい印象をうけます。
また、キャンドルよりも微妙に告知が多いことにも触れておきます。以上です。よろしくお願いいたします。
口コミ・評判(契約者から)
30代 既婚 お子様ありさんからの口コミ
保険ショップで加入。学費積立で毎月2万円、という条件で各社の商品を比較し、メットライフのものが125%と最も高かったので決めた。
ただ、昨今の円安で毎月の負担が3万円近くになっており、その点では為替リスクをひしひしと感じている。
これから入る人には、1ドル150円想定で保険料を設定した方が良いとアドバイスしたいです。
毎月利率が変わるので、最終的にはどうなるか分からないが、一応予定では子供が18歳になるまでに3万ドル。日本円で360万円くらいは貯められる予定。
毎月の保険料の変動はきついが、判断自体は後悔していない。
謝礼Amazonギフトカード300円!! アナタの口コミ教えて下さい!!
保険会社勤務、代理店勤務の方でも、販売現場の情報や、当サイトで指摘していない弱点(デメリット)などには謝礼(amazonカード300円)をお支払い致します。
比較した方が良い商品
学費目的なら・・・
オリックス生命 米国ドル建終身保険candle(キャンドル) ★★★☆☆
セカンドライフ目的なら・・・
プルデンシャル生命 ドル建リタイアメントインカム ★★★☆☆
編集後記: