この保険の弱点はここだ!明治安田生命「認知症ケアMCIプラス」

提供会社:明治安田生命

商品名:認知症ケアMCIプラス

この保険の弱点はここだ!!

参考コラム:
介護保険の基礎を学びたい方は、まず

『民間の介護保険は必要か?「介護保険の考え方」』
『介護付き終身保険のメリット・デメリット』
をご覧いただきたい。

それでは、この商品の弱点について解説をしていこう。

明治生命の介護系商品「認知症ケアMCIプラス」

明治安田生命には、これとは別に「介護のささえ」という商品もある。(解説はコチラ)

「介護のささえ」は要介護3から支払い対象となる商品で、他社の介護系の商品が要介護2から給付されるのと比較すると、条件面で劣っていた。
(要介護2より要介護3の方が「症状が重い」、つまり、かなり症状が進まないと受け取れない)

そのような状況にあって、このMCIプラスは他社を上回る、

「要介護1から給付する」

という条件を提示した意欲作ともいえる。

なお、本商品の中核をなすのは、あくまで医療保険。

元々明治安田が販売していた

「一時金給付型終身医療保険(解説はコチラ)」

という商品に、今回、新たに介護系の特約(オプション)を開発して、

認知症ケアMCIプラス

という商品に仕立て直している。

MCIとは軽度認知障害のことで、医学的な専門用語だが、それをそのまま商品名に使用しているところが面白い。

軽度認知障害(MCI)は、分かりやすく言えば

「最近、お父さん(もしくはお母さん)ちょっとおかしいよね?・・・(物忘れや行動など)」

と周りが思い始めるくらいのレベルで、一般家庭で言えば、子供たちが「病院に行け!!」と言っているのに本人は「行かない!!」と駄々をこねているような状況。

いよいよ始まったかな・・・という感じ。

要はそんな「初期段階の認知症からお支払いしますよ。」というアピールを込めてMCIという単語を採用したのだろう。

商品構成としては、メインとなる医療保険に、以下の2つの特約を付ける形。

1 軽度認知障害終身保障
2 認知症終身保障

まずは軽度認知障害終身保障の方から説明しよう。

この保障は、

・器質性認知症と診断される

もしくは(or)

・軽度認知障害(MCI)と診断される

どちらかに該当した時に給付される。

金額は一時金として10~100万円。加入時に自身で設定する。

当然、受け取れる金額が大きくなればなるど保険料が上がる。

この認知症のごくごく初期段階の保障に対して給付することをもって「MCI」と銘打っている。

とは言え、この段階での給付金は小さく、実際のところそれほど役に立つ保障ではなさそうだ。

次に、認知症終身保障について

こちらは、少々ハードルが上がる。

契約から2年経過後に、次のいずれに該当したときに一時金が受け取れる。

・器質性認知症と診断

かつ(and)

・要介護1以上と認定

認知症になり、要介護1に認定。両方を満たす必要がある。

もやはMCIと言えるレベルではない。

だが、これでも他社に比べ「かなりハードルが低い」と言える。

冒頭でも述べた通り、他社では要介護2以上というのが標準的なので、要介護1で(更に認知症と診断されている必要はあるが)で保険金が受け取れるのは他社より条件が良い。

筆者自身も親の介護の経験があるが、要介護1など、後から振り返れば、

「入口の入り口」

という感じ。

ただ、その時点で、まとまったお金を受け取れるのはありがたい。

介護を行う配偶者(夫や妻)、もしくは子からすれば、これからいつまで続くか分からない介護生活の「軍資金」を得たようなもの。

腹が減っては戦は出来ぬ。と言うが、介護も同じ。

気合や愛情だけでは「長丁場」は乗り切れない。

戦の中期(要介護2や3)で兵糧を受け取るより、戦の初戦(要介護1)にそれを受け取る方が計画が立てやすいのではないか?

そういう意味では本商品は素晴らしい。

が・・・残念ながら弱点はある。

 

参考コラム:
介護保険の基礎を学びたい方は、まず

『民間の介護保険は必要か?「介護保険の考え方」』
『介護付き終身保険のメリット・デメリット』
をご覧いただきたい。

他社の介護保険の☆評価一覧は、コチラ




弱点1 介護系の特約は「お値打ち品」しかし、メインの医療保険とセットにすると・・・

本商品はメイン(主契約)の医療保険とオプション(特約)の介護系特約のセットであることは既に述べたが、オプションの介護の部分に関して言えば、相当な「お値打ち品」だと思う。

あくまで筆者の個人的な見解だが、この部分においては明治安田の儲けはほぼないのではないか?

実際の例を挙げて見てみよう。

要介護1&認知症診断で受け取れる「認知症終身保障」だが、保険金額300万円の場合、保険料は以下のようになる。
注:あくまで特約部分だけの保険料。当サイト調べであるため、正確には数十円、数円ずれる可能性もある。

男性60歳 4,308円/月
女性60歳 5,796円/月

この保険料を負担していれば、先の条件に該当した時に300万円を受け取れる。

では実際に保険金を受け取れる人はどれくらいいるのだろうか?

