この保険の弱点はここだ!三井住友海上プライマリー生命「通貨選択生存保障重視型個人年金保険」

提供会社:三井住友海上プライマリー生命

商品名:通貨選択生存保障重視型個人年金保険
別名
あしたの、よろこび2:地方銀行、信用金庫など多数
人生応援年金:三井住友銀行、SMBC信託銀行
かなう、よろこび:熊本銀行、十八親和銀行、福岡銀行
つむぐよろこび:三菱UFJ銀行
三井住友プライマリー定額年金:野村證券
Broadway world Ⅲ:三井住友銀行
MARE Ⅲ:三井住友信託銀行
かがやきの架け橋:みずほ銀行
関西みらいFGの みらい、はぐくむ:関西みらい銀行、みなと銀行

この保険の弱点はここだ!!

同社の看板商品。

全国、大小の金融機関で販売されている。

約款上の正式な商品名は「通貨選択生存保障重視型個人年金保険」なのだが、各金融機関ごとに「別ネーム」を名乗っているため、複数の別名がある。

また、各金融機関ごとに微妙に「商品内容」や「出来ること」が異なっているのだが、いちいちそれらを分析してもキリがないので、本稿では「全体像をマルっと」とお伝えしたい。

商品の流れとしては、以下のような感じ。

1 まとまったお金を預ける

2 通貨を「円」、「米ドル」、「豪ドル」から選ぶ

3 通貨や加入年齢などによって、利率が決まる

4 預けたお金の「受け取り方」を以下から選ぶ
 (金融機関によっては選べないコースもある。またコースによって初期手数料を取られるもの、取れないものがある)

 ・受取重視コース  
 ・先取/安心コース
 ・満期充実コース
 ・ターゲットコース

銀行窓販でよくある「何でもできます」的な一時払い商品なのだが、正直、本商品の評価は難しい。(そのため、どちらとも取れる星2つ評価とした)

と言うのも、

・どんなニーズの人が

・どのコースを選ぶのか?

によって、良し悪しが変わるから。

それが分からない状態で、一概に良いとも悪いとも言いにくい。

だが、商品全般としては、そこまで複雑な仕組みもなく、

指定した通貨で、決まった利率で運用するだけ

という内容。

但し、受け取り方がやや複雑で、色々な選択肢があることが、本商品をややこしくしている印象。

では、本商品を検討する上で「知っておいた方が良いこと(弱点)」について解説していきたい。




弱点1 担当者の力量による

既に述べたように本商品は一時払の商品としては間口を広い。

つまり、入口(加入時)も出口(受取)も色々な選択肢があるので、様々なことが出来る。

そのため、

契約者のニーズに沿って、しっかりとした提案を出来るか?

という点が重要。

つまり、窓口で出てくる担当者の力量に左右される。

コミュニケーション能力が低く、いまいち商品の内容も理解できていないような担当者が出てきた場合、本来の目的とは全く違うような契約内容になってしまい、後から

「こんなはずじゃなかった・・・」

というようなことになる可能性もある。

また、契約者側でも「一体何のためにお金を預けるのか?」という点をクリアにしておく必要がある。

例えば、この手の一時払系の商品で良くあるのが、

「ほとんど金利がつかない普通預金にお金を入れておいてももったいない」

というセールストーク。

高齢者に対して、銀行の担当者が「もったいないトーク」を持ちかけ、保険の担当者に話を繋ぎ、そこから一時払系の商品を提案するという流れだ。

余談ながら、正直、預金というのは銀行にとってパワーの源泉である。

本来はこの資金を企業や個人に貸し付けて社会を「回す」ことに使うべきなのだが、昨今の銀行は借りてくれる人もいないし、リスクも取れない、そもそもリスクの算定もできない、ということで金を持て余している。

そこで、自行の重要なパワーである預金を保険会社に差し出し、そこで販売手数料を稼ぐという何とも情けないビジネスをしているのだが、これは

タコが自分の足を食っているようなもの

であり、本来、社会に還元すべき資金を保険会社経由で外貨に変えて、長期間「塩漬け」にしてしまう行為だ。

筆者などは、この現状を「銀行?漬物屋だろ?」と冷笑して見ているが、まあそんなことをしているわけだ。

ただ、同じ「塩漬け」にするにしても、その担当の力の差が出る。

正直なところ、この手の商品に入る人のニーズは

・出来るだけ増やしたい(銀行に置いておいても無駄だから)

・でもリスクは取りなくない

という都合の良いものであることが多い。

であるならば、シンプルに「満期充実コース(◯年と指定して、その期間だけ預ける)」+「100%保障型(死亡しても払った分は戻ってくる)」で良い。

だが、ここに担当者が余計な枝葉を付ける。

「すぐに年金として受け取ることもできますよ!!」

「死亡時に保険金が50%になるオプションがあるんですが、これを付けると将来『もっと』増えますよ!!」

などなど。

要は話を複雑にして、担当者のペースに巻き込んでいるわけだ。

裏の話をすれば、銀行窓口の販売員は、自分なりの「必殺トーク」を持っている者が多く、契約者を自分の型にはめようとする。

契約者と、窓口の担当者では商品の知識量は、1:100くらいの差がある。

で、結果的に本来のニーズとは全然違う、金融機関側のとって都合の良い契約内容になっていることも少なくない。

だが、これ防ぎようがない。

小一時間程度の面談で、相手の人間性まで見抜くことなんてできないし、あまりに知識量に差があるので、その話の内容の良し悪しも判断つかないだろう。

なので、あくまで一つの傾向として言えることとしては「喋りすぎ」、「やたらと早く決めようとする」ような担当者は避けるた方が良い。

じっくり話を聞いてくれて、結論を急がない。そして何を言っているか分かりやすい。このあたりを重視して欲しい。

まあ、それでもコロッとやられてしまうことも多いが・・・・




弱点2 トンチン性はとりあえず避けろ!!

