この保険の弱点はここだ!プルデンシャル生命「リタイアメントインカム」

提供会社:プルデンシャル生命

商品名:リタイアメントインカム

この保険の弱点はここだ!!

一時期は同社を代表する商品でもあったが、今はさほど売れていないらしい。

死亡保障を得ながら貯蓄も出来る「養老保険」の一種。

スタートしてから一定期間、死亡保障が低く抑えられていることから、仮にその期間中に死亡すると受け取れる保険金が少なくなる。

逆にこれは保険会社からすれば「少ない保険金で済む」ということであり、その分、コストが削減出来るということ。

本商品では、ここで削減したコストを「将来の返戻率」に積み上げるため、通常の養老保険よりは高い返戻率を実現出来るという仕組み。

正式な商品名は「年金支払型特殊養老保険」と言うが、この仕組が特殊ということになる。

なお、本商品は養老保険ではあるものの、現場では「年金商品」として販売されている。

60歳や65歳に満期を迎えると、毎月5万円を65歳まで、とか毎月4万円を一生涯(死ぬまで)というような形で、満期金を「年金形式」で受け取れるからだ。

本商品は、

・死亡保障を確保出来る

・通常の養老保険より利率(返戻率)が高い

・将来年金形式でお金を受け取れる

という点が特徴で、冒頭でも述べた通り「過去には」同社の看板商品でもあった。

何故「過去」なのか?

それは長引く低金利の影響。

保険会社は契約者から保険料を預かり、それを運用することで保険金を支払い、満期金を支払う。

その運用先のメインは国債。

特に円で預かったお金は、円で運用するというのが大原則で、かつ株式などのリスクがあるものはダメ(完全にダメではないが、契約者の資産の安全を守るために一定のルールがあり、あまり多くは出来ない)

そうなると運用先は「国債くらい」しかないのである。

で、その国債がメタメタ。

0.1%とかそんな程度のリターンしかないので、運用しても一向に増やせないのである。

そのため、本商品が死亡保障を減らした「特殊」な仕組みであっても、そんな小手先のテクニックではどうにもならない。

「増やせないものは増やせません」

そんなわけで、ずっと利率が下がり続けている。

現状でも「普通の養老保険よりは、多少はマシ」という程度で、正直魅力はない。

参考コラム:養老保険総論 養老保険の「まとめ」

一部、法人向けとして福利厚生プランの商品として利用されることもあるようだが、一時期に比べると激減している。

参考コラム:全員加入の養老の保険料を1/2損金で落とす!!の「落とし穴」

現場での使い方としては、まずこの円建のリタイアメントインカムを見せて、お客さんに「まあ、こんな程度しか増えないのか・・・」と一旦がっかりさせてから、本商品のドル版であるドル建リタイアメントインカムを出す。

プルデンシャル生命 ドル建リタイアメントインカム ★★★☆☆

それで「おお、こんな増えるのか!!」と思ってもらって、そこで落とすという作戦らしい。

なお、同商品には「引受緩和型」という、持病などがある方でも「入りやすい」タイプのあるが、これは法人で団体加入する場合に限られた商品なので、一般では入れない。

以上商品概要。

では、弱点。




弱点1 利率低く、長期間資金を入れるべきではない

リタイアメントインカムは、普通の養老よりは「マシ」ではあるが、それでも今はやるべきではないだろう。

理由は「期間が長い」から。

今の低金利だと、支払った保険料が返戻金を上回るのには、20年くらいかかってしまう。

現状、食品や住宅価格などで、インフレが進んでいるので、本商品のようなものに長期にお金を預けてしまうと

「お金が腐ってしまう」

つまり、多少増えたところで、世の中の物価の上がり方についていけず、実質的な価値が目減りしてしまうということ。

弱点2 年金保険料控除の対象ではない

本商品に入った人がいただく不満として一番多いのがこれ。

本商品、現場では「年金商品」として売られているのに、年末控除の保険料控除では「一般生命保険料控除」の枠に該当する。

理由は

「死亡保障(養老保険)があるから」

商品の特性上、「年金保険料控除」に入れたいところだが、年金保険というのは死亡保障がない。(途中で死んだ場合、それまでに支払ってきた分が戻ってくるだけ)

