提供会社:アクサダイレクト生命
商品名:アクサダイレクトのがん定期
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この保険の弱点はここだ!!
参考コラム:
商品の詳細に入る前に「そもそもがん保険って何?」という方は、
『保険屋の口車に乗る前に読みたい、がんと保険の真実』
をご覧いただきたい。
アクサダイレクトはアクサグループのネット生保部門であり、日本のネット生保として老舗に分類される。
ライフネット生命のような「開拓者」的な印象はないが、常に二番煎じの「後出しジャンケン方式」で商品を出してきて、
競合他社よりちょっと良い(保障内容)、ちょっと安い(保険料)
というポジションを確立している。
ズルいと言えばズルいし、保険業界にいる人間からすれば「面白みがない会社」だと感じるが、契約者からすればそんなことはどうでも良いことだ。
安くて良いならそれで良い
という感じだろう。
全てがネットで完結するので「入れる人」を選ぶが(一定のIT、金融リテラシーがある人)全体的に良い商品は提供している。
が、この商品はイマイチ。
まあ「薄口のがん保険」という感じ。
アクサダイレクトでは、がん保険は本商品とは別に終身型のものも提供している。
「終身タイプ」の弱点については、「アクサダイレクトのがん終身」を参照
終身タイプというのは、一度加入すれば一生涯保障が続き、保険料もずっと変わらないものを指す。
巷で販売されているがん保険の90%はこの終身タイプであるが、難点は保険料が高いということ。
ずっと保険料が変わらないが、実際のところリスクは年齢を追うごとに増していく。
例えば30歳で加入した場合、30歳の時にがんになるリスクは低く、70歳、80歳の時にがんになるリスクの方が圧倒的に高い。
しかし保険料はずっと変わらない。
つまりは「将来(高リスク)」のために若い頃から保険料を積立ているような印象で、70歳、80歳になった時の保険料が若い時と同じなのは
それまで支払ってきた分(貯めていた分)で補填している
ということ。
そのため、若い時には実際のリスクよりは割高な保険料を負担していることになる。
しかし、若い頃こそ「金がない」という人も多いので、そのような場合に、本商品のような定期タイプが重宝する。
この商品は10年間の期間限定なのと、更にネット生保なので、若い人が入ると保険料がムチャクチャ安い。
基本的な保障は、
・がん入院給付金 がんで入院した時に1日1万円など
・がん診断一時金 100万円(がんと診断されただけで受け取れる)
の2つのみ。
そこにオプション(特約)を付けることで、下記の3つの保障が加わる。なお、この3つをセットになっていて、バラバラに加入することは出来ない。
・がん手術給付金 がんで手術した場合 10万円
・がんで入院し、その後退院した場合 10万円
・がんの治療を目的とした先進医療を受けた場合 実費を500万円まで補償
ネットだけで完結する商品なので、流石にシンプルに出来ている。
保険料は30歳 男性で基本保険料が650円、オプションを付けても920円(オプションが270円)とかなり安い。
但し、前述の通り「薄口」ではあるので、あくまで若いうちに「とりあえず入っておく」というニーズに適している商品だと感じる。
保障内容には弱い部分が多いが、とにかく安くがん保険に入りたい。という要望を満たすことは出来るので星2つとした。
では具体的な弱点を見て行こう。
弱点1 更新ごとに保険料が上がる
本商品は10年更新なので、10年ごとに保険料が上がる。
最長80歳まで更新可能だが、保険料は10年ごとに1.5倍から2倍程度のスピードで上がっていく。
結局のところ、ある段階から(だいたい40代くらい)保険料が急に高くなるので、最終的に負担する保険料は終身タイプと変わらないことになる。
弱点と言うか「そういう商品」であるので、10年ごとに保険料が上がるのは仕方がないが、あまり高くなる前には終身タイプ(保険料が変わらず一生涯続く)に移行したいところ
弱点2 保障が80歳まで
明確な弱点。
寿命100歳時代において80歳で終わってしまうということはデメリットだろう。
特に女性は長生きするので、80歳以降の保障がなくなってしまうのは不安。
この点からも若い間の「ワンポイント」的な商品であることが分かる。
弱点3 先進医療特約が貧弱
保険が適用されない先進医療を受けた際にその実費を負担してくれる先進医療特約。
他社では上限2,000万円というところが多いが、本商品は500万円まで。
がんの先進医療と言えば、重粒子線治療や中性子線治療などがあるが、どちらも300万円程度はかかる。
