この保険の弱点はここだ!オリックス生命「がん保険 Wish」

提供会社:オリックス生命

商品名:がん保険 Wish

この保険の弱点はここだ!!

参考コラム:
商品の詳細に入る前に「そもそもがん保険って何?」という方は、
『保険屋の口車に乗る前に読みたい、がんと保険の真実』
をご覧いただきたい。

オリックス生命のがん保険 wishは2021年4月から販売された比較的新しい商品だ。

コンセプトとしては

「現役時代のがんのリスクを安価な保険料で!!」

というもので、商品形態としては「定期タイプのがん保険」に分類される。

まず、「定期タイプ」とは何か?ということを説明したい。

保険には、大きくわけて「定期タイプ」と「終身タイプ」がある。

前者は読んで字の如く「期限が定まっている」という意味で、期間限定の保険。ていき

対して、後者は「身が終わるまで」だから、終身、つまりいつかこの世を去る時までの保険。

従来、がん保険はこの「終身タイプ」が多かった。

定期タイプのがん保険もあるにはあったが、数は少ない(それらの商品は文末の「比較した方が良い商品」に挙げておく)

と言うのも、がん保険は終身と相性が良いからだ。

がん自体は若くてもなる人はいるし、乳がんや白血病などは、20代、30代などで罹患した有名人の話もちらほら聞く。

アナウンサーの小林麻央さんや、水泳選手の池江璃花子さんなどは記憶に新しいだろう。

だが、全体的に見れば、「高齢になってからなる」場合の方が圧倒的に多い

下記の図は、国立がん研究センターが発表している「最新がん統計」から抜粋したものだが、ご覧いただけれれば一目瞭然で、死亡率は60代に上がってから急上昇する。

つまり、若いうちになる可能性もあるものの、大部分は高齢になってから発症する病気だ。

そのため、若い頃でも、歳をとっても「いつでもカバーします」というような終身タイプの方が安心感がある。

そのような事情で、がん保険に関しては各社、終身タイプを販売している。

しかし、冒頭でも述べた通り本商品は定期タイプであり、そのため、10年ごとに契約が更新され、保険料が上がっていく。

では、定期タイプのがん保険はダメなのか?と言われると、実はそうでもない。

筆者自身は、定期タイプのがん保険には肯定的で、もっと色々な商品が出てきても良いのでは?と思っている。

そういう意味では、オリックス生命のようなメジャーどころが、このような商品を出したことは素直に評価している。

定期タイプの最大の魅力は、

保険料が安い

ということ。

例えば、本商品の400万円コースの場合、

・初回のがん     一時金 400万円

・2回目以降のがん   一時金 100万円

という保障内容で、30歳男性で1,839円/月、40歳男性でも2,583円/月という保険料で入れる。

もし、仮にこれを「終身タイプ」で加入した場合、保険料はおそらく30歳でも1万円近く、40歳だと1.5万円くらいになる。

30歳や、40歳で、家族がいて、住宅ローンもあって、というような方には「がん」だけのためにそんなお金を払うことは出来ないだろう。

その点、本商品はピンポイントで大きな「がん保障」を、「現実的な保険料」で用意することが出来る。

実際問題として、30代、40代でがんになるのと、70代、80代でなるのでは、状況はかなり異なる。

若いうちにがんになれば、仕事もあるので、あまり長期間、入院しているわけにもいかない。

しかし、入院期間は残念ながら自分で決められることでもなく、がんの場所や進行度、転移などによっても異なる。

1,2週間で出てこれれば良いが、数ヶ月単位の入院、もしくは退院出来てもすぐに再発、転移などがあり、再入院となると、かなりきつい。

あくまで筆者の経験上の話だが、若いうちは細胞の動きも活発なので、がんの進行も早く、高齢になってからのがんより、性質が悪いことが多い。

筆者自身、40代のお客様を3人、がんで亡くしている。

変な言い方だが、軽度のがん(パッと手術をして、1,2週間で退院)であれば、別にどんながん保険でも良いし、もしくは入っていなかったとしても、経済的にはさほど問題はない。

だが、長期化すると精神的にも、経済的にもきついので、そのような時の400万円は「戦うための軍資金」としては、かなり心強いだろう。

もちろん、その可能性は低い。だからこそ保険料も安いのだが、絶対ならないわけではないし、「なったらガチで最悪」でもある。

そのようなリスクに、2千円前後で対応出来るという点では良いと思っている。

だが、本商品には色々弱点(デメリット)もある。

その点を見ていこう。

弱点1 更新型、将来の保険料はバカ高い

褒めているそばから何だが、本商品は定期タイプで、10年更新であるため、保険料は上がっていく。

例えば、400万円プランの場合、30歳 男性で

30歳 1,839円/月
40歳 2,583円/月
50歳 5,663円/月
60歳 12,543円/月

となっている。

50代、60代ではほぼ「倍々」で上がっていくので、結構な負担となる。

また、本商品は70歳まで、となっており、その後は、契約を終えるか、診査(健康状態のチェック)なしで、終身タイプに移行するが選べるが、終身タイプにすれば保険料は更に上るだろう。

つまり、若い頃は良いのだが、歳をとってからはイマイチということ。

これは、商品のコンセプトが「若いうちのがんのリスクをカバー」することにフォーカスしているので、仕方がないことではある。

これらの解決策については、「この保険の弱点、こう考えろ!」にて解説したい。

弱点2 払込免除は逆にマイナス

本商品には、標準仕様として「払込免除」が含まれているが、これがかなり微妙である。

他社のがん保険では、「がんになったら免除」というようなものが多いが、本商品では

事故や病気を原因として、約款所定の高度障害になった場合

に保険料を免除する、となっている。

約款所定の高度障害とは、両目、もしくは片目が失明した場合や、両手、もしくは片手が動かない、というような状態をさし、障害状態としてはかなり重い部類に入るだろう。

つまり、本流のがんの治療とはあまり関係なく(一応、がんの治療が原因でこのような状態になっても「免除」されるが、実際にはあまり考えにくい)、交通事故などを想定した「免除」となっている。

