提供会社:エヌエヌ生命
格付:S&P A+
商品名:アクシブロック 長期傷害保険Ⅰ型
この保険の弱点はここだ!!
傷害保険とは、わかりやすく言えば「病気以外での死亡や入院」をサポートする保険。
主に損害保険会社が提供していることが多く、生命保険会社が販売しているのは珍しい。
もう20年以上前の話になるが、生命保険会社の出している傷害保険が「節税に良い」という時代があり、エヌエヌではその名残で今でも販売しているようだが、実際にはほとんど売れていないそうだ。
病気による死亡や、入院は対象外で、
・怪我(仕事中/通勤中/スポーツ中)
・交通事故
・感染症
による、死亡、後遺障害、入院が対象。
なお、通常の生命保険は死亡と高度障害だけが対象だが、傷害保険では死亡に加え後遺障害も対象となる。
1級傷害の時は保険金の100%(死亡時と同じ)、2級で70%、3級で50%を受け取れる。
パンフレットに掲載されている契約例を見ると、
56歳 男性(何で、こんな中途半端な年齢なんだろうか?・・・)
災害保険金 1億円
災害入院 2万円/日
という内容で、保険料は2,390,700円/年。
はっきり言って、
ムチャクチャ高い
だが、本商品には貯蓄性があり、契約してから5年程度経過すると、そこから20年目くらいまで80%の返戻金が担保されている。
つまり、ひとまずは高額の保険料を支払うが、実質的には8割が貯まっていて、純粋な掛け捨て部分は2割ということ。
また、本商品は保険料の4割を損金として処理出来るので、「目先だけ」の話で言えば多少の節税にもなる。
以上が商品概要。
では、弱点。
弱点1 損金&貯蓄性もあるが、それでも高い!!
8割貯まるとか、保険料の4割が損金処理出来るとか、一見お得にも見えるが、それでも高い。
先ほどの契約例を元に、ざっと計算してみよう。
56歳 男性(何で、こんな中途半端な年齢なんだろうか?・・・)
災害保険金 1億円
災害入院 2万円/日
保険料 2,390,700円/年
ここでは計算しやすいように、保険料は240万円とする。
240万円の4割は96万円。これが毎年の損金になる。
法人税30%として計算すると、約29万円の「節税」になる。
対して、240万円のうち8割は貯まっているので、実質的な保険料は48万円。
保険としては48万円を「損」をしているが、税金で29万円ほど「得」していることになり、差し引きは19万円ということになる。
注:なお、本商品では解約した場合に、返戻金の一部に法人税が課税される。そのあたりの詳細は以下のコラムにまとめてある。
参考コラム:法人保険の「節税」今、昔。原則的に保険で節税は出来ないよ、という話
毎月にならせば15,800円ほど。
こう見ると、なんとなく手ごろな印象を受けるが、損害保険会社が販売している傷害保険はもっと安い。
同条件だと、恐らく毎月1万円くらいだろう。
しかも、こちらは全額損金で落とせる。
年間12万円だとして、その節税効果は3.6万円(法人税30%)。実質的な負担は8.4万円。
毎月7,000円だ。
保険料は半分以下で、保険会社に大きな保険料を長期間預ける必要もない。
得られる「保障」が同じであれば、損害保険会社が提供する傷害保険で良いのではないか?
また、損保の傷害保険であれば、後遺障害が残った場合、本商品のように3級まででなく、14級(軽度の後遺障害)まで保険金が受け取れるものもある(その場合、保険料は上がる)
どう考えても、本商品に入る理由は見当たらない。
口コミ・評判
なし
比較した方が良い商品
生命保険会社が販売している傷害保険は、今となってはほとんどない。
損害保険会社の傷害保険と比較した方が良いだろう。
編集後記