提供会社:太陽生命ダイレクト
商品名:がん・重大疾病予防保険
死亡に備える がん・重大疾病予防保険
この保険の弱点はここだ!!
太陽生命のネット生保部門の商品を総称して「スマ保険」と言う。
なお、「ネット」保険なのに、深夜や祝日は見積もりや、申し込みも出来ず、このあたりはショッキングですらある。
始めはギャグかと思った。
スマ保では、契約者が、自分のニーズにあったものを自由に付けたり、外したりすることが出来て、
-がん・重大疾病一時金
-死亡 がん・重大疾病一時金(上記に死亡保障をセットにしたもの)
-働けなくなった時の保険(就業不能保険)
-入院一時金
-先進医療
-手術
など、各パーツが用意されている。
なお、上記のうち、働けない保険と、入院一時金については以下にて解説しているので、ご参照頂きたい。
本項では、極めて商品内容が近い
-がん・重大疾病一時金
-死亡 がん・重大疾病一時金(上記に死亡保障をセットにしたもの)
の2つについて考察してみたい。
筆者の感想としては「若い人が一時的に入るのであれば良いんじゃない?」という感じ。
太陽生命の他の商品はコロナ保険だとか、妊娠保険だとか
「ニッチ過ぎて、必要性がよく分からん!!」
というものも多いが、本商品は割と骨太と言うか、実効的。
そのため、星3つとした。
商品としては、3大疾病(がん、脳、心臓)+その他色々の病気の時に一時金を支払うというもので、他社では7大疾病(もしくは8大疾病)一時金などと言われ、最近、色々な会社から販売されている。
当サイトで分析済の商品は以下の通り。
また、音声でも解説しているので、ご興味ある方は聞いて頂きたい。
正確に言えば、上記の商品群では、3年更新のネオファースト以外は終身型(一生涯保障が続き、保険料が変わらない)が多く、対して本商品は10年更新なので、商品としてはちょっと違うのだが、保障内容としては似ている。
まずは、がん・重大疾病一時金の保障内容について見てみよう。
以下の条件に該当した時に一時金(100~2,000万円から選択)を受け取れる。
ここでは一例として、一時金200万円として解説したい。
本商品の支払い範囲は広いが、その中でも「がん」、「急性心筋梗塞」、「脳卒中」、「糖尿病」については、「かなり症状が進行して深刻な状況」では満額(200万円)、その手前の状況では、満額の1/10(20万円)を支払う仕組みになっている。
このような「二段構え」は他社ではあまり見ない特徴(上皮内がんで1/10はよくあるが)で、本商品ならではと言える。
以下、詳細を見ていこう。
1 がん
診断で200万円
注:医師から「がんです」と宣告されただけでOK
但し上皮内がんは20万円(10%給付)
2 急性心筋梗塞
手術 or 60日以上の労働制限 → 200万円(満額)
入院のみ → 20万円(10%給付)
3 脳卒中
手術 or 60日以上麻痺などの後遺症が続く → 200万円
入院のみ → 20万円(10%給付)
4 糖尿病
増殖性硝子体網膜症の手術、糖尿病性の神経障害もしくは壊疽で、1手指もしくは1足指以上の切断術 → 200万円
インスリン治療180日以上 → 20万円(10%給付)
5 慢性腎不全
永続的な人工透析 → 200万円
6 肝硬変
食道静脈瘤、胃静脈瘤の手術 → 200万円
7 高血圧性疾患
高血圧性網膜症と診断 → 200万円
8 大動脈瘤、もしくは大動脈瘤解離
手術、or 破裂 → 200万円
9 慢性呼吸不全
永続的な在宅酸素療法が180日以上 → 200万円
10 慢性膵炎
手術 → 200万円
11 その他
ペースメーカー装着、人工弁、人工肛門、新膀胱増設、尿路変更術 → 200万円
本商品の支払対象は多岐に渡るが、もちろん病気というのは、本当に色々な種類があって、上記はほんの一部に過ぎない。
それでも「人生の中での大病」という意味では、その9割程度は網羅しているのではないか?
このような状況の時に、大きな一時金を受け取れるのはありがたい。
なお、今まで解説してきたのが「がん・重大疾病一時金」であり、この保障に更に「死亡時にも一時金(200万円)を受け取れる」ようにしたのが、「死亡 がん・重大疾病一時金」である。
20代、30代の若い頃であれば、死亡をセットにしてもさほど保険料は上がらないので、筆者なら死亡付の方をお勧めする。
純粋な保障としては、良い内容だと思う。
では、反対に本商品のウィークポイントというか、弱点(デメリット)は何だろうか?
