提供会社:日本生命
商品名:認知症サポートプラス(認知症保障保険)
この保険の弱点はここだ!!
同社の看板商品である「みらいのカタチ」を形成するパーツの一つという位置づけの商品だが、これ単体で加入することも出来る。
認知症のリスクをカバーする保険。
商品の内容としては、
・所定の認知症になった時に一時金が受け取れる
・軽度認知症の状態でも一時金の10%が受け取れる
・死亡時には一時金の10%が受け取れる
というもの。
なお、所定の認知症とは「器質性認知症」を指す。(以下、約款 別表47に詳しい)
器質性認知症とは、時間、空間などの認識が出来ない状態で「かなりすすんだ認知症」だと思えば分かりやすい。
参考コラム:認知症の基礎。器質性認知症、見当識障害、MCIとはどんな状況?
そのため「認知症と診断された」という程度では一時金は受け取れないのだが、認知症の保険の支払い条件としてはわりと一般的なもの。
なお、本商品ではそこまで重度にならずとも、軽度で一時金の10%を支払う仕様にしている。
軽度の認知症 → 一時金の10%を受け取る
その後、重度に進行 → 一時金の残金90%を受け取る
商品としては「他社でもよくある仕様」であり、これと言った特徴はない。
保険料はやや高いかな?という印象。
但し、日本生命自体「日本一の巨大生保」というブランド力もあるため、基本的にどの商品も高めでもあるので、これは仕方がないこと。
なお、そもそも論になってしまうが、筆者自身、認知症保険については「必要ない」と思っている。
そのあたりは、以下のコラムで述べているのでご参照頂きたい。
参考コラム:認知症保険は「原則」必要ない
本商品は、50代、60代の方に提案されることが多いようだが(若い人に提案してもピンと来ないため)、保険でどうこうというよりは、自分でしっかり貯蓄をしておいた方が良いだろう。
以上のことから、一つ星評価とした。
この商品の弱点、こう考えろ!!(解決策)
筆者自身、認知症の父の介護を10年ほど経験したので、不安な気持ちは分かるし、介護、認知症の現実も知っている。
だがそれでも前項でも述べた通り、筆者は認知症リスクを保険でカバーすることには否定的である。
まず、発生確率。
男性の1/3、女性の1/2が人生の最終盤で介護を必要とするが、その中で認知症の割合は5~7割程度とされている(統計などによって異なる)
つまり、男性の場合、1/3の5~7割なので6人に1人、もしくは4人に1人が認知症。
女性の場合、1/2の5~7割なので4人に1人か、3人に1人。
このデータを見れば
「可能性が高い」
ということを否定する方はいないだろう。
だが、反面、ならない人も多い。
当たり前のことを言えば、介護、認知症系の保険は「なれば得」、「ならなければ損」であるので、認知症、介護については得する可能性も、損する可能性も高いとうこと。
であるならば、保険にかけるコストを自分で貯めておいても良いのではないだろうか?
もしくは、保険に入るにしても貯蓄型(介護や認知症になるか、もしなならなくても死亡すれば支払った以上の保険金が戻ってくる)であれば、まだマシかな?という気がする。
商品については、本文の最終項「比較検討した方が良い商品」に掲載しているので参考にして欲しい。
次に精神的な話。
私自身、介護を経験したが、正直な話「お金の問題でもないよね・・・」という気がしている。
もちろんあるに越したことはないが、日本の公的介護保険制度はかなり手厚いので、そこまでお金をかけなくても、それなりのサービスは受けられる。
また、こんなことを言ってしまうと元も子もないが、
本人は何も分からない状態
でもあるので、必要以上にお金をかけたところで、それは単に周りの自己満足なのかな?という気もしている。
更に言えば「ボケ方」にもよる。
ここでは敢えて「ボケる」という表現を使うが、認知症でも穏やかな「ボケ」と、激しい「ボケ」がある。
穏やかであれば、公的介護保険の安いサービスも使いやすいが、激しい方、例えば暴力的であったり、暴言が酷いなどの状態であれば拒否されてしまう。
こうなると「金のある、なし」は関係ない。
金があってもダメなものはダメで、どんなサービスの利用も拒否され、最後は家族でも面倒が見きれず、病院でグルグル巻きの拘束状態で人生を終える。
これが「金の問題ではない」という理由。
介護も認知症も選べないし、仮に認知症になったとしても、ボケ方も選べない。
要は死に方は自分では決められないということで、であるならば、そんな「予想不可能」なことを心配して、老後の大事なお金を保険などに使わない方が良い。
それが筆者の考え方。
ここまで来ると「死生観」の問題でもあるが、皆さん一生懸命生きてきたのだから、もし最後が惨めであっても「まあしょうがないじゃないか」と。
その局面で多少の金があったところで、抜本的には何の解決にもならない。
丁半博徒のような掛け捨ての認知症保険に入るのではなく、まず身体が動くうちは、使えるお金の範囲でやりたいことやって、同時に運用で資産を増やす努力をする。(貯蓄型の介護保険などはその一環でもある)
その方が良いかと思う。
口コミ・評判(販売側から)
なし
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編集後記: