この保険の弱点はここだ!大樹生命「おまかせセレクト」

提供会社:大樹生命

商品名:おまかせセレクト

この保険の弱点はここだ!!

持病などがある方でも入りやすい「緩和型」の保険。

本商品でも、以下4つの質問に全て「YES」であれば加入出来る。

1 入院、手術を勧められていない

2 過去2年以内に入院・手術を受けていない

3 過去5年以内に、がん、上皮内がんで入院手術を受けていない

4 現在、がん、上皮内がん、肝硬変、慢性肝炎で医師の診察、検査、治療、投薬を受けていない

これをクリアした上で、終身保険、医療保険、がん保険から必要なものを選択出来る。

他社の商品では「死亡保障」、「医療保障」、「がん」などは、それぞれ別の商品として仕立てていることが多いが、本商品では「おまかせセレクト」としてそれらをまとめている。

終身保険と医療保険には、何の特徴もなく「死んだらいくら」、「入院したら1日いくら」というタイプで他社と同じ。

特徴的なのはがんの特約(緩和型がん三大治療特約021)

緩和型のがん保険には珍しく

1 無事故ボーナス

2 疼痛緩和に関する保障

が用意されている。

無事故ボーナスは入院・手術などをしなかった場合、入院日額の10倍(1日5,000円のプランなら5万円)が受け取れる。

疼痛緩和は「もう助からない」となった後に、痛みだけを取り除く治療のことを指す。

本商品では「オピオイド系の投薬」が対象で、1回あたり日額の10倍、1日入院して5,000円のプランであれば5万円を受け取れる。

オピオイド系とは、平たくいえばモルヒネのこと。

海外では疼痛緩和の薬として色々なものが採用されており、日本では麻薬である「マリファナ」なども許可されているのだが、日本では実質的にモルヒネしか選択肢がない。

これを打った場合に給付されるのだが「最大月に1回」なので、要は「終末期の治療になったら毎月5万円を受け取れる」ということになる。

本当の最後になると、ほぼ毎日モルヒネを使い意識が混濁した状態になるが、その都度5万円を受け取れるわけではない。

最後に保険料についてだが、死亡保障(緩和型終身保険)については、全般的に他社の同種商品に比べ険料は安い。

しかし、逆に医療(緩和型総合医療特約016)、がん(緩和型がん三大治療特約021)に関しては高い印象を受けるが、がんに関しては前述のように「色々な保障」が付いているので、まあ仕方ないかな、とは思う。

以上、商品概要。

では弱点を挙げていきたい。




弱点1 1年間は50%削減

本商品では、加入1年以内の死亡したり、入院、がん治療などを受けた場合、給付が50%カットされる。

つまり、当初の約束の半分しか受け取れないということ。

これは緩和型では古くからある手法なのだが、最近では「初めから満額払う」という商品が増えている。

その点では本商品は劣る。

しかし「たかが1年くらい」でもあるので、気にしない人は気にならないかもしれない。

弱点2 高度障害が対象外

本商品の死亡保障(終身保険)は、死亡のみが対象で高度障害が対象外となっている。

通常、終身保険の支払い条件は「死亡」 or 「高度障害」であり、本商品はその片方で「払わない」ので、これは結構大きなデメリットである。

高度障害とは、車椅子の生活や、寝たきり、全盲など。

本商品は緩和型であり、そうなると加入するのはやはり高齢者が多いだろうから、高度障害になるリスクもそれなりにはある。

そのような時、他社は払う、本商品は払わないということ。

「終身保険は他社比較で保険料が安い」と述べたが、このあたりでのコストダウンも影響しているかもしれない。

但し、高度障害というのは、実際にはかなり少ない。これを「払わない」からと言って、保険料がさほど下がるとも思えず、そういう意味では「別に高度障害をつけておいても良いのに・・・・」とは思う。

「随分と分かりやすいデメリットを作ったなぁ」という感じ。

弱点3 抗がん剤治療が60回限度

これも「三大がん治療特約」に関するもの。

抗がん剤治療を受けた場合、本商品では日額の20倍(1日5,000円なら10万円)を「月に1回上限」で受け取れる。

つまり、抗がん剤を毎月やれば、毎月一時金を受け取れるということ。

だが、回数に制限があり、60回までとなっている。

毎月抗がん剤をやれば、5年で使いきる計算。

がんも外科的に切れくなると、抗がん剤治療に頼ることになり、そのような場合は「毎月抗がん剤」を打って、がんを攻撃するのだが、これはなかなか辛い。

筆者のお客様でも何人かこの状態になった方がいるが、働けないし、また正直なところ「がんが消える」可能性は低く、一進一退を繰り返すことが多いので、経済的にも、精神的にも、肉体的にも辛い。

実際のところ、この状態が5年(60回)も続くことは少なく、治る場合には10回以内、残念ながら亡くなってしまう場合でも2,3年ということが多いのだが、それでも抗がん剤とがんの相性が良くて、5年以上「毎月抗がん剤生活」を続けている方もいる。

このような場合、他社の類似商品では「回数無制限」というものが多いのだが、本商品では60回までとなっているので、その点で劣っている。

前述の通り、60回を使い切る人は極めて稀ではあるのだが「限度がある」というところが嫌だ。

なんだか「60回受ける前に死になさい」と言われているようで、患者の立場になると一抹の不安を感じるだろう。




弱点4 先進医療が1,000万円まで

本商品には先進医療特約が用意されているが、その上限は1,000万円までとなっている。

これも他社では2,000万円までのところが多い。

まあ、1,000万円をあれば十分だとは思うが、それでも他社の1/2という点はデメリットだろう。

この商品の弱点、こう考えろ!!(解決策)

商品としてはそこまで悪くはないのだが、なんだか細かい弱点が多い。

高度障害で払ったって、抗がん剤治療を60回から無制限にしたって、先進医療を他社並の2,000万円にしたって、正直、そこまで給付は増えないだろう。

何だか随分細かい弱点を自分自身で作っているような印象で、全体的に

「大樹、セコいな」

という感じ。

大樹と言うか、苗木という印象を持ってしまう。

本商品は保険ショップなどで勧められることもないだろうから、本稿を読んでいるということは大樹生命のセールスレディーからこれを提案されているのだろう。

弱点としては「些細なものが多い(高度障害はちょっと気になるが)」ので、その担当者と人間関係があるなら、別にこの商品に入ることを反対しない。

参考コラム:「お付き合い保険」の断り方と「お付き合い保険」に入るメリット




口コミ・評判(販売側から)

・なし

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保険会社勤務、代理店勤務の方でも、販売現場の情報や、当サイトで指摘していない弱点(デメリット)などには謝礼(amazonカード300円)をお支払い致します。

口コミ・評判(契約者から)

・なし

比較検討した方が良い商品

死亡保障なら

FWD生命 FWD医療引受緩和 死亡保障重点プラン ★★★☆☆

オリックス生命 緩和型定期保険 FINE Surpport Plus ★★★☆☆

オリックス生命 緩和型終身保険 ライズ・サポート・プラス ★★★☆☆

JA共済 引受緩和型終身共済 ★★★☆☆

メットライフ生命 緩和型終身保険 ずっとスマイル ★★★☆☆

医療保険/がん保険なら

アフラック 生きるためのがん保険寄りそうDays ★★★★☆
(緩和型がん保険)

なないろ生命 なないろメディカルスーパーワイド ★★★★☆

ネオファースト生命 ネオ de いりょう 健康プロモート ★★★★☆

メディケア生命 メディフィットRe[リリーフ] ★★★★☆

編集後記

約款