提供会社:チューリッヒ生命
商品名:三大疾病保険プレミアムZ
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この保険の弱点はここだ!!
本商品はがん、急性心筋梗塞、脳卒中の「3大疾病」を対象にした保険だが、商品の構成としては同社のがん保険
をベースにしたもの。がん保険を強引に三大疾病保険に仕立て直したような商品。
終身ガン治療保険プレミアムZ(以下、がんプレミアムZ)は、抗がん剤治療などを受けた場合
「月額10万円(10~30万円の中で選択可能)」
を受け取れるというがん保険で、抗がん剤治療を保障の中心(主契約)としている。
抗がん剤治療を受けた場合に月額の給付を受けられる保障は、他社ではがん保険のオプションとして「抗がん剤治療特約」などとして提供されていることが多く、ようは「脇役」のようなものなのだが、がんプレミアムZではその脇役を主役に据えている。
参考コラム:『保険屋の口車に乗る前に読みたい、がんと保険の真実』
ちょっと変わっていると言えば変わっているがん保険なのだが(このあたりは上記のがんプレミアムZの解説をお読み頂きたい。抗がん剤治療をメインにすることの意義についても、そこで述べている)、本商品の主契約も「抗がん剤の保障」となっている。
つまり「3大疾病保険」と銘打っているにも関わらず、何故か主契約は抗がん剤治療であり、何だか随分乱暴だなぁという印象。
そこに、以下の特約を付けることで「三大疾病にも対応できる保険」にすることが出来る。
・3大疾病で所定の条件を満たした時に、以後の保険料が免除される「払込免除」
・ホルモン剤治療や緩和療養を受けた場合に毎月5万円(自由診療は10万円)を受け取れる「ガン治療」
・3大疾病に関する先進医療を受けた場合に実費を負担してくれる「3大疾病先進医療」
・3大疾病が原因で通院した場合に1回あたり5,000円などを受け取れる「3大疾病通院」
・3大疾病で入院した日額(1日1万円など)が受け取れる「3大疾病診入院給付金」
・3大疾病で入院した時に一時金(50万円など)が受け取れる「3大疾病診断一時金」
・3大疾病の診断を原因としたストレス性疾患(気分障害など)に罹患した場合に一時金(5万円から20万円)を受け取れる「3大疾病診断後ストレス性疾患給付金」
だが、どの特約も先に挙げた「がんプレミアムZ」のものがベースとなっている。
そこに、急性心筋梗塞と脳卒中も「支払い対象に加えただけ」という印象で、取ってつけたような商品だなという感じ。
率直に言って、がん保険の「ついで」に開発したような商品で、チューリッヒも、
本当にこれが売れると思って出しているのかな?
とも思ってしまう。
三大疾病と言いながら、完全に軸足は「がん」であり、急性心筋梗塞と脳卒中はただの「オマケ」という扱い。
失礼ながら、ここまで適当な商品というのもあまり見たことがない。
当サイトではがんプレミアムZを星2つ評価としているので、これも同じく星2つと言うことになる。
以上商品概要。
弱点1 がんの保障に寄りすぎ
何度も繰り返すが、本商品はがんプレミアムZの「拡張版」に過ぎない。
そのため、がんには手厚いのだが、そもそも主契約(絶対に契約しないといけない部分)が「抗がん剤を受けた時に毎月〇〇万円」という保障なので、
「3大疾病の時100万円欲しい」
とか
「3大疾病で入院した時に1日1万円などの日額が欲しい」
というようなシンプルなニーズを持った人には向いていない。
これらの人には「抗がん剤治療の時の保障」という主契約は余計なものであり、そこにコストを支払うことになるからだ。
このあたり、3大疾病保険なのに、何故か主契約ががんの保障という構成には違和感しかない。
弱点2 保障範囲が時代遅れ
昨今の3大疾病保険は、
・がん
・心疾患
・脳血管疾患
と定義している保険会社が多いが、本商品は昔ながらの
・がん
・急性心筋梗塞
・脳卒中
としている。
心疾患は心臓全般の病気を指し、その一部が急性心筋梗塞、同じく脳血管疾患は脳の血管全体に関する病気を指し、その一部が脳卒中ということになる。
つまり、心疾患、脳血管疾患の方が範囲が広いのである。
このあたりは、以下コラムにて解説しているのでお読み頂きたい。
参考コラム:心疾患と急性心筋梗塞、脳血管疾患と脳卒中、何が違う?
