この保険の弱点はここだ!アクサ生命「アクサの長期保障の定期保険 OKライフ」

提供会社:アクサ生命

商品名:アクサの「長期保障]の定期保険 OKライフ

この保険の弱点はここだ!!

まあ、珍しい商品ではある。

用途としては、以下の2つだろう。

1 法人向け、保障重視+ちょっと節税+ちょっと内部留保のニーズを満たす用

2 個人向け、緩和型終身保険の代用(仮想敵:オリックス生命 ライズ・サポート・プラス)

1 法人向けについて

1については、少々複雑なので、意味の分からない方は読み飛ばして頂いても良い(以下の2 個人向けについて、からお読み頂きたい)と思うが、法人の経営者向けの定番商品で「長期定期保険」というものがある。

100歳とか、98歳までに死亡すれば5000万円とか1億円とか、高額の保険金を支払いというもので、第一には経営者の死亡対策として使われる。

中小企業などでは、経営者の個人的な信頼・能力で「会社がもっている」というところも少なくないので、「経営者死亡=即経営危機」となりかねない。

そのため、万が一の時に大きな現金を用意しておけるように保険で準備しておくのである。

また、これらの商品は、2019年7月以前は「保険料の1/2を損金処理」することが可能で、税金対策にもなった(このあたりが分からない、という方は別に気にしなくて良い。経営者であれば分かる)

そして、解約返戻金も貯まっていくので、もし会社が資金繰りに窮した時などは、保険を解約し(そうなると死亡保障はなくなってしまうが)その返戻金で急場をしのぐことが出来る。

要は、「1 純粋な保険」、「2 節税対策」、「3 内部留保(貯金)」の3つの機能がある商品である。

なお、100歳まで、とか98歳まで、と、かなり長い期間を取っているため「長期定期」と呼ぶのだが、これは税金の制度が「定期保険=保険料を損金に出来る」というルールがあるため、強引に定期保険に分類するために、「100歳(98歳)までの定期(期限が決まっている)です!!」と言っているだけで、実態としては終身保険に近い。

この長期定期は「法人で保険」の定番で、昔は結構入っている会社が多かった。

しかし、2019年7月以降、税制が見直され、現在のルールは以下のようになっている。

・返戻金のピークが50%超 70%以下 保険料の6割を損金
・返戻金のピークが70%超 85%以下 保険料の4割を損金
・返戻金のピークが85%超 100%-(最高返戻率×90%)を損金
注:最高返戻率が95%の場合、100%=(95%×90%)=14.5%が損金。つまり、ほとんど節税対策にはならない。

単純に言えば、「旨味(節税&貯蓄)」が無くなったということ。

そのため、長期定期の販売は今は下火である。各社が細々とやっている。という感じ。

本商品は、「法人向け」としては、この長期定期に該当し、恐らく返戻率のピークは85%を超えるだろうから(年齢、性別にもよる)、ほんとど損金にはならない。

だが、緩和型ということで、健康状態の悪い経営者でも入りやすいので、

「社長、この保険なら3つの質問に答えるだけで簡単に入れます。しかも将来お金が溜まるので、退職金の積立にもなります(でも節税にはなりません・・・・)」

こんなトークでそれなりには売れそうな気もする。

50代、60代の金を持っている経営者は、日ごろ、良いものを食い過ぎて、どこかしらが悪い人も多いので、通常の保険の診査であれば引っかかってしまう人も多い。

そのため、このような「緩和型」のニーズがあるのかもしれない。

2 個人向けについて

一方、個人向けとしては、現場では「ほぼ終身保険です」という売り方をしているだろう。

98歳までの「定期保険(期限がある)」ではあるものの、実際問題として、98歳までにはほとんどの人が死んでいる。

そのため、本商品は緩和型定期保険、ではあるものの、実態としては緩和型終身保険でもある。

ライバルはオリックス生命のライズ・サポート・プラス、メットライフ生命 終身保険 ずっとスマイルあたりだろう。

オリックス生命 緩和型終身保険 ライズ・サポート・プラス ★★★☆☆

メットライフ生命 緩和型終身保険 ずっとスマイル ★★★☆☆

これらは緩和型の終身保険で、入れる条件(3つに質問)もほぼ同じ。

本商品は、このオリックスやメットライフの緩和型終身に「もろに当てにきた」という感じで、保険料も両社を下回るように設定されている。

両者を対比すると、以下のような違いがある。

・保障期間
アクサ生命    98歳まで
オリックス、メットライフ  終身(一生涯)

・保険料
全般的にアクサ生命の方が5~10%ほど安い(但し、高齢者になると逆転されるケースもある)

・保障内容
アクサ生命のOKライフでは、加入後1年間は、死亡しても保険金が50%(災害死亡:交通事故などは100%)
オリックス生命はスタート時から100%

つまり、アクサのOKライフの方は、1 98歳まで、2 加入後1年間は保険金が50%という「デメリット」がある代わりに、保険料が安い(メリット)ということになる。

98歳まで、というのは多くの人がほとんど気にならないだろう。

統計上、100歳を超える人は100人に1人だが、本商品はそもそも緩和型であり、つまりは健康状態が悪い人向けでもあるので、「いやいや、98歳なんてとても無理だよ。そんなに長生きしたくもないし」という方が多いはず。

また、加入後1年以内の死亡時には保険金50%というのも、「まあ、そうなっちゃったら仕方がないよね」という程度の話で、あまり気にならないのではないか?

