保険の無料付随サービス ティーペック(T-PEC)とは?

付帯サービス。

その保険会社に加入すると無料で付いてくるというもので、その中に

・無料健康相談

・セカンドオピニオン

・病院/クリニック紹介

などを提供するというサービスがある。

筆者の知る限り、以下の保険会社で提供している。

アクサ生命

アクサダイレクト生命

オリックス生命

アフラック生命

マニュライフ生命

住友生命

メディケア生命

メットライフ生命

楽天生命

ソニー損保

しかし、これらは保険会社自身が行っているわけではなく、その裏にはこれらのサービスを提供する企業が存在し、保険会社はそこと提携。

それにより、自社の契約者が利用可能となる。

これらのサービス提供者の最大手がT-PEC。

先に挙げた保険会社でも、アフラックを除くすべてがT-PEC(ティーペック株式会社)のサービスを導入している。

そのため、保険業界では、

健康相談、セカンドオピニオンなどの付随サービス=T-PEC

という感じで認識されている。

筆者の記憶では、保険業界に初めてT-PECを導入したのはアリコ(現メットライフ)

もしかしたら、他の保険会社の方が早いのかもしれないが、20年くらい前からアリコがさかんに

「うちは保険に入ると、無料で健康相談が付いてくる」

と言っていたように思う。

その後、他の保険会社が続々とT-PECと提携し、今に至る。

T-PECについて、まずは筆者の感想を列挙すると

・あくまでオマケ。これが付いているからと言って、その保険会社(や商品)を選ぶ決定打にはならない

・比較検討のすえ、A社とB社が拮抗した場合、T-PECがある方が「やや有利」かな?という感じ

・T-PEC自体、率直に言って15年前はさほどの役には立たなかった

・だが最近では、随分とサービスの内容が良くなっているらしい

まず、冒頭の「オマケ」という話だが、これはズバリその通りの意味で、オマケ以外の何者でもない。

保険選びは、あくまで保険商品の良し悪し、自分に合っているかが重要で「T-PECがあるから」ということは、保険選びには何の影響も与えない。

時折、このT-PECを「凄い押してくる営業(昔のアリコ:現メットライフに多かった)」がいるが、随分的外れな気もしている。

保険の目的はあくまで「万が一の時のための保障」であり、治療の相談やセカンドオピニオンなどは病院に任せるべき。

似ているようで、守備範囲が違う。

が、どうせ無料なのであれば「ないよりはあったほうが良い」というのも事実。

詳しくは後述するが、昔のT-PECは正直「使い物にならなかった」が、今は随分と進化しているようだ。

そのため、もしかしたら使う機会もあるかもしれない。

無料なら、付いていて損はない。

そのため、A社、B社、どちらの商品も甲乙つけがたく、うーん、どっちにしようか?というような時に、A社にはT-PECがある、B社にはT-PECがない。こんな状況ならA社を選ぶ「決め手」になるかもしれない。

そんな程度のもの。

さて、そんなT-PEC。実は筆者も15年ほど前に少しだけ使ったことがある。

その当時、たまたま付き合いでアリコの保険に入っていたので

「どんなもんなのか?」

という程度で、健康相談、病院紹介を利用してみた。

当時、原因不明の頭痛が続いたため、そのことを相談し、良い病院はないか?と聞いたところ、電話口のオペレーター(看護士の資格があるようだった)は、「頭痛は色々な原因が考えられる」、「まずは脳梗塞などの重大な病気との切り分けが必要」、「でもほとんどの場合、原因不明」というような素人でも言えるようなことしか教えてくれなかった。

だが、これは仕方がない。

頭痛という漠然とした症状では、誰でもこの程度のことしか言えないだろう。

そして病院紹介に関しては、近所の病院をいくつか挙げてくれたが、特に頭痛外来などが設けられている病院でもなく、ネットでもすぐに出てくるところばかりで、特に役に立つ情報はなかった。

なお、後日、T-PECと提携している医師から話を聞いたことがあるが、この医師いわく

「もうムチャクチャ。症状や病気のきりわけもせずに、何でもかんでも振ってくるので、正直面倒臭い」

と言っていた。

24時間、いつでも電話で健康相談、というコンセプト自体は素晴らしいが、その内容は「さほどのものでもない」そんな感じ。

当時は、T-PEC側でも相談のノウハウが弱く「どんな症状の患者を、どんな医師に紹介すれば良いか」いまいち整理が付いていなかったのかもしれない。(と言うより、相談窓口でたまたま電話に出た看護士の力量に左右される)

だが、昨今ではこのあたりのノウハウもかなり確立し、結構的確なアドバイスをしてくれるという「良い噂」を耳にすることが多い。

おそらく、昔は提携している医師の数も少ない。相談件数も少ない。という状況で、何でもかんでも特定の医師に振っていたのだろう。

そのため、ニーズの不一致(患者側、医師側双方)が発生し、問題解決に繋がらないことが多かった。

だが、保険会社との提携が増えたことで相談件数も増加した結果、ノウハウもたまり、また提携医師の数を地道の拡大したため、話を振る先、つまり選択肢も増えた。

結果、良いマッチング事例が多くなってきたのだと思う。

昨年、筆者の知人が、T-PECのサービスを使い、肝臓がんのセカンドオピニオンを利用したが、

「結構ちゃんとした病院」

を紹介されていた。(セカンドオピニオンの結果は、かかりつけの病院と同じだったが・・・)

と言うことから、筆者自身、最近のイメージは良い。

愚直にサービスを磨いてきたことが、多くの保険会社で採用されている今の状況を作っているのだろう。

また、ティーペック自身も、社員に優しい企業として名高く、昨今のホワイト企業ランキングなどで見かけることも多い。

但し、あくまで「無料なら使っても良いかも」という感じ。

やはり、電話だけで解決することなどはたかが知れているし、緊急時は救急車を呼ぶべき。

また、紹介される病院なども、基本的には「紹介状さえあれば誰でも見てくれる病院」しかない。

紹介状など「この病院で診て欲しい」と頼めば、町医者でも書いてくれる。

病院や医師からすれば、T-PECと付き合うことは「患者さん(お客さん)を紹介してくれる」ということがメリットであり、言ってみれば販売ルートを増やしているだけに過ぎない。

そのため、T-PEC経由で受診したとしても、待ち時間が短かったり、偉い先生が懇切丁寧に対応してくれるようなことはなく、一般の患者と同じ扱いである。

 

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