この点、他社類似商品に比べ時代遅れ。
弱点3 全体的に保険料が高め
主契約ががんの保障だけの「三大疾病保険」なんて他社にないので、比較のしようがないが、「ネット生保」にしては、全体的に保険料高いように感じる。
弱点4 三大疾病一時金が2年に一回
これも周回遅れ。
三大疾病になった時に一時金が受け取れる三大疾病診断一時金。
50万円、100万円というようなまとまった金額を手にすることが出来るので、人気のある特約だが、他社では「1年に1回が上限」というところが多い。
しかし、本商品は「2年に1回」
うーん、今時2年に1回というのはあまり見かけない。
参考コラム:診断給付金、1年に1回と、2年に1回、どちらが良いか?
がん診断一時金、3大疾病一時金は付けるべきか
また、本特約では上皮内癌の場合、一時金の10%(100万円の場合、10万円)しか受け取れないが、これもなかなかの塩対応。
他社では「1回だけ」というような条件付きだが、満額払うものが多い。
このように、保障内容は他社よりかなり劣っているが、そのわりには保険料が結構強気かな?という感じ。
この商品の弱点、こう考えろ!!(解決策)
別に無理してこの商品に入る必要はないだろう。
実際のところ「随分長いことバージョンアップしていない」のだと思う。
そのため、保障内容、保険料ともに最近のトップランナーについていけていない。
がんプレミアムZの方は、がん保険としては「抗がん剤治療を中心に据える」という点で、まだ見どころがあるというか、実際にはがんは「毎月抗がん剤」というような状態になった時が一番辛いので、そのような「最悪のケースに備える」という点では骨太な発想の商品だった。
だが本商品は、それをベースに「急性心筋梗塞と脳卒中もつけちゃいました!!テヘペロっ!!」という感じで、なんだか随分やっつけな商品である。
がんプレミアムZに魅力を感じていて、「更にそれを三大疾病にも対応させたい(あくまでがんの保障を中心として)」というような方であれば、本商品も悪い選択肢ではないが、「3大疾病の保障」として考えるのであれば、本商品を選ぶ理由はない。
3大疾病に備えるのであれば、以下の3つの「考え方」を理解し、それぞれの商品を検討した方が良いだろう。
1 通常の医療保険に3大疾病一時金特約を付ける
医療保険のオプションで三大疾病の時に一時金100万円などを受け取れる「3大疾病一時金特約」を付ける構成。わりとスタンダードなプラン。
当サイトで高評価の医療保険は以下の通り。
アクサダイレクト生命 アクサダイレクトの終身医療 ★★★★☆
アフラック 医療保険EVER Prime プラス ★★★★☆
オリックス生命 CURE Next/CURE Lady Next ★★★★☆
SOMPOひまわり生命 健康をサポートする医療保険 健康のお守り ★★★★☆
チューリッヒ生命 終身医療保険プレミアムZ/プレミアムZ Lady ★★★★☆
2 3大疾病、七大疾病の時に「一時金だけ」を受け取れる商品
最近流行っている商品で、3大疾病、7大疾病の時に「一時金だけ」を受け取れる商品。
ネオファースト生命 ネオdeからだエール ★★★☆☆
注:3年更新型
3 死亡+三大疾病の貯蓄型商品「特定疾病保障型終身保険」
死亡保障だけでなく、そこの三大疾病の保障も追加した商品で、貯蓄性がありながら、同時に死亡時と、がん、急性心筋梗塞、脳卒中のも備えられる。(急性心筋梗塞、脳卒中の支払いのハードルは高い。入院しただけでは受け取れない。)
但し、掛け捨てではないので、保険料は高め。予算に余裕のある方向け。ドル建などもある。
オリックス生命 特定疾病保障保険With(ウィズ) ★★★☆☆
ソニー生命 リビング・ベネフィット20(特定疾病保障型終身) ★★☆☆☆
ジブラルタ生命 米国ドル建特定疾病保障終身保険(低解約返戻金型) ★★★★☆
ソニー生命 リビング・ベネフィット20(米ドル建生活保障・終身型) ★★★★☆
商品の構成について
特約などの解説などは「急性心筋梗塞、脳卒中も支払対象にした」というだけで、商品内容は同社のがんプレミアムZとほぼ同様。詳細はそちらをご参照頂きたい。
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比較した方がいい他社商品
この商品の弱点、こう考えろ!!(解決策)にて紹介しているので、ご参照頂きたい。
編集後記