この保険の弱点はここだ!チューリッヒ生命「終身治療保険プレミアムDX」

提供会社:チューリッヒ生命

商品名:終身医療プレミアムDX

この保険の弱点はここだ!!

参考コラム:
医療保険の検討ってどうすれば良いの?と迷ったら

『医療保険。こう考えれば、スッキリ決められる!』
をご覧いただきたい。

面白い商品。

だが、「ちょっと一般の人んは理解されないだろうなぁ」という感じで、ネットや通販などでは「そこまでは売れない」と思う。

そのため2022年3月31日をもってネット、郵送申し込みは終了してしまった。

ただサイトには「加入を希望される方はカスタマーセンターまで」とあるので、おそらく今でも商品を取り扱っている保険ショップなどを案内してくれるのだろう。

と言うことで、本商品は対面で営業マンが熱意をもって説明しないと、なかなか良さが伝わってこない。

基本的には長期入院に強い商品で、逆に短期入院に弱い。

そのあたりは弱点で触れるとして、まずは商品概要を解説しよう。

なお、同社には過去に「終身『医療』保険プレミアムDX」という商品があり(現在は販売停止)、今は終身医療保険プレミアムZシリーズとして継承されている。

終身医療保険プレミアムZ/プレミアムZ Lady ★★★★☆

本商品の商品名は「終身『治療』保険プレミアムDX」だが、過去の商品名と酷似しており、何ともややこしい。

「プレミアム」と「DX」しか単語知らねーのかよ!!と文句を言いたくなるが、まあ、それは良い。

さて、本商品は

・「入院」
・「手術」
・「放射線治療」
・「通院」
・「在宅医療」

の「どれか」を受けた場合、1ヵ月あたりいくら、という形で給付金が受け取れる。

給付金は、加入時に10万円、15万円、20万円から選択するのだが、ここでは10万円を例に説明したい。

但し、この10万円は「最高額」であり、その月に受けた治療の内容によって変化する。

実際の例は以下の通り。

・入院 10万円

・手術 Ⅰ型とⅡ型がある
Ⅰ型の場合、入院中なら20万円(2.0倍)、外来なら5万円(0.5倍)
Ⅱ型の場合、入院中なら20万円(1.0倍)、外来なら5万円(0.5倍)

・放射線治療 上記手術と同じ(Ⅰ、Ⅱ型がある)

・通院 2万円(0.2倍)
但し、入院の原因となった病気や怪我の治療の通院に限る
また、入院した月の前月、前々月、及び、退院した翌月から24ヵ月以内に限る
かつ(and)、同一月内に2回以上通院した場合が対象

 注!!以下のような場合は対象外!!
ー 風邪、インフルエンザで通院(入院を伴っていないため)
- 退院後、予後のチェックのため1回だけ通院(月に2回以上通院していないため)

・在宅医療 2万円(0.2倍)
上記通院と同じルール
但し、入院の原因となった病気や怪我に関する在宅療養に限る
また、入院した月の前月、前々月、及び、退院した翌月から24ヵ月以内に限る
かつ(and)、同一月内に2回以上通院した場合が対象

以上のルールに基づいて、毎月の給付金を計算するのだが、例えばある月に入院をして手術をして、その後、退院して通院したとしても

入院 10万円 + 手術 10万円 + 通院 2万円 で合計22万円・・・

「とはならない!!」ので気を付けて欲しい。

この場合、最も高額なのは入院10万円か手術10万円なので、この月の給付は「10万円」となる。

同じような事例で、同一月内に「在宅療養2万円」と「通院2万円」をしたとしても、受け取れるのは2万円だけ。

要は「色々な治療を受けても、その中のどれが一つ、最も高額なものだけが対象」ということ。

なお、入院、手術、放射線治療は120ヵ月まで対象、通院、在宅療養は60ヵ月まで対象となっている。

また、特約(オプション)として

・先進医療

・払込免除

・女性総合疾病治療(女性特有の病気や不妊治療の場合、受け取れる給付金が上乗せされる)

