古い日本の保険会社が提供する「パッケージ型商品」総論

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日本生命、第一生命、明治安田生命、住友生命、などなど。

いわゆる大手保険会社には、各社に自社を代表する「看板商品」がある。

日本生命なら、綾瀬はるかさんがイメージキャラクターを務める「ミライのかたち」

第一生命なら、DAIGOさんの「ジャスト」

明治安田生命なら、広瀬アリスさんの「ベストスタイル」

住友生命なら、バナナマンさんの「Vitality」

これらは、ある程度「こんな保障が必要でしょ?」という前提の元に色々な保障を組み合わせていることから、保険業界では「パッケージ型」と呼ばれる。

ただし、昨今のパッケージ型は、そこまで決まりきった構成ではなく(昔はガチガチに決まっていた)、自分で好きな保障を自由に組み合わせられるブュッフェ方式のようになっている。

各社のセールスレディはほとんどこれを販売しているのだが、とにかく選択肢が多く、あれも、これも何でも付けられる。

ただ、世の中のブュッフェがそうであるように、1品1品は大したことはない。

中華、洋食、お寿司、ステーキ、ケーキ、色々あるが、各分野の専門的には遠く及ばない。

そんな感じ。

その割に保険料は高い。

ただ、これはある程度仕方がない。

古い日本の保険会社のほとんどでパッケージ型の商品があるが、これを売るために大量の人員(セールスレディ)を抱え、それを収容するための大量の営業拠点を構える必要があった。

〇〇支社、〇〇営業所など、結構寂れた地方都市でも、大手保険会社の拠点は必ずある。

そして有名タレントを起用した大量のCM。(今の明治安田は、広瀬アリスと松岡修造)

要は金がかかり過ぎているのだ。

それが全て保険料に反映される。

良い、悪いではなく、そういう仕組みなのだ。

大手保険会社は前時代的な保険の形から脱却出来ていない。

だから保障の内容のわりには高い。

一方、医療や年金などに特化した商品を出す新興の保険会社は、もっと身軽で、自社社員でなく、既にある代理店網(保険の〇〇など)などを使い商品を供給する。

自前で駅前にビルを建てて展開してきたデパートと、FC展開で店舗を広げてきたコンビニのようなもので、価格で言えば勝負にならない。

デパート = 高い

というのと同じように、パッケージ型は高いのである。

だからこそ、若い世代には敬遠される。

しかしながら、これはほとんど構造的な問題であり、そんなことは、各社の幹部が一番分かっていて、なるべく人員を抑えたり、地方拠点を統廃合しようとはしているのだが、なかなか上手くいかない。

これらの「旧システム」も、動かしていれば、それはそれなりに「売る」からだ。

そんな旧システムを急に止めてしまえば、売上激減で株価にも影響してしまう。

旧に対し、新はネット販売とか、代理店向け商品とかであり、もちろん各社取り組んではいる。

ネット販売で言えば、明治安田などは、なかなかエッジの効いた商品を出しているし、代理店向けでは、どこの保険会社も代理店向けに商品を開発する「専門保険会社(当サイトでは第二生保と呼んでいる)」を設立し、わりと良い業績を出している。

参考コラム:大手が続々参入 別働隊「第二生保設立」の裏事情とは?

だが、旧システムを凌駕するほどではなく、結局のところ、リアルな人間が泥臭く現場で動くのは意外と強いのである。

そんなわけで、「人に頼り」、「有名タレントのCMに頼った」、「割高な商品」を今でも販売し続けている。

当サイトでは、原則的にはパッケージ型商品には手厳しい。

内容だけで見れば、あまり良くないものが多いからだ。

特に若い世代は、よほどのことがない限りパッケージ型にする理由はない。

では「よほどのこと」とは何か?

基本的には「お付き合い(人間関係)」だ。

下記コラムでは、お付き合いで保険に入るメリット、デメリット、そして断り方などについて解説しているので、ご興味があればご一読頂きたいが、筆者自身はお付き合いで入るのも別に悪くはないと思っている。

参考コラム:「お付き合い保険」の断り方と「お付き合い保険」に入るメリット

パッケージ型保険が「保障内容のわりに高い」と言っても、肝心の保障内容について言えば、他社商品に比べて、ムチャクチャ劣っているわけでもない。

同じお金払うなら、A社(国内大手)よりB社(ネット生保や外資系など)の方が良いよね。

という程度のことで、そこにもの凄い差があるわけでもない。

がんや死亡など、何かあった場合に、全く役に立たないということはなく、そういう時には十分なパフォーマンスを発揮してくれる。

また、経験豊富なセールスレディのネットワークは凄まじいものがあり、義理で入って「恩を売る」ことで、自分の評価が上がることもある。

例えば、上司からあるセールスレディを紹介され、それを断るというのは、上司の顔に泥を塗る行為であり、職場での人間関係を冷ややかなものにしてしまう。

逆に、四の五の言わず「毎月1万円まで払えますので、お任せします。」と言えば、そのセールスレディがあちこちで「○○君は決断力がある」と宣伝してくれて

「あいつは清濁併せ吞める奴なんだな」

という良いイメージがつくこともあるだろう。

もちろん、そういう時代ではない、ということは重々承知しているが、依然、日本社会に「そういう面」があることも事実である。

仮に色々比較検討して、1万円の保障が、7000円になったとしても、たかだ3000円であり、それで評価を下げるのあれば、損なのか得なのか分からない。

また、保険はかなり専門的な知識が必要なので、結局のところ素人が色々考えても、プロには勝てない。

多少割高でも「コンサル料」だと思って、相手に一任するのも手ではあるし、筆者の体験からしても、分りもしないのに何事も疑ってくる奴より、「お任せします」と言われた方が、意外と相手のためを思って真剣に考える。

もちろん、相手がちゃんとした知識を持っていて、人間的にも悪い人ではない、という前提の話ではあるものの、パッケージ型には常に人間関係が付きまとうので(でないと売れない)、これも一つの考え方だろう。

なお、昨今のパッケージ型は「あれもこれも出来る」が故に、設計する人の力量が試される。

顧客の話をちゃんと聞いて、その上でプランを設計できる力がある人なら良いが、いつも「自分が得意な型」だけを売っているような人もいる。

自分の型に客をはめる、というパターンで、この場合、いざ何かが起こった時に役に立たないこともあり得る。(本来は死亡保障が必要なのに医療だけ、など)

いくら人間関係を重視したとしても、これは本末転倒で、このような営業と付き合うのは避けた方が賢明。

以上、パッケージ型総論。

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