また、これ以上に問題なのが、免除に関して、以下のような条件があること。

保険料の払込が免除された保険契約については(中略)、定期型から終身型への無選択加入の規定は適用致しません

つまり、保険料は免除するけど、終身タイプへの変更は出来ませんよ、ということ。

例えば、30歳で加入(10年定期タイプ)し、35歳で事故などを原因に障害状態に該当し、払込免除になったとする。

この場合、40歳で更新を迎えるが、保険料の免除はその後も続く。しかし、本商品の保障は70歳までなので、「終身タイプに変更は出来ない」と断言している以上、そこで保障は終わる。

注:約款には、払込免除に該当した後の更新について「その保険料も免除する」とは記載されていなかったが、一般的に10年更新タイプの商品は払込免除になった場合には、その後の更新もされ、更新後も保険料は免除される。もし違っていたら、関係者のどなかたかご指摘頂きたい。

払込免除自体は悪いことではないが、それによって70歳移行、がん保険が「何もない」ということになってしまう。

かつ、免除されているということは、イコール障害をおっているということだから、他社のがん保険にも入れない。

70歳以降は知らん

と言っているようで、この点は不親切に感じる。

そもそも、本商品の払込免除はかなりハードルが高く、これに該当する人など、年に数人だろう。

一生涯面倒見ます。保険料のことは心配しないで下さい。

くらいのことを言っても良いのでは?とも思う。

この保険の弱点、こう考えろ!!

弱点1の「高齢になると保険料バカ高い問題」だが、これは特約部分の保険料を下げればある程度は解決する。

例えば、若い時には、

主契約 がん一時金                      100万円(何度でも)
特約  悪性新生物初回診断一時金 300万円(初回だけの上乗せ)

というプランに入っていたが、50代、60代の更新で保険料が上がってしまった。

このような時には、特約の初回診断一時金を削れば良い。

約款では、主契約の一時金は「削れない」と記載してあるが、一時金の方は削減可能とある。

そのため、歳をとったら

主契約 がん一時金                      100万円(何度でも)
特約  悪性新生物初回診断一時金 100万円(初回だけの上乗せ)

というような内容にしても良い。

これで保険料はかなり軽減出来るだろう。

50代では、昨今の晩婚化の影響で、

子供がまだ小さく、今倒れたらまずい・・・

というような方も多いだろうから、多少無理しても良いがん保険に入っておいた方がベターだが、60代になれば、現役世代ほどの保障は必要ないだろう。

そのような観点から、「歳をとったら保障を減らせば良い」と考えるのが合理的かもしれない。

弱点2については、商品の仕様なので解決策はない。

本商品に加入し、障害状態となって保険料を免除された時には「70歳で終わり」と覚悟を決めるしかない。

なお、本商品とは別に、終身タイプのがん保険に「二重」で入っておけば70歳以降もがんの保障を得られることも出来るのだが、まあ、それはやり過ぎだろう。

そこまで考える必要はない。

なったらなったで仕方ない、程度の考えで良い。

口コミ(販売側から)

・オリックスの久しぶりの新商品ということで、かなり鼻息は荒い。

・保険料が安く、手頃なので、30代の子供あり夫婦などには訴求しやすい。しかし、10年ごとに値段が上がるのがイヤという「アレルギー」がある人も多く、ハマる、ハマらないが明確に分かれる。ハマらない場合、無理して説得するよりは、従来の終身型を案内した方が無難

・10年更新タイプとしては良い商品だと思う。「一時金だけ」というシンプルな構成もわかりやすく、オリックスらしい商品だと思う。

口コミ(契約者から)

・40代後半 女性 独身からの口コミ

加入商品:400万円タイプ

仲の良い友人が胃がん(GISTという珍しいがん)になり、その治療の話などを聞いていて「ああ、私もそういう歳なんだなぁ」と思って、がん保険を検討しました。

知り合いから紹介された保険屋さんから話を聞き、当初は終身タイプが良いかなと思っていたのですが、受け取れるのは毎回100万円+入院1日1万円くらいなので、それに比べるとwishは初回だけですが、一時金が400万円も受け取れることに魅力を感じました。

終身タイプのほぼ4回分の給付なので、それだけあれば大丈夫だろうと。

将来的に保険料は上がりますが、これ以外にも医療保険などにも入っているので、60歳以降は医療保険だけ残そうと思っています。

・30代 男性 既婚/子供ありからの口コミ

加入商品 200万円コース

とにかく保険料が安いこと。かつ、がんになれば200万円を受け取れること。

家を購入したばかりで、出費も多く、なるべく安く、という点では終身より定期の方が自分にはあっている。

また、家の団信も「がんになった時にはローン全額がなくなる」という内容で契約しているので、がん保険はそこまで過剰なものでなくて良いと考えている。

目先の治療費さえ払えば良いので、200万円で十分。

定期タイプはそもそも選択肢が少なく、この商品を含め、3つほどしか紹介されなかったが、その中ではこれが一番バランスが良かった。

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比較した方が良い商品

定期型の更新タイプのがん保険について、当サイトで解説しているのは以下2つ

ソニー生命 がん保険 ★★☆☆☆

アクサ生命 アクサの治療保障のがん保険 マイ・セラピー ★★★☆☆

編集履歴

・2021/5/27 初稿

約款