・収入サポート(短期、長期の就業不能状態:障害等級2級以上が対象)

などが選択可能。

以上、商品概要。

では弱点の話に移ろう。




弱点1 短期入院に弱い

まあ、これが最大の弱点だろう。

本商品はどんな治療を受けても、「その月に最高金額のもの」だけしか支払い対象にならないので、月単位で見ればさほどの金額にはならない。

例えば、通常の日額タイプの医療保険であれば、治療ごとに「積上げ方式」なので、

10日間入院して手術をして、その後通院(3回)した」

といようなケースでは、

・入院給付金 5,000円 × 10日間 5万円
・手術給付金 20万円(手術給付金 40倍の場合)
・通院給付金 2,500円 × 3回 7,500円

合計 257,500円が受け取れる。

しかし、本商品の場合、入院の10万円だけ。

短期入院には圧倒的に弱い。

そういう意味では「短期入院に強い!!」と謳う医療保険が増えている現状では、時代に逆行していると言うか、なかなか理解されにくいだろう。

そのため、冒頭でも「ネットじゃ売れないんじゃない?」と申し上げたのだが、しかし悪い商品ではない。

逆に「長期入院に強い」からだ。

本商品は入院している限り120ヵ月も給付金を受け取れる。

120ヵ月は約10年。

例えば、高齢になって死ぬ間際などになると、下手すれば2年も3年も入院しっぱなしということもあり得る。

そのような場合でも本商品ならずっと給付対象なので、経済的にはかなり助かるだろう。

これに対し、通常の医療保険の場合、60日や120日など1回の入院あたりの「上限」がある。

この上限を撤廃するための「3大疾病無制限特約、7大疾病無制限特約」というようなオプションもあるのだが、これは「がん、脳、心臓(3大疾病)」で入院した場合に限るので万能ではない(7大はさらに腎、肝臓、糖尿病などが加わる:会社によって対象は異なる)

本商品の場合、病気や怪我の種類は問わないので、とにかく入院していれば10万円が給付されるので、真の意味での長期入院に対応した保険と言える。

入院が短期化していることは事実だが、かと言って長期入院がなくなったわけではないし、本当に怖いのは長期入院である。

また、この長期入院は人生の再終幕で訪れることが多い。

本商品は「そんな時」に役に立つ保険なのだが、うーん、残念ながら「分かりにくい」

はっきり言えば「ピンと来ない人」が多いだろう。

若いうちから、人生のラストのために保険に入るようなもので、なかなか想像しにくいというのが本音ではないか?

と言うことで、保険の営業マンが膝を突き合わせて、この保険の良さを懇々と説得し、かつ聞いている方も「長期入院こそリスク」ということを理解出来る頭の良くさがないといけないので、販売という面では難しい商品と言える。

弱点2 保険料高め

本商品は、最長120ヵ月も支払う「可能性」があるので、保険会社としてもあまり安売りは出来ない。

・30歳
・基準給付月額 10万円(給付金倍率Ⅱ型 手術時10万円)

の場合で、男性3,760円、女性4,150円と、なかなか強気の保険料となっている。

先に挙げた「分かりにくさ」と「高めの保険料」

「まあ、言ってることは分かるんだけど、まだ若いし、とりあえず安い医療保険で良いかな・・・」

と考えてしまう人が多いだろう。




この保険の弱点、こう考えろ!!(解決策)

当サイトでも、繰り返し

・短期入院であればそこまで金はからない

・多少給付金を受け取れれば、自分の貯金でなんとかなる

・しかし、長期入院はそうはいかない

・これこそ最大のリスク

と解説しているので、それに賛同される方にとっては、良い商品だと思う。

それでも「短期入院で沢山お金が欲しい」と、目先の利益に釣られてしまうのも人の心理であり、その点、本商品に「入れる人」は相当賢い方だと思う。

参考コラム:
医療保険の検討ってどうすれば良いの?と迷ったら

『医療保険。こう考えれば、スッキリ決められる!』
をご覧いただきたい。

他社の医療保険の☆評価一覧は、コチラ

商品の構成について

・基準給付月額 10万円、15万円、20万円から選択

・手術給付金、放射線治療給付金の給付金がかわるⅠ型、Ⅱ型から選択

・払込方法は10年、55歳払済・60歳払済・65歳払済・70歳払済・75歳払済、終身払から選択可能

付けるべき特約!!(先進医療)