本商品には最近流行りのトンチンが導入されている。

トンチンについては、以下コラム参照のこと。

参考コラム:トンチン型年金とは何か?特徴、背景、デメリット

例えば、50%保障型というものを選択すると、万が一年金開始(満期)までに死亡した場合、支払った金額の50%しか戻ってこない。

つまり大損する。

反面、無事、年金開始まで生きていれば、「他の契約者で50%保障型を選択した人」の分が自分の年金原資に上乗せされる。

つまり長生きした方が得をする勝ち抜けゲーム。

簡単に言えば、契約者同士で「どっちが先に死ぬか?」を賭け、死んだ人の分を生きた人が受け取れるということ。

これを「トンチン性」というのだが、本商品には至るところにこれが導入されている。

通常、生命保険というのは「早く死んだ方が得をする」ように設計されている。

死亡が早ければ早いほど、支払っている保険料も少なく、その割に高額な保険金が受け取れるからだ。

やや言い方は悪いが「死亡=負け」とすれば、早抜けしたもの勝ちとなるのが、保険の本質。

トンチン性はその逆の発想である。

で、本商品に入る場合、原則的には100%保障型を選択した方が良いと考える。

つまり、自分が死ねば元本分は100%戻ってくる。

しかし、他の契約者が死亡した分の上乗せは「ない」ということ。

何を目的に、わざわざ銀行預金を運用商品にするのか?

もちろん増やすこと、だと思うが、この手の商品にお金を預ける人(主に高齢者)の心理としては「損をしないこと」も重要だろう。

窓口の担当者に

「〇〇さんはお元気だから、5年(預けている期間)くらい絶対大丈夫ですよ!!」

などとおだてられても、その口車には載らない方が良い。

高齢者など、いつ何が起こるか分からない。

心臓、脳、感染症などで、簡単にポックリ死んでしまうことも少なくない。

そんな時、自分のお金が減り、見ず知らずの老人の年金原資になると考えれば、欲をかからずに100%保障型を選択しておく方が無難だろう。

もちろん、リスクをとって

「私は50%保障型を選んで、先に死んだ人たちの分も欲しい!!」

というならご自由に。

ただ、そこまでリスクを取れるのであれば、こんな商品ではなく、株式の投資信託でも買った方が良いとは思うが。




この保険の弱点、こう考えろ!!

現状、一時払い商品に入るタイミングとしては「悪くない」とは思う。

まず、米ドル、豪ドルの利率が高いこと。

今後、今以上に上がる可能性は低いので、今のレベルで入れるのなら及第点と言える。

なので「入るなら今かな」と言う気もしている。

ただし、繰り返し述べてきたように本商品は、商品そのものはシンプルなのだが

機能が多すぎる(出来ることが多い)

ので、頭が混乱する。

入るのであれば、出来るだけシンプルに簡単に考えること。

その場だけで納得するのではなく、後から振り返っても自分で「確かこういう仕組みの商品だった」と思い出せる程度にしておいた方が良い。

少なくとも、担当者と3回程度は面談し、一つずつ疑問点を解決していくこと。

また、その銀行だけでなく、保険ショップなども訪れて、同種の商品との比較をした方が良い。

一時払系の商品は、各社、毎月1日と16日に利率を変更する。

例えば2月1日に利率が公表されると、2月1日から2月15日までの申込には、その利率が適用される。

つまり「入るタイミング」で利率が変わり、それが運用期間中ずっと有効ということ。

各社、市場の状況や、ライバルたちの利率を見て月に2回変動させるので、タイミングによっては「利率が高い商品」に出会えることもある。

その点からも、比較検討は必須。

口コミ(販売側から)

なし

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口コミ(契約者から)

なし

比較した方が良い他社商品は?

以下の商品が売れ筋。

当サイトでは「シンプル」&「利率高め」を評価基準としているため、以下商品は内容が分かりやすいものが多い。

ジブラルタ生命 一時払米国ドル建終身保険 ★★★☆☆

ソニー生命 米ドル建一時払終身保険 ★★★☆☆

T&Dフィナンシャル生命 みんなにやさしい年金保険 ★★★☆☆

T&Dフィナンシャル生命 ファイブテン・ワールド2 ★★★☆☆

ニッセイ・ウィルス生命 アットウィル 年金額 ★★★☆☆

プルデンシャル生命 米国ドル建積立利率更改型一時払終身保険 ★★★☆☆

PGF生命 米国ドル建介護終身保険Neo ★★★☆☆
別名:ぬくもり介護US、悠々介護終身US、米国ドル建一時払介護終身PG、介護バリューUS

PGF生命 ドル建一時払終身保険 ★★★☆☆

明治安田生命 米ドル建一時払養老保険 ★★★☆☆

メットライフ生命 サニーガーデンEX ★★★☆☆

編集後記

約款

注:どうでも良いが三井住友海上プライマリーの商品は、約款が非常に見つけにくい。
現役で販売されている商品の約款はサイトに記載されているが、過去の商品は契約者が知る「約款コード」がないと見れない。
約款コードなどいつ紛失してもおかしくないので、仮にそれがないとなると、簡単に約款が見れないということ。
このあたりもユーザーライクとは言い難い。