弱点1 給付が一度きり
本商品の最大の弱点はこれだろう。
一時金が支払われた段階で保険が消滅する(1/10給付の方は、一度給付されると「1/10給付」の特約のみ消え、その後も本体は継続する)
これに対して、先にも挙げた他社の類似商品では、「何度でも払う」というものが多い。
がん、急性心筋梗塞、脳卒中などは、人によっては「何度も経験する」こともあり、初回よりは2度目、2度目よりは3度目の方が重症化しやすいので、その都度、一時金を受け取れるのと、「初回だけ」というのでは大きな違いがある。
とは言え、こればかりは商品の仕様なので仕方がないし、「1回だけ」だからこそ、手軽な保険料となっている。
このあたりは、割り切りだろう。
解決策のヒントとしては「複数回分の一時金を設定しておく」ということだと思う。
本商品では、20代、30代であれば、200万円や、300万円という高額な一時金を設定しても、1,000~1,500円程度で加入出来る。
一時金を仮に300万円とすれば、100万円の3回分ということになる。
ここで考えなくてはいけないのは、「金銭的な合理性」と「精神的な不安」の2つ。
金銭的には、1度に300万円を受け取っているのだから、もう十分と言うか「何度でも受け取れる一時金タイプ」に入っていたとしても、100万円を3回受け取る人はかなり少ない。
そういう意味では「一生で受け取れる保険金を一度に受け取った」とも考えられる。
受け取ったお金をちゃんと貯めておけば良いだけだ。
だが、精神的な面からは別のことが言える。
本商品では、一時金を受け取ると、その時点で保険が「消滅」する。
また、一時金を受け取ったということは、すなわち「大病を経験した」ということになるので、その後、他の保険には入れない。
病気の種類にもよるが、4,5年は入れないと思っていた方が良い。
例えば、その間にがんの転移、脳卒中の再発などがおこったら?
このような時に「無保険」というのは、何とも不安で心細いものだ。
病気自体は極めて「不運」なことなのだが、その時に保険でお金を貰えるという「幸運」が、不運を多少なりとも誤魔化してくれる。
当サイトでもよく使う表現だが、
「アンラッキーだけどラッキー」
という心理で、正直、これは保険の効果の中でも小さくないものである。
もちろん、既に「100万円何回か分」を受け取っているので、一括払いと分割払いの違いでしかない。
だが、人間の心理というのは不思議なもので、一度貰ったものは無かったことになってしまう。
前回受け取ったお金は、とっくに「貯金」に繰り入れられているので、何となく「貯金を取り崩した」という気分になる。
このあたりはなかなか奇怪である。
この話を聞いて、
「いや、私はそのあたりは大丈夫。経済合理性だけで考えられる」
という人もいれば、
「なんか分かる・・・きっと悔しいし、無保険に不安な気持ちになっちゃう」
と感じる人もいるだろう。
前者の方が、本商品には向いている。
1度きりの給付を「その後、どんな病気になってもすでに貰っている」と納得できる方なら、良いのではないか?
その点、本商品は「人を選ぶかな」という気もする。
弱点2 10年更新
これも本商品の特徴。
10年毎に保険料が上がる。
20代、30代ではさほど上がらないが、40代、50代になると、倍々で上がっていく印象。
そのため、長く続ける保険ではないかな?とは思う。
20代、30代の方が「結婚するまで」とか「子供が生まれるまで」など、期間限定で入るようなイメージ。
「まあ、とりあえず」
ということで、筆者はこれで良いと思っている。
若い方は、今後の人生について流動的であり、そもそも結婚するのか?子供が出来るか?家は買うのか?などなど、選択肢が多い。
それら全てのシチュエーションに対応できる保険などないので、ライフステージが変わるまでの「とりあえず」でも良いのではないか?
本商品は、がん、脳、心臓の3大疾病+その他の重い病気で一時金を受け取れ、更には死亡を付けることも出来る。
独身の方であれば、これだけの保障と、プラス「安い医療保険(共済などでも可)」でも入っていれば十分な気がする。
弱点3 3大疾病以外はオマケ程度
本商品の支払条件は前述したが、まあ、がん、脳卒中、急性心筋梗塞「以外」はオマケだと思っていた方が良い。
範囲は広いが、支払条件のハードルが高く、「その病気になった」くらいでは支払われない。
また、これらの病気になる可能性もかなり低い。
ほとんどが老人の病気であり、若い世代でこれらに該当することは相当稀。
例えば糖尿病で言えば、その支払条件は
・増殖性硝子体網膜症の手術
・糖尿病性の神経障害もしくは壊疽で、1手指もしくは1足指以上の切断術
と、何とも凄まじいので、糖尿病になっても、ここまで症状がすすむのは、60代、70代くらいだろう。
範囲は広いが、本質的には三大疾病と死亡(死亡保障を付けていれば)の保障であり、その他はオマケである。
口コミ・評判(契約者から)
・なし
謝礼Amazonギフトカード300円!! アナタの口コミ教えて下さい!!
保険会社勤務、代理店勤務の方でも、販売現場の情報や、当サイトで指摘していない弱点(デメリット)などには謝礼(amazonカード300円)をお支払い致します。
比較した方が良い商品
編集後記