保険の検討では、
「どうしても断りにくい」
という場面があります。
本記事では、そのような時の上手な断り方、そして断れないのであれば「こう考えれば良いのでは?」という点について解説しています。
例えばこんな場面、A社の商品とB社の商品を比較し、どう考えてもB社の方が優れているという場合。
このような時、A社の営業マンが昔からの友人だったり、もしくはお世話になっている人(上司、先輩など)の紹介であったりすると、
「なかなか無下に断るわけにもいかない」
という状況になりがちです。
しかし、B社の方が良いと分かっているのに、「お付き合い」だけでA社に毎月保険料を支払っていくことに抵抗を感じる人は多いでしょう。
そのような時、相手の感情を一切気にせず
「今回はA社にします」
とはっきり言えれば良いのですが、残念ながら他人の感情に過剰に配慮する日本の社会ではなかなか難しいでしょう。
はっきり言って、角を立てずに断るには、嘘をつくしかありません。
具体的には
「A社の営業マンが妻の姉」
とか、
「自分の会社がA社から仕事を貰っていて、どうしてもA社に入らないといけない」
など。
つまり、B社の営業マンとの関係性より「更に濃い」関係をでっち上げるのです。
B社の営業マンからしても「まあ、そういうことなら仕方がない」と諦められるくらいの関係性を捏造し、
「本当に申し訳ないけど、今回はA社に」
と言えば、相手も引くしかありません。
なお、この際、電話で話をすると挙動不審になってしまう可能性もあり、更には変に突っ込まれて話がややこしくなることもあるので、出来ればメールやLINEなどがベターです。
あくまでも丁寧な文章で伝えれば、相手も引くでしょう。
あくまで一例ですが、文面としては以下のようなものが良いかと思います。
B生命
X様
お世話になっております、〇〇です。
先日は保険のご提案を頂きありがとうございました。
その後、他社を含め検討させて頂きましたが、大変残念ながら今回はA生命にお世話になることにしました。
商品としては甲乙つけたがったのですが、実はA生命の営業マンが妻の兄(もしくは姉、妹など)でして、
「何とか頼む」
と泣きつかれてしまい・・・・
X様にも大変ご丁寧に色々とご教授頂いたのですが、このような関係性もあり、今回は身内を優先させて頂きました。
また機会がございましたら、その際はお願い出来ればと思っております。
X様の益々のご活躍をお祈り申し上げております。
もしくは、
私が務める株式会社CはA生命から結構な金額のお仕事を頂いておりまして、上司からも「A生命以外はあり得ない」と言われてまして。。。
こんな事情から、これも社会のお付き合いと諦め、腹を括ってA生命に入ることになりました。
こんな文面でも良いかもしれません。
これらを営業マンの公式のメールアドレス(保険会社や代理店など、会社が用意しているアドレス)に送れば、「断った」という履歴にもなります。
このようなプロセスを踏めば、昨今では保険会社もコンプライアンスにうるさく、各社の営業マンは「あまり深追いはするな」と厳重に注意されているため、そこまで食い下がる人は少ないかと思います。
ちなみに、これでも引かない「自分のことしか考えていない」ような営業マンとは、むしろ付き合うべきではありませんし「保険に入る前に本性が分かって良かった」と思って、縁を切るべきです。
しかし、このようなことが通じない場合もあります。
B社の営業マンが、本当に仲の良い学生時代の友人であったり、もしくは元上司や元部下、更にはリアルな取引先から紹介されて「何か付き合って、1本入ってあげてくれ」と言われるようなケースです。
「どう考えても断れない」
という状況ですね。
こんな時には、もう入るしかありません。
人間関係の「コスト」だと割り切って、スパッと入るべきです。
むしろ、ここでゴチャゴチャ言えば、あなたの評価を下げることになるので、むしろ気持ちよく入ってあげた方が良いでしょう。
なお、筆者も保険の営業マンとして、過去、同じような場面に遭遇しましたが(私のお客様が先輩で、後輩を紹介された、など)、はっきり言って、ここでサッと入れるような人の方が、その後、成功していることが多いです。
先輩の言われたことに「はい」と答える方が、上からも可愛がられますし、そういう人間の方が周囲に人が集まってくるからでしょう。
そういう意味では、「お付き合いで入る」ことは悪いことばかりではありません。
商品のスペックが劣っていたり、保険料が高かったとしても、それに入ることによって、誰かの面子を立てて、「貸し」が作れるわけです。
「どうせ払うなら、少しでも良い商品に」
そう思うのは人間の心理として当然ですが、率直に言って保険の比較はかなり難しいので、素人には判断がつかない部分もあります。
また、今の保険のマーケットでは各社がしのぎを削って商品開発をしているわけですから、「あからさまに悪い商品」というのも、実はそれほどありません。(中にはいくつかありますが)
筆者自身、「お付き合い」で保険に入ることをお勧めしているわけではありませんが、
「どうせどこで入っても大差ないだろう」
と考え、人間関係だけで保険に入るような人の方が豪快ではあり、そのぶん魅力的な人が多い気はしています。
「保険選び」として、正解ではありませんが、社会人の「生き方」としては、意外とそちらの方が賢いのかも、そう感じることもあります。
あくまで商品のスペックにこだわるか、それとも人間関係にこだわるか。
その方の性格が出ますね。
この記事を読んでいる方が参考になるコラム!!