であるならば、保険料が安い方が良いと思うので、筆者としては、「健康状態が悪い人で、一生涯の保障が必要」なのであれば、本商品は悪くない選択肢だと思う。

だが、保険料が安いと言っても、ほんのわずかの差ではあるので、心配性(98歳以上まで生きたらどうしよう、入ってすぐ死ぬかもしれない、等々)の方は、オリックスの方が無難ではある。

このあたりは、「どんぐりの背比べ」という感じで、正直、どっちでも良いよ・・・・という感じ。

以上が商品についての筆者の分析。

では弱点の話に移ろう。

弱点1 若い人はやめた方が良い。高齢者は「まあまあかな」

本商品が良い悪いという議論の前に、筆者自身は円建の終身保険自体にネガティブ。

今、これだけインフレリスクが高まっている中、長期に円を積立てる意味がが分からない。

500万円の価値が、30年、40年後も「今の500万円の価値」のままとは到底考えられず、これから円建ての終身保険に入るのは、やめた方が良い。

それでも入るなら、ドル建か、株価などが保険金に反映される変額などの方が良い。

まず、これが大前提。

そのため、若い人(30代、40代、50代前半くらいまで)は、このような商品に入るよりは、別のものの方が良い。

とは言え、本商品を検討している人は「健康状態が悪い」わけであり、そのため、他の商品を自由に選べるわけでもない。

だったら、緩和型の定期保険(短期のもの)の方が良い。

ひとまず10年くらいは掛け捨てで保障を用意しておき、その間に健康状態を良好にする、もしくは経済動向(インフレ)などを見極めて、他の対策を取る方が良い。

以下が当サイトで分析している緩和型の定期保険。

オリックス生命 定期保険 FINE Surpport Plus ★★★☆☆

楽天生命 スーパーたよれる定期保険 ★★★☆☆

一方、50代後半、60代、70代などで「直近で死亡保障が必要」という場合もある。

長らく国内生保の保険などを続けてきたが、それが満期を迎え「一切何の保障がなくなった」ということもあるし、もしくは相続対策として、保険金の非課税枠を確保したい、ということもある。

そのようなケースであれば、本商品は「悪くない」と思う。

インフレリスクなども怖いのは怖いが、5年、10年で死亡すること(失礼ながら)を想定するのであれば、本商品のようなものしか選択肢がない。

先で挙げたような緩和型の短期の定期保険でも良いのだが、これくらいの年齢になると、保険料も高くなる(保険会社から見ても、5年,10年で亡くなる可能性が高いと判断するため)

また、自分で「すぐ死ぬ」と言っている人に限って、意外と長生きするということもあるので、98歳までの保険の方が良いかもしれない。

弱点2 98歳まで

これは既に解説した通り、さほどのデメリットではないとは思うが、98歳を超えた場合、保険金はない。

98歳までの保険だから「ほぼ終身だ」

冒頭でそう述べたが、今後はそうではないかもしれない。

現在、100歳を超える人は「100人に1人程度」だが、今後、長寿化が一層すすめば、100歳オーバーの方も増えるだろう。

その場合、本商品は98歳までなので、それ以降に亡くなっても保険金が受け取れない。

持病がある方は、

「私なんてとても100歳までは生きられない」

と思うかもしれないが、持病のある人の方がかえって健康に気を使って長生きする場合もある。

特に女性は長寿なので、念のため「終身(いつまででも大丈夫)」にしておいた方が良いかもしれない。

その点、この商品は98歳までしかフォローされないので弱点と言えば弱点だろう。

とは言え、そんな先のことまで考えないといけない「超長寿社会」も何とも大変で、筆者は個人的にはそこまで行きたくはない・・・

なお、80歳から90歳たりで、解約返戻金がピークを迎えた時に払済をして、保険金を高いまま残すことも可能だが、そのような案内を保険会社がしてくれるか?という点は疑問。

しっかりとした代理店がサポートしてくれれば良いが、とは言え、数十年後の話でもあり、自分でちゃんと管理しないと「ハッ」と気付いた時には手遅れ(解約返戻金が少なく、払済をしても保険金が少なくなってしまう)ということにもなりかねない。

弱点3 保険金を「超える」払込を覚悟しないといけない

基本的に緩和型の終身保険は払込保険料の総額が、保険金を超える。

性別、年齢、支払期間などによっても異なるが、例えば死亡時1,000万円の場合、多くのケースで1,000万円以上の保険料を支払うことになる。

もちろん加入して2,3年で亡くなれば支払った保険料以上の保険金を受け取れるが、平均寿命くらいまで生きると、支払ってきた保険料が保険金を超えるように設計されているのである。

基本的に自分で貯めたお金を貰っているようなものだし、逆に損をしていることも多い。

「本当に必要か?」

という点はしっかり考えた方が良い。

使わないお金があるなら、それを終身保険変わりに手堅い投資信託(債券型など)に入れておいても良いし、保険以外の選択肢も検討した方が良いだろう。

弱点4 加入1年目で死亡した場合、保険金が1/2に減額

保険会社側の安全策として、加入してから1年目に死亡した場合には保険金が半額となる。

対してライバルのオリックスの緩和型終身であれば1年目から満額支払う。

本商品の保険料が安いのであれば、許容できるデメリットだが、保険料がさほど変わらないのであればオリックスの方が優れている。

明確な弱点。

口コミ(販売側から)

98歳まで、加入してから1年以内は保険金半額というデメリットがあるため、多くの場合でオリックスの緩和型に負けることが多い・・・・

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口コミ(契約者から)

なし

比較した方が良い商品

オリックス生命 緩和型終身保険 ライズ・サポート・プラス ★★★☆☆

メットライフ生命 緩和型終身保険 ずっとスマイル ★★★☆☆