この保険の弱点はここだ!アフラック「しっかり頼れる介護保険」

提供会社:アフラック
格付け S&P A+

商品名:しっかり頼れる介護保険

 

この保険の弱点はここだ!!

本商品の解説に入る前に、民間の介護保険を検討されている方は、まずは以下の総論をお読み頂きたい。

参考コラム:民間の介護保険は必要か?「介護保険の考え方」

さて、では商品の分析をしていきたい。

まず結論から言えば、

「この商品に入るくらいなら、自分で貯めておいた方が良くない?」

ということになる。

そのため、星1つ評価。

本商品の特徴は、介護度によって、一時金や年金の金額が変わる、ということ。

サイトの契約例を見ると、AプランとBプランがあり、

・Aプラン
要介護1で一時金10万円
要介護2で一時金10万円
要介護3で年金額 20万円/年
要介護3で年金額 25万円/年
要介護3で年金額 30万円/年

・Bプラン
要介護1で一時金10万円
要介護2で一時金10万円
要介護3で年金額 10万円/年
要介護3で年金額 20万円/年
要介護3で年金額 30万円/年

となっている。

Aプランは要介護3で20万円、4で25万円、5で30万円と、当初から年金が高いが、Bプランでは3で10万円、4で20万円、5で30万円と、当初は低く、介護度が上がるにつれ、増額幅が増えて行く形。(実際には同社の代理店の営業職員と面談すると、年金額はより細かく設定出来るとのこと)

介護度に応じて年金の金額が変わるというは他社ではあまり見かけない。

しかし、商品としてはシンプルで要介護1,2で一時金、3から年金、4,5で年金が増額というだけ。

では、弱点(デメリット)の話に移る。




弱点1 年金が要介護3から

最近の介護系の商品では、要介護2から年金が出るものもある。(要介護1は一時金だけという商品が多いが)

当サイトで把握している商品は以下の通り(2022年3月時点)

東京海上日動あんしん生命「あんしんねんきん介護R」★★★☆☆

ジブラルタ生命 介護保障付終身保険(低解約返戻金型) ★★☆☆☆

マニュライフ生命 パワーカレンシーシリーズ ★★☆☆☆
注:介護プランにおいて要介護2で支払い

本商品は要介護3からとなっているが、要介護2と3、お金を受け取れるなら出来れば早いほうが良いだろう。

少々話が横道に逸れるが、筆者自身、認知症の父親の介護を10年間したが、その経験から言うと、要介護3は

「ゴール手前の最終コーナー」

という感じ。

もちろん個人差はある。

要介護4,5から10年、なんていう話も耳にするし、そういう方からすれば、要介護3はほんの序章に過ぎない。

だが、一般的には要介護3まで行くと、その先はさほど長くはない。

1つのデータがある。

特別養護老人ホーム(特養)の平均入所期間だ。

これによると3.5年となっている。

特養は原則要介護3以上から入所出来るので、要介護3からの平均余命は?という点から見ると、この平均入所期間3.5年はそれなりに参考になる。

なお、あくまで平均なので、前述の通り、ここから10年以上生きる方もいれば、半年、1年で亡くなる方もいての3.5年だ。

なお、うちの父の場合、要介護1,2が長かった。

認知症なので、身体自体はわりと頑丈で、多少のサポートがあれば散歩くらいは出来る。

そのため、要介護1,2で8年以上を過ごし、要介護3になってからは、あっという間に4まで進み、4のまま病院で亡くなった。
(最後は入院していたので、無理して4→5の審査を受けなった)

逆に1年たらずで要介護3まで進み、そこから長い人もいるので「介護」は本当に人それぞれだと感じる。

話を戻す。

これらの話からすれば、要介護3からは3.5年程度生きることが「平均」なので、この年金も3回か4回しか受け取れないということになる。

で、話は次の弱点につながる。




弱点2 「平均」でほぼトントン

前項の通り、要介護3から3.5年だとすると、実際、この商品に入っている「メリット」はあるのだろうか?