言い換えれば「介護のお世話になる人」の確率だが、統計上、男性の1/3(33%)、女性の1/2(50%)とされる。

男性は認知症になる前に心臓や脳、がんなどで亡くなってしまう人の方が多い。

それに対し、女性は全体的に長生きなので、認知症に至る確率が上がるんのである。

つまり、この保険に加入している人も男性1/3、女性1/2が保険金を受け取ることになるだろう。

ここでは仮に「平均、80歳で受け取る」としよう。

先の例で言えば、60歳で加入し、80歳まで「20年間」保険料を負担していたことになり、80歳までの総支払保険料は、

男性 約103万円
女性 約139万円

となる。

男性3人がいて、そのうちの1人が300万円を受け取る。

男性3人分の80歳までの総支払保険料は309万円(103万円×3人分)

保険会社としては、309万円を集めても、そのうち300万円を「1人」に支払うので、ほぼトントン。

女性に関しては、2人に1人なので、139万円×2人分=278万円しか集めていないのに300万円を支払う。
(おそらく女性の場合、要介護1になるのはもうちょっと高齢、つまりより保険料が積みあがってからなのだろう)

ざっとシミュレーションしただけでも、保険会社としての利ザヤがない。

そういう意味では、胴元(保険会社)に余計なコストを取られていない分、本商品は「お値打ち品」ということになる。

しかし、この介護系の特約はこれ単体では入れない。

医療保険とセットにする必要がある。

この医療保険は別の商品名「一時金給付型終身医療保険」としても販売されていて、当サイトでも以前解説している。

この保険の弱点はここだ!明治安田生命「一時金給付型終身医療保険 」

簡単に説明すると、

・入院すると「たった1日でも」まとまった給付(例:15万円など。加入時に自身で決める。)

・その入院が長引き30日を超えると、再度一時金を給付(最大5回まで)

短期入院でもまとまった金額が受け取れて、長期入院でも30日ごとに給付があるので、長短どちらにも対応出来る保障内容。

決して悪い商品ではない。

しかし、保険料が高いのである。

それもそのはず。

通常の医療保険であれば、1日しか入院(1泊2日)しなければ2日分の給付で済む。

しかし、この保険の場合、「入院したら」まとまったお金を支払うことになるので、その分多くの保険料を貰っておかないと割が合わない。

手厚い分、保険料が高い。ということ。

1日あたり〇〇〇〇円というような、日額給付型の医療保険(1泊2日なら2日分しか受け取れない)と比較すると、2倍くらい保険料が高い印象。

また、最大5回(5カ月程度)しか給付されないので「本当に長い入院(脳系の病気など)」には対応できない。

短期入院にはオーバースペック、長期入院にはスペック不足。

少々厳しい言い方だが、そう捉えることも出来る。

本商品は介護の部分と、

これ(医療保険)とをセットにしないといけないのが弱点

介護単体では「お値打ち」だが、元々が割高な保険料を設定されている医療保険と合わせることで、全体的に高くなってしまう。

とは言え、医療保険自体も悪いものではないし、実際に入院すれば「大きな給付」があるので、ムダな保険料ということでもない。

欲を言えば、この介護だけ単体で入れれば良かったのだが、まあ、明治安田にも色々事情があるのだろう・・・




弱点2 介護になれば役に立つが、ならなければ大損

弱点と言うか、介護系の保険を検討する時の「参考意見」程度の話をしたい。

この保険に限らず、介護系の商品は、男性なら当選確率33%(3人に1人)、女性は50%(2人に1人)の

「介護くじ引き」

のようなものだと理解した方が良い。

「運悪く」認知症になり介護のお世話になる方が「運良く」保険金を受け取る。

それが実体でもある。

そのため、介護になれば儲かるが、介護にならなければ大損ということ。
(言い方は悪いが、本音として・・・)

先の60歳の男女の保険料をもう一度見てみよう。

認知症終身保障 保険金額 300万円の場合

・男性60歳 4,308円/月 

  総支払保険料
  80歳まで 約103万円
  85歳まで 約129万円
  90歳まで 約155万円

・女性60歳 5,796円/月 

  総支払保険料
  80歳まで 約139万円
  85歳まで 約174万円
  90歳まで 約209万円

どのケースを見ても、総支払は300万円以下なので、実際に介護になれば「保険に入っておいて良かった」ということになる。

しかし、介護にならなかった場合はどうだろうか?

この商品の場合、介護を経ずに死亡した場合、介護保険金の10%の保険金があるので、この場合で言えば死亡時に30万円(300万円×10%)の保険金を受け取れる。

しかし、その分を考慮しても、かなりの金額を「捨てている」ことになる。

無論、保険とはこういうものではあるが、介護になるのは男性の1/3、女性の1/2なのだから、逆の言い方をすれば男性の2/3、女性の1/2は

「介護を必要としない」

とも言える。

だとするならば、100万円単位で掛け捨てになる「かもしれない」商品に入るよりも、お金は自分で貯めておいて、いざ介護になれば

足りない分は貯金で賄えば良い

という考え方もある。

どちらか正解とうことでもないのだが、参考までに。

比較した方が良い商品

ジブラルタ生命 米国ドル建介護保障付終身保険(低解約返戻金型) ★★★☆☆

SOMPOひまわり生命 認知症保険 笑顔をまもる認知症保険 ★★★☆☆

明治安田生命 認知症ケアMCIプラス ★★☆☆☆

 

参考コラム:
介護保険の基礎を学びたい方は、まず

『民間の介護保険は必要か?「介護保険の考え方」』
『介護付き終身保険のメリット・デメリット』
をご覧いただきたい。

他社の介護保険の☆評価一覧は、コチラ