この保険の弱点はここだ!ジブラルタ生命 ドリーム・ゲート

提供会社:ジブラルタ生命

商品名:ドリーム・ゲート

この保険の弱点はここだ!!

学資保険と終身保険を組み合わせたような商品。

お金を貯めるのか?保障を得るのか?どっちつかずで、中途半端な印象。

特に貯蓄としては「あまり意味がないのでは?」とも思うので、星1つの辛口評価。

商品としては子供向けのドル建の終身保険なのだが、その子が18歳の時、そして19歳、20歳、21歳と計4回、ボーナスを受け取れる。

大学進学に合わせて、18歳の時の「入学時」に死亡保険の15%を、19,20,21歳の時には各5%という配分。

パンフレットに記載されている例を見てみよう。

0歳 女性
死亡保険金:7万ドル
保険料:171.64ドル
払込期間:20歳まで

保障内容としてはシンプル。生まれたばかりの女の子が一生涯7万ドルが保障されるドル建の保険に入ったということ。

しかし、本商品では、以下のタイミングで「ボーナス」が受け取れる。

実態としては返戻金の一部解約のようなイメージだろう。

18歳 10,500ドル(死亡保険金 7万ドルの15%)
19歳 3,500ドル(死亡保険金 7万ドルの5%)
20歳 3,500ドル(同上)
21歳 3,500ドル(同上)

合計 21,000ドル

これに対して、総支払保険料は41,193.60ドル。

つまり、20歳までに41,193.60ドルを支払い、そのうちの約半分21,000ドルは21歳までに分割で受け取っていることになる。

残り約20,193.60ドルで7万ドルの一生涯の保障を買っているようなものだ。

ちなみに、21歳以後も、この保険を解約すれば返戻金がある。

パンフレットには、28歳時の解約で返戻金は「20,900ドル」とある。

20,900ドルは、残額20,193ドルを上回っているので、要は28歳くらいで「ほぼトントン」ということ。

なお、この解約返戻金は遅らせれば遅らせるほど増えるので、35歳、40歳など、解約するタイミング後ろにずれればずれるほど、返戻金も増加する。

また、保障として考えれば死亡時に7万ドルを受け取れるので、20,193.60ドルの3倍強になっている計算。

但し、0歳の女の子が「死亡する」のは90年後、ほぼ一世紀後だろうから、それだけ運用期間があれば、2万ドルだって7万ドルになるだろう。

そういう意味では、「こんなもんじゃないの?」という感じ。

以上が商品概要。

では、弱点。




弱点1 貯蓄商品として弱い

先ほど述べた通り、保障としては「まあまあ」だが、貯蓄としては弱い。

元本を回収できるのが28歳(0歳で加入した場合)なので、ドル建にしても随分時間がかかる。

通常、ドル建の保険を「学資保険代わり」に使う場合、10年で払いきる「10年払」というものを使うことが多い。

これを父親や母親が加入すれば、その方の年齢にもよるが、大学進学の18年後には110%程度には増えている。

もちろん、これはそもそも保険の対象者(被保険者)が違う。

本商品は子供自身が保険の対象だが、一般的にはお父さんやお母さんを対象にする。

その方が返戻率が高いからだ。

また、子供に万が一のことがあった時よりも、一家の大黒柱に何かあった時の方が経済的に大変なので、そちらが保険に入っている方が理に適っている。

・運用利率も高い

・保険の対象者が親(死亡時には保険金が受け取れるので、それが学資にもなる)

以上のことから、学資保険代わりに外貨建商品を選ぶなら、「ドル建終身10年払を親名義で入る」方が良い。

しかし、学資としてドル建に入ると、今度は為替リスクがある。

大学進学時など「使いたい時」に為替レートがどうなっているか分からないからだ。

例えば、その時に1ドル90円など、「超円高」になってしまえば、ドルベースでは多少増えていても、円に戻したタイミングで損をする可能性もある。

なお、このあたりのことは下記コラムに詳しいので、ご参照頂きたい。

参考コラム:学資保険はこう考えろ!!

為替リスクもあるため、ドル建の資産を学資として完全にあてにしてしまうことは、やや危険ではあるのだが、それでも利率が高いのは魅力である。

さて、ここではひとまず為替リスクのことを置いておいて、「学資をドルで貯める」と決めたとしよう。

しかし本商品は、親名義で入る通常のドル建に負けてしまっている。

そうなると「貯蓄」として本商品を選ぶ理由はないであろう。

しかし、これは次項で述べる「保険」の部分を理解すると、より「魅力がない」ということが分かる。




弱点2 保障として見ても普通、そうなると・・・

先ほど、「この保険はボーナス受取後は20,193.60ドルで7万ドルを保障を買っているようなものだ」と説明した。

だが、この保険料は安いのだろうか?高いのだろうか?

同じく、ジブラルタ生命の「通常」のドル建保険で見積もってみよう。

0歳の女の子が7万ドルの保険に入った場合、10年払で保険料は158.20ドルとなる。

10年間で20,407.60ドル支払う計算。

本商品では20,193.60ドルなので、ほぼ同じだ。

つまり0歳 女の子の7万ドルの保険料は2万ドル程度が「相場」なのである。

そうなると、本商品は以下のように「分解」できる

1 総支払保険料は41,193.60ドル

2 そのうち21,000ドルを18、19、20、21歳の4回のボーナスで受け取る

3 残額20,193.60ドルで7万ドルの保障を得る

3の部分を単体で入るとしたら、先の通り20,407.60ドルなので、3の部分はそれに比べれば200ドルほど安いが、まあ、これは誤差の範囲だろう。

本商品は貯蓄と保障で成り立っているので、その保障の部分を引いてしまえば、結局のところ

21,000ドルを自分で貯めて、21,000ドルを自分で受けとっただけ

となる。

一切増えていない、ということ。

これに入るんだったら、子供を7万ドルのドル建保険に入れて、自分でドルを買っていれば良いことになる。

むしろ自分でドル定期預金でもやっている方が、まだ率が良い。

以上のことから、本商品は「何が目的なのか、良く分からんな」というのが筆者の感想。

口コミ・評判(販売側から)

・なし

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保険会社勤務、代理店勤務の方でも、販売現場の情報や、当サイトで指摘していない弱点(デメリット)などには謝礼(amazonカード300円)をお支払い致します。

口コミ・評判(契約者から)

・なし




比較検討した方が良い商品

円建で学資を貯めるなら・・・

ソニー生命 学資保険 ★★★★☆

明治安田生命 つみたて学資 ★★★★☆

JA共済 こども共済 ★★★☆☆

第一生命 こども応援団 Mickey(ミッキー) ★★★☆☆

大樹生命 想いを育む大樹の学資(銀行窓販専用商品) ★★★☆☆

日本生命 ニッセイ学資保険 ★★★☆☆

ドル建で学資を貯めるなら・・・・

ジブラルタ生命 米国ドル建終身保険&米国ドル建終身保険(低解約返戻金型) ★★★★☆

PGF生命 米国ドル建終身保険(基本タイプ) ★★★★☆

メットライフ生命 USドル建終身保険 ドルスマートS ★★★★☆

オリックス生命 米国ドル建終身保険candle(キャンドル) ★★★☆☆

マニュライフ生命 こだわり外貨終身 ★★★☆☆

編集後記

約款