そのため、少ないながらも死亡保障が付いている本商品は一般生命保険料控除の枠となってしまう。

これが後々トラブルになる。

一般生命保険料の枠はわりと埋まっている人が多いので、この商品を年金保険料控除に入れようとすると、どうやら一般生命保険料の対象らしい。

担当のライフプランナー(同社では営業のことをこう呼ぶ)に連絡すると、

「そうなんですよ。死亡保障があるので、生命保険料扱いなんですよ。ちゃんと言ってなかったですねー、すいません」

こんな軽い感じで流される。

それで「だったら入る時にちゃんと言えよ!!」と怒りを感じる人が結構多い。

かく言う私も、随分昔、知人のライフプランナーに頼まれて、本商品のドル版のドル建リタイアメントインカムに入ったが、年末調整の時に「年金ではない」ということに気づいた。

もちろん筆者はプロなので「ああ、そうか」程度で納得したが「それ、ちゃんと説明した方が良いぜ」と注意はした。

保険の見直し相談などをしていると、同じような話をする人も多い。

当のライフプランナーはさほど気にしていないので、ちゃんと説明をする人は少ない。

そのため、入る時には「年金っぽいが年金保険料の控除対象ではない」という点を理解すること。

この保険の弱点、こう考えろ!!(解決策)

正直、本商品よりは、ドルや株に連動する変額などの方が良い。

保険で貯蓄をしたいなら、そちらを検討するべき。

同社には、ドル建の商品や変額などもあるので「貯蓄系」にはわりと強い。

それらの提案を受けた上で、設計書をもって保険ショップなどに行き、

「これより良い条件のものがありますか?」

と聞いてみれば良い。

同社では、ライフプランナーの人的魅力を前面に出して、「一生のお付き合い」とか「一生涯担当」などと宣伝しているが、実際にはかなりの大多数が辞める。

筆者も業界団体の活動を通じて、同社には知り合いが大勢いたが、今ではほとんど辞めてしまった。

中には知識も豊富で、本当にお客様思いの凄腕もいるが、玉石混交ではある。(どこの保険会社も同じだが)

人に対して魅力を感じて保険に入るのも悪くはないが、こちらはそう思っているのに、突然「辞めます」などと言われると後味が悪い。

基本的には商品で決めた方が後悔はない。

口コミ・評判(販売側から)

ドルの話をするための踏み台として使っている。

まず、リタイアメントインカムを見せ「日本円だとこんなもんなんですよー今は」という感じで話をして、ドル建や変額などを見せ、利率の高さをアピールする。

ただそれでも「どうしても円が良い」というような方もいて、今でもそれなりには契約する方がいる。

昔は法人の福利厚生プランとしては最強だった時期もあるが、今はほとんどドルか変額で、法人向けには全社的に苦戦しているようだ。

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口コミ・評判(契約者から)

50代 男性 独身さんからの口コミ

もう20年以上前になりますが、当時の職場の先輩がプルに転職して、その縁で入りました。ただ、その先輩は2,3年で辞めてしまい、この会社は給与がフルコミッション(完全出来高制)のため、やはり厳しいようです。辞めた先輩に対しては怒りはないですが、その後、担当を引きついで頂いた方とは何となく性格が合わず、「今入っている契約は良くないので切り替えた方が良い」みたいな話をされて、感じが悪かった記憶があります。その後も2,3年おきに担当が変わり、今の担当は誰なのかも把握していませんが、カスタマーセンターがしっかりしているので、そちらに電話をすると、現在の担当から連絡があって、書類が送られてくるという感じです。
入った時期が良かったので、私の契約は支払ったお金が、1.3倍くらいになる計算です。(実際には年金なので、どれくらい生きられたのかにもよりますが)
そういう意味では後悔はないですが、その先輩も後任の担当も、とにかく「追加契約」と「友達を紹介してくれ」ばかりで、その点はちょっと辟易としました。

検討した方がいい他社商品

明治安田生命 じぶんの積立 ★★★★☆

JA共済「ライフロード 」★★★☆☆

ジブラルタ生命 ドル建リタイアメント・インカム ★★★☆☆

ジブラルタ生命 養老保険/ドル建養老保険(法人用) ★★★☆☆

ソニー生命 変額個人年金保険 (無配当) ★★★☆☆

プルデンシャル生命 ドル建リタイアメントインカム ★★★☆☆

マニュライフ生命 こだわり個人年金[外貨建] ★★★☆☆

参考コラム:
医療保険の検討ってどうすれば良いの?と迷ったら

『医療保険。こう考えれば、スッキリ決められる!』
をご覧いただきたい。

他社の医療保険の☆評価一覧は、コチラ

編集後記

約款