実際の契約例で見てよう。

60歳 男性 Aプラン 年金額30万円 保険料 3,940円

80歳で要介護1、82歳で要介護2、84歳で要介護3、85歳で要介護4、86歳で要介護5、死亡。

そう仮定すると、受け取れる給付金は以下のようになる。

要介護1 10万円(一時金)
要介護2 10万円(一時金)
要介護3 20万円×2年
要介護4 25万円×1年
要介護5 30万円×1年

合計 115万円

対して、60歳から80歳まで、20年間保険料を支払ったとすると、その総額は

3,940円×12ヶ月×20年=約95万円

95万円支払って115万円。20万円ばかり増えてはいるが、そこまで得というような話でもない。

逆に要介護から3.5年ということは、タイミングによっては年金を3回しか受け取れない可能性もある。

そうなると保険料の方が高くなる。

また、別の視点から言えば、これですら「介護になった」場合のシミュレーションである。

当然「介護にならない可能性」もある。

統計上、男性の1/3、女性の1/2が人生の最終幕で介護を必要とするが、逆の言い方をすれば男性2/3、女性1/2は介護を必要としない。ということ。

その場合、完全に払い損である。

60歳で加入して、70歳までに47万円、80歳までに95万円、90歳までなら142万円。

これを捨てることになる。

だったら自分で貯めておいた方が良くない?

冒頭で述べたのは、このこと。

なるかならないか分からない介護に保険料を支払うくらいなら、その分を自分で積み立てておいた方が良い。

少なくとも80歳までに95万円を支払うことを考えれば、本商品の年金3,4年分にはなる。

要介護3からの平均余命が3.5年であることを考えれば、それで十分ではないか?という気もする。

もし介護にならなければ、そのお金は自分の好きなことに使えば良いのだから。

弱点3 10回までしか受け取れない

これは些細な弱点。本商品の年金支給が上限10回

つまり最長10年ということで、10年を超えるような長期介護の場合、それを越えた段階で年金は受け取れない。

だが、相当稀なケースであり、10回分も確保されていれば十分と考えるべきだろう。

ただ他社では終身(生きてる限りずっと)というものもあり、それに比べると劣る。

一応挙げておいた、という程度の話。

この商品の弱点、こう考えろ!!(解決策)

文中でも述べた通り、経済合理性から考えると、本商品に入る理由はない。

ただ、それをもって本商品が「無駄である」と言う気もない。

実際に介護状態になって、更にはそれが長期になることもあり、そのような「長期介護」にこの保険が最大限の効果を発揮することも事実。

あくまで「筆者なら入らない。自分で貯める」と言っているだけで、それを強要するつもりもない。

どうしても長期の介護が心配で、何かしら備えておきたい、ということであれば、本商品は保険料もさほど高くないので、悪い選択ではないと思う。

また、別の心理的な効果もある。

高齢者の方で将来を心配し過ぎた結果、

貯金を使うことに抵抗がある

という方がいる。

数千万円も貯金があるのに、「いつ何があるか分からないから」と過剰に心配して、倹約を心がける。

それ自体、間違ってはいないし、節約することは悪いことではないのだが、それでも老い先短い身。

そこまでやらなくても良いんじゃない?

と思うこともある。

要は将来を心配し過ぎて、今を楽しめていない。ということ。

だったら、月数千円の本商品のようなものに加入して

「介護になったら保険があるから大丈夫!!」

と割り切ってしまうという考え方もアリかもしれない。

どうせ、あの世までお金を持っていくことは出来ない。

介護のことは保険に任せて、残り少ない人生を楽しむ。介護のことを気にせずに手持ちのお金を使う(もちろん計画的に)

介護に「ならなければ」損はしてしまうが、過剰な心配を取り除くという意味「プライスレス」であり、そのような観点から見れば本商品にも意味があるかもしれない。




 

口コミ・評判(販売側から)

・なし

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口コミ・評判(契約者から)

 

検討した方がいい他社商品

ジブラルタ生命 米国ドル建介護保障付終身保険(低解約返戻金型) ★★★☆☆

東京海上日動あんしん生命「あんしんねんきん介護R」★★★☆☆

PGF生命 米国ドル建終身保険(介護タイプ) ★★★☆☆

朝日生命 あんしん介護 ★★☆☆☆

朝日生命 かなえる介護保険 ★★☆☆☆☆

ジブラルタ生命 介護保障付終身保険(低解約返戻金型) ★★☆☆☆

編集後記

約款