複数回治療すれば500万円を超える可能性もあり、この点は心配。
あくまで「上限」で、そもそもこれを使う人なんて少ないのだから、別に他社なみの2,000万円に設定しておけば良いものを。とは思う。
他社比較で劣っている。
という点で分かりやすい弱点だし、いざ、先進医療を受けることになって、この500万円上限に引っかかってしまうのであれば泣くに泣けない。
他社のがん保険の☆評価一覧は、コチラ
参考コラム:
商品の詳細に入る前に「そもそもがん保険って何?」という方は、
『保険屋の口車に乗る前に読みたい、がんと保険の真実』
をご覧いただきたい。
弱点4 診断給付金が1回のみ
これも弱点。
がんと診断された時に診断給付金が1回のみ。
つまり初回は100万円を受け取れるが、それが再発や転移した場合、「2回目」は何もないということ。
これも他社の商品では
1年に1回を上限に何度でも
というところが多い。
がんの場合、実は初回はそれほど怖くないことが多い。
だいたいは外科的な手術で「切れる」ので、物理的にがん細胞を除外できる。
本当に怖いのは、それらが転移や再発して「切れなくなってしまった」時。
体力的な問題や、場所的な問題(肺の奥など)で外科的な処置が出来なくなると、抗がん剤や放射線治療などに頼るしかなく、抜本的に治る可能性も低くなる。
当人も苦しいし、治療期間も長くなるので、人によっては職を失うようなこともある(がんによる就業不能)
そうなった時に一時金があるか、ないか、は大きい。
もちろん100万円を貰ったからと言って、それだけで生活がしていけるわけではないが、やはり貰えば大きいだろう。
この保険では1回だけなので、そのような「2回目以降」に関しては、「入院したら1日1万円」程度の保障しかない。
がん保険としては、ちょっと弱く、冒頭から言っている「薄口」というのはこの点を指す。
恐らくは、がん診断一時金を1回しか払わないから保険料も安いのだろう。
商品の構成について
主契約は、「がん終身」と同様に以下の2つが保障に組み込まれている。
契約年齢は、男性が20歳~69歳、女性が20歳~49歳となっており、日額10,000円、15,000円、20,000円から選択可能。
なお、保険期間は、10年のみで、更新時は、80歳満了まで可能。
以下、がん入院給付金日額10,000円の場合(他にも15,000円、20,000円も選択可能)に受け取れる保障について説明する。
がん入院給付金
がんの治療のため入院したとき、日額10,000円を入院日数無制限で受取れる。
がん診断給付金
始めてがんと診断された時に、がん診断給付金を100万円(がん入院給付金日額×100倍)を受け取れる。
本商品では、「上皮内新生物」と「悪性新生物」の区別はなく、同額の保障となっているが、診断給付金は、保険期間(更新契約の保険期間を含む)を通じて、1回のみとなっている。
最近のがん保険の主流では、診断給付金は、1年に1回を限度とする複数回保障されるものが主流となっており、アクサダイレクトの商品は、保障が弱い。
詳細は、「弱点4」を参照
※保険料は、年齢毎に定められており、男性、女性ともに保険料は同額。
ここまでが主契約(メイン部分)
以下、特約(オプション)の説明にはいるが、セットできる特約は、下記の3つの保障がまとまったタイプとなっている。
がん手術給付特約・がん先進医療特約・がん退院療養特約
・がん手術給付金
がんの治療のため入院し、手術を受けた場合に1回につき10万円が受け取れる。
・がん先進医療給付金
がんの治療のため先進医療を受けた場合、先進医療の技術料実費分を通算500万円までうけとれる。
他社では、通算2,000万円までとなっているのが主流。
本商品は、保険期間が10年更新となっており、今後、値上がりする可能性が高いため、他社の「終身型」を
がんを直接の原因として先進医療による療養を受けたときに、先進医療にかかる技術料と同額(通算500万円が限度)が受け取れる。
通算限度が500万円(他社では、2,000万円が主流)
先進医療の考え方については、下記を参照
先進医療特約は「終身型」を選びなさい!!
・退院後療養給付金
がんで入院後に退院した場合に、1回につき10万円が受け取れる。
参考:各社の保険料、特約毎の比較は、
がん保険比較一覧2019年4月版
をご覧いただきたい。
他社のがん保険の☆評価一覧は、コチラ
参考コラム:
商品の詳細に入る前に「そもそもがん保険って何?」という方は、
『保険屋の口車に乗る前に読みたい、がんと保険の真実』
をご覧いただきたい。
比較した方が良い商品
オリックス生命 がん保険 Believe(ビリーブ) ★★★☆☆