この保険の弱点はここだ!かんぽ生命「養老保険」

提供会社:かんぽ生命
格付:なし

商品名:養老保険

この保険の弱点はここだ!!

かんぽ生命と言えば、昔から養老と学資が2枚看板。

だが、そのどちらも昨今の運用環境の悪化により、商品としての魅力は急激に低下している。

そのため、星1つ。

養老保険は、契約者から預かった保険料を保険会社が運用をして、満期に約束したお金を返すもので、また、仮に満期までの間に死亡すれば、その時も満期に返す額を「保険金」として支払う。

契約者からすれば

死んでも、生きていても、必ず同じ金額を受け取れる

ということになり、つまりは「取りっぱぐれ」がない保険である。

例えば養老保険300万円 保険期間10年の場合、契約者が途中で死亡すれば300万円の死亡保険金を受け取れるし、10年間無事に保険料を支払いきれば、この場合も満期保険金として300万円を手にすることが出来るわけだ。

で、肝心なのは保険料。

今を遡ること30年以上前の話になるが、当時は養老保険300万円 10年の保険料は20,000円/月ほどだった。

支払総額は240万円。

つまり、240万円支払えば、300万円が戻ってくるということで、10年間で+60万円(25%)増えることになる。

当時は国債(10年国債)の利回りが4%代後半で、養老保険の運用などは「ほとんど国債」であるため、これくらいの養老保険が作れた(販売出来た)

が、今の国債は0.1%とか、0.2%とかなので、はっきり言って運用など出来ない。

話は戻るが養老保険は、一応「保険」でもある。

満期前までに契約者が亡くなれば保険金を支払うからだ。

そうなると、かんぽ生命としては

・0.1~0.2%のヘボ国債で運用をしないといけない

・しかも、契約者が途中で亡くなれば保険金まで払う

という2重苦に陥る。

そのため、現在の養老保険では300万円 10年満期という先と同じ条件で保険料は27,030円/月(30歳 男性の場合)となっている。

その支払総額は324万円。

戻ってくるのは300万円なので、24万円ほど「損」をしているということ。

これが、死亡300万円の「10年間の保険料」ということになる。

なお、このように支払った金額より、満期金が少ないことを「逆ザヤ」と言うのだが、かんぽ生命の養老はここ5,6年は逆ザヤになってしまっている。

なお、養老保険は以下の5タイプが用意されているが、基本的にはどのプランも逆ザヤとなることが多い。

1 新フリープラン 10倍保証型

保険金が、満期金の10倍になるプラン。

保険金が300万円の場合、死亡すれば300万円を受け取れるが、満期時には30万円しかない。

死亡保険金の1/10。逆の言い方をすれば死亡保険金が満期金の10倍なので「10倍保障型」と呼ばれる。

言い換えれば、30万円の養老保険と270万円の定期保険をセットにしたもので、そのため支払っている保険料のほとんどは、270万円の掛け捨ての定期保険に充てられ、貯蓄に回る分はごくわずか。

2 新フリープラン 2倍保障型

前項1の2倍型。150万円の養老保険と150万円の定期保険がセットになっている。支払っている保険料のうち、ほとんどが貯蓄である養老保険の分で、掛け捨ての定期保険の分は少ない。

3 新フリープラン

純粋な養老保険。
注:但し、かんぽ生命の養老保険は契約1.5年経過後から「事故などで死亡した場合には保険金が2倍になる」災害死亡特約という保障が標準的に含まれている。
そのため、支払っている保険料のうち、いくらかはこの災害死亡特約に使われているはず。

4 新フリープラン 短期払込型

養老保険ではあるが、仕払期間を短縮し、なるべく手前で保険料を支払い終えることが出来るプラン。

保険会社からすれば、満期の手前で大きな現金を得ることが出来るので、その分、運用が多少は有利になる。結果、返戻率は少しだけ改善する。

5 かんぽにおまかせ(満期タイプ)

持病などがある方向けの緩和型の養老保険。

契約してから1年間は、万が一のことがあっても保険金が半分に削減される。

保険料も1~2%ほどUPする。

以上、商品概要。

では弱点(デメリット)の解説にうつる。




弱点1 逆ザヤ

まあ、既に文中で述べたが、満期金が支払った保険料総額「以下」となるため、契約者からすれば逆ザヤとなる。

率直に言って、逆ザヤになってまで本商品を選ぶ理由はない。

弱点2 かんぽ生命の体質

昨今、色々と問題が多い。

詳細は、保険会社総論を参照のこと

この商品の弱点、こう考えろ!!(解決策)

田舎にお住まいで、郵便局の局員と濃厚な関係にあり

「保険会社はかんぽ一択!!」

というような律儀な方でも、今どき、この商品に入る人もいないだろう。

同じかんぽでも、まだ終身保険の方がマシかな、という気がする。(終身保険も一つ星だが)

参考コラム:「お付き合い保険」の断り方と「お付き合い保険」に入るメリット

ただ、法人向けの福利厚生プラン用の養老保険としては、未だにちらほら見かける。

逆ザヤの養老なんてやめて、他社に切り替えれば良いものを・・・とも思うが、かんぽ生命では、福利厚生導入時に「規定」を用意しており、そこに

・全社員でかんぽ生命の養老保険に入る

などと記載されているため、この規定がネックになって切り替え出来ないと「思い込んでいる」方が多い。

実際には「かんぽ生命」の一文を「会社指定の保険会社」と書き換えれば良いだけ。

全くメリットのない商品なので、ダラダラ続けずに、新たに加入する社員分からは新しい保険会社に切り替えた方が良い。

参考コラム:全員加入の養老の保険料を1/2損金で落とす!!の「落とし穴」




 

付けるべき特約!!

なし

付けても良いかも?な特約!!

なし

付ける必要なし、な特約!!(総合医療保障)

医療保険をオプションとしてつけることが出来るが、やめておいた方が良い。

まず、単体の医療保険として見て「保険料高く」、「保障内容大したことない」ということで、他に良い医療保険はいくらでもある。

また、養老保険とセットにしてしまうと、あくまで養老保険がメイン、医療保険はサブとなるため、何かしらの事情で養老保険を解約すると、同時に医療保険も強制的に解約されてしまう。

例えば、病気や事故などで働けなくなり、収入が減ったため

「貯蓄(養老保険)どころではない」

というような状況になったような場合、養老を解約すると、それにセットされていた医療保険も解約されてしまう。

しかし、「病気で働けない」ような状況なのだから、医療保険だけは残しておきたい。

と、言ってもそれは仕組み上無理。

こんなことも想定されることから、貯蓄と医療は分けておいた方が無難。

口コミ・評判(販売側から)

・なし

謝礼Amazonギフトカード300円!! アナタの口コミ教えて下さい!!
保険会社勤務、代理店勤務の方でも、販売現場の情報や、当サイトで指摘していない弱点(デメリット)などには謝礼(amazonカード300円)をお支払い致します。

口コミ・評判(契約者から)

・なし

比較検討した方が良い商品

今どき養老保険など入らない方が良い。

保険で貯蓄をしたのであれば、変額保険やドル建の保険などを検討すること。

変額保険一覧

外貨建保険一覧

なお、法人向けの福利厚生でかんぽ生命の養老保険を使っているのであれば、オリックス、ジブラルタあたりの方が、まだ返戻率は良い。

オリックス生命 養老保険 ★★★☆☆

編集後記

約款