先進医療特約

保険適用外の先進医療や、患者申出療養を受けた場合、通算2,000万円までの実費を保障。

保険料も安いので付けておいた方が無難。

参考コラム:先進医療特約は「終身型」を選びなさい!!

付けても良いかも!!な特約(女性総合、3大疾病払込免除)

不妊治療保障付女性総合疾病治療特約

女性特有の病気や不妊治療の際に、給付金が「上乗せ」される。

不妊治療の場合、入院給付金と同額(1.0倍)、入院、手術、放射線治療などは0.5倍上乗せ、通院、在胎療養は0.1倍の上乗せ。

女性特有の病気だからと言って、特別にお金がかかるわけでもないが、予算に余裕があるなら付けておいても良い。

参考コラム:特約考察!!女性疾病は必要か?

3大疾病保険料払込免除特約

がんと診断された、または急性心筋梗塞、脳卒中のいずれかを発病し、その治療を直接の目的とする入院を開始されたときに以後の保険料が免除される。

医療保険の保険料自体、さほど高額でもないので、それが免除された程度で生活の何が変わるわけでもないが、好きな人は好き。

ご自由に、という感じ。

参考コラム:保険に「払込免除特約」は必要か?

収入サポート特約

短期保障と長期保障に分かれており、短期の場合「同一月内に10日以上の自宅療養」で支払い対象。但し、半額(50%)のみの給付

長期は障害等級2級以上で支払い対象。

本特約は、同社の就業不能保険「くらすプラスZ」をオプション化したもの。

保障の詳細は以下を確認して欲しい。

チューリッヒ生命 くらすプラスZ ★★☆☆☆




付ける必要なし!!な特約

なし

口コミ・評判(販売側から)

なし

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保険会社勤務、代理店勤務の方でも、販売現場の情報や、当サイトで指摘していない弱点(デメリット)などには謝礼(amazonカード300円)をお支払い致します。

口コミ・評判(契約者から)

40代 男性 独身

保険の〇〇(保険ショップ)で加入しました。

親が入ってくれていた県民共済が既にあったのですが、叔父が脳梗塞で半年以上入院したのをきっかけに長期入院のリスクを認識し、色々調べていたところこの商品を知りました。窓口の方もこの商品の対して高評価で、「ホントに大変な時に役に立ちます」という話でした。

まだ使ったことはないのですが、基本的には長期入院はこの保険をベースにして、短期的な入院は共済でまかないと思っています。

検討した方がいい他社商品

本商品は変わった仕様なので、全く同じようなものは他社では見当たらない。

当サイトで高評価の医療保険は以下の通り。

アクサダイレクト生命 アクサダイレクトの終身医療 ★★★★☆

アフラック 医療保険EVER Prime プラス ★★★★☆

イオン・アリアンツ生命 元気パスポート ★★★★☆

オリックス生命 CURE Next/CURE Lady Next ★★★★☆

SOMPOひまわり生命 健康をサポートする医療保険 健康のお守り ★★★★☆

なないろ生命 なないろメディカル礎 ★★★★☆

メットライフ生命  マイフレキシィ ★★★★☆

メディケア生命 新メディフィットA ★★★★☆

楽天生命 医療保険1095α ★★★★☆

参考コラム:
医療保険の検討ってどうすれば良いの?と迷ったら

『医療保険。こう考えれば、スッキリ決められる!』
をご覧いただきたい。

他社の医療保険の☆評価一覧は、コチラ

編集後記

約款

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