この保険の弱点はここだ！プルデンシャル生命「特定疾病保障定期保険(法人用)」

提供会社：プルデンシャル生命

商品名：特定疾病保障定期保険(法人用)

ページコンテンツ

この保険の弱点はここだ！！
弱点1　3大疾病と経営リスクはあまり関係ない
この保険の弱点、こう考えろ！！（解決策）
口コミ・評判(販売側から)
口コミ・評判(契約者から)
検討した方がいい他社商品

この保険の弱点はここだ！！

法人用の商品。

・がん　診断のみ（がんです。と言われた対象）

・急性心筋梗塞　60日以上の労働制限

・脳卒中　　　　60日以上の後遺障害

・死亡

に該当した場合、保険金を受け取ることが出来る。

なお、死亡の場合に受け取れる保険金はがんや急性心筋梗塞、脳卒中で受け取れる金額よりかなり少ない額となる。（加入時の年齢、性別、死亡時の年齢などによっても異なる）

このような三大疾病（特定疾病とも言う）の時に保険金を支払う法人向けの商品は、結構色々な会社から販売されているのだが、本商品は「中の中」か「中の下」という感じで、極めて凡庸な印象。

法人保険の場合、保障内容だけでなく、

・どれくらい損金が取れるか？(目先の節税になるか？)

・将来の返戻金がどの程度まで伸びるか？(お金が貯まるか？)

参考コラム：法人保険の「節税」今、昔。原則的に保険で節税は出来ないよ、という話

などの物差しもあるため、なかなか比較が難しいのだが、本商品の保障内容は前述の通り3大疾病＋死亡であり、この点は他社と全く同じ。

年齢、性別にもよるが、保険料はやや高いかな？返戻率もそこまで良くないかな？という感じ。

但し、昨今の法人保険は返戻率が低ければ低いほど、損金性が高くなる（損金が多くなる）ので、本商品はどちらかと言えば「目先の損金」が欲しい経営者が、

「税金払うくらいなら、がんと急性心筋梗塞、脳卒中の保障があるし、お金も貯まるみたいなので入っておくかぁ～」

という感じなのかもしれない。

「あまり売れてはいない」

とは言っていたが、確かに明確な訴求ポイントがないため売りにくいような気もする。

弱点1　3大疾病と経営リスクはあまり関係ない

全否定のような話をして申し訳ないが、筆者の思うところでは、3大疾病が経営にもたらすリスクはさほど高いとは思えない。

もちろん、がん、急性心筋梗塞、脳卒中は死にも直結する重篤な病気ではあるのだが、死亡した場合、本商品では保険金はあまり期待できない。

実質的に「死亡保険金　＝　解約返戻金」と同程度なので、実際に支払った金額以下しか受け取れないからだ。

死亡リスクだけにフォーカスするのであれば、通常の定期保険などの方が良い。

で、逆に「助かった場合」だが、がんであれば7、8割は「切ってすぐに職場復帰できる」ので、別に保険金がなくても良いんじゃない？という感じ。

2，3割は長期間の治療が必要であったり、入退院を繰り返すような「なかなか辛いケース」に該当してしまうが、経営者であれば仮に出社が出来なくても、メールや電話などで社内の指揮は出来るわけで、頭さえしっかりしていれば、がん＝業績悪化とはならない。（個人事業主や社員数人の会社は除く）

急性心筋梗塞も同様で、こちらはがんより回復が早い。

詰まった部分を通せば、その瞬間によくなるので、1週間程度で退院してしまうことがほとんど。

その点、本商品の支払条件は「急性心筋梗塞で60日以上の労働制限」とあるので、そもそもこの条件をクリアするのが難しい。

唯一、有効なのは脳卒中くらいかな？という気がする。

脳卒中になり、重い後遺障害が残った場合、実際には経営の最前線に戻ることは事実上難しいだろう。

言い方は悪いが、こうなると「死亡」と同等程度のトラブルと考えるべきで、このような時には本商品で入ってきた保険金で経営的には「一息つける」かもしれない。

筆者の法人のお客様でも、がん、急性心筋梗塞、脳卒中などに罹患した方は多いが、実際にそれで経営が傾いた、ということもないので、正直、本商品のようなもので、お金をを用意するよりは、普段から「何かあったら誰が業務を代行するのか？」、「後継者は誰か？」というように、経営者が不在でもしばらくは業務が回るようにしておく体制作りの方が大事な気がする。