提供会社:PGF生命
商品名:米国ドル建養老保険
別名:PGF事業保険 福利厚生プラン(米ドル建):野村證券
米国ドル建福利厚生プランPG:三十三銀行、静岡銀行
この保険の弱点はここだ!!
法人にて導入される「福利厚生プラン」に使用するための米国ドル建養老保険。
本商品もそのマーケットを狙ったもので、PGFが開発し、実際に販売するのは代理店である野村證券や三十三銀行、静岡銀行の法人部隊だろう。
融資などで付き合いのある法人に「社長、節税になりますよ」というようなトークでこれを売る。
従来、法人の福利厚生では円建の養老保険が採用されることが多かったのだが、昨今の低金利で国債の利回りが急降下。
円建の養老保険などは実質的には「国債で運用している」ため、国債の利回り低下は、すなわち養老保険の利回り低下(返戻率低下)となる。
昔は、10年でトータル90万円支払って、満期(10年後)に100万円戻ってくる、というようなものが標準的だったが、前述の事情で現在では
110万円支払って100万円
というような「逆サヤ(損をする契約)」がほとんど。
そこで出てきたのがドル建。
ドル建養老はアメリカ国債で運用をするので、日本国債よりはずいぶんと利回りが良い。
それを背景にして、ドル養老も円養老よりは、かなり返戻率が高くなっている。
年齢、性別によっても異なるが10年満期であれば、ほぼほぼ返戻率100%を超えることが多いし、これが15年満期などであれば、ほぼ確実に全年代で100%を超える(10年だと50代男性などで逆ザヤになる可能性がある)
そのため、最近ではドル建養老保険を使った福利厚生プランの提案を増えている。
なお、ドル建であるため、毎月支払う保険料も変動するし、将来の返戻金も変動するので、そのあたりはリスクだろう。
商品自体は、PGF生命の兄弟会社であるジブラルタ生命でも全く同じものがあるので、評論はそちらのブログを参照して頂きたい。
ジブラルタ生命 養老保険/ドル建養老保険(法人用) ★★★☆☆
また、福利厚生プランの詳細については、こちらもご参照頂きたい。
参考コラム:全員加入の養老の保険料を1/2損金で落とす!!の「落とし穴」
弱点1 銀行から入る意味があるか?
実際に加入すると分かるのだが、福利厚生プランは意外と「管理」が大変。
社員が辞めたらその人の分を解約し、社員が増えたら(もしくは入社◯年などの加入基準を超えたら)、加入させなくてはいけない。
それらの雑務を銀行員や証券マンが出来るのか?
もちろん、やればできるだろうが、初回の大量加入の時だけはしっかりやるのに、その後の追加、削除の時になると「動きが悪い」というような話は良く耳にする。
また銀行員、証券マンから保険に入る最大のデメリットが「移動」
当初の導入時の担当者が2,3年でいなくなり、後任が付くものの、引き継ぎが甘かったりして、イマイチ事情を理解出来ていないようなケースも多いようだ。
福利厚生プランはメンテナンスが結構大変なので「移動」などがない普通の保険屋さんに頼んだ方が無難な気もする。
但し、銀行から「付き合い」で保険に入ってあげると、その後の融資が有利になるような気もする(実際にはそんなことはないが)
それで「何となく」入ってしまうような経営者も結構多い。
福利厚生プランは「皆で保険に入る」、「退職金を積み立てる」など、社員に告知して入る保険なので、一度初めてしまうと簡単には辞められない。
将来の管理まで考えると、本当に銀行、証券マンに任せて良いのか?という点はよくよく考えた方が良いだろう。
この保険の弱点、こう考えろ!!(解決策)
ドル建養老での福利厚生プランを検討するなら、
・ドル建特殊養老
・変額養老
の分野も一緒に考えてみても良いかもしれない。
ドル建特殊養老とは、スタートから数年の死亡保険金を減らすことで、将来の返戻率を上げたもので、通常の養老保険より返戻率が良い。
この分野もプルデンシャルグループが強く、ドル建リタイアメント・インカムという名前で販売されている。
ジブラルタ生命 養老保険/ドル建養老保険(法人用) ★★★☆☆
また、変額養老も良い選択肢になる。
変額とは株や債券、REITなどに連動する保険で、ほとんど投資信託のような商品である。
そのため、「変額」という名前の通り、将来の返戻金や保険金が変動する。
その点が「リスク」ではあるのだが、10年以上、株に投資をすれば「ほぼほぼ増える」のは過去の歴史が証明をしており、その収益性はドル建養老より高くなる可能性が高い。
10年後に米ドルがどうなっているか?
こんなこと、誰にも分からないが、
10年後の株式市場はどうなっているか?
これはそれなりに予測出来る。
瞬間的に凹んでいることもあるだろうが、基本的には株式市場は経済の拡大に合わせて大きくなっていく。
そのように考えると、福利厚生プランに変額を導入しても面白いかもしれない。
また、ドル建の場合、毎月の保険料が変動するが、変額であれば一定なので、その点もメリットと言えるかもしれない。
いずれのプランを保険ショップなどに行けば、容易に見積もってくれるので、金融機関の言いなりで入る前に「どんなもんなのか?」という程度で調査くらいはしておいた方が良いだろう。(本商品の返戻率が、それほど「悪くない」ことも分かる)
純粋なドル建養老保険で言えば、ライバルはソニー、メットライフ、そしてPGF生命の兄弟会社であるジブラルタくらしか商品を出していないが、ちょっと範囲を広げて、特殊養老や変額などまで見てみれば、色々な商品がある。
筆者の個人的な見解で言えば、ドル建養老よりは特殊養老、特殊養老よりは変額の方が良いかなぁ、という気がする。
口コミ・評判(販売側から)
なし
謝礼Amazonギフトカード300円!! アナタの口コミ教えて下さい!!
保険会社勤務、代理店勤務の方でも、販売現場の情報や、当サイトで指摘していない弱点(デメリット)などには謝礼(amazonカード300円)をお支払い致します。
口コミ・評判(契約者から)
なし
検討した方がいい他社商品
ドル建養老ならメットライフ、ソニー、ジブラルタがライバル。
ジブラルタ生命 養老保険/ドル建養老保険(法人用) ★★★☆☆
プルデンシャル生命 ドル建リタイアメントインカム ★★★☆☆
ソニー生命 バリアブルライフ 変額終身・変額定期 ★★★☆☆
アクサ生命 アクサの「資産形成」の変額保険 ユニット・リンク ★★☆☆☆
プルデンシャル生命 変額保険(終身タイプ/一時払タイプ) ★★☆☆☆
メットライフ生命 ライフインベスト/ライフインベスト プラス ★★☆☆☆
編集後記