提供会社:ネオファースト生命
格付:評価なし。
但し第一生命の子会社であるため、第一生命の「A+:S&P」に順ずると考えるのが妥当
商品名:ネオde3疾病サポート
参考コラム:保険屋の口車に乗る前に読みたい、がんと保険の真実
ページコンテンツ
この商品のポイント!!
ネオファーストの「ネオde3疾病サポート」は2024年4月から販売された商品。
がん、脳血管疾患、心疾患、いわゆる3大疾病になった時にまとまった一時金を受け取れる。
先行する類似商品は多くあるので、それらを「後追い」した商品だろう。
レースに遅れて参加しているため、何かしらの「売り」がないといけないが、本商品におけるそれは
1 非喫煙割引が適用できると安い
2 リハビリにフォーカスした特約(三大疾病リハビリ通院一時給付金)がある
の2つ。
後追い商品ではあるものの、非喫煙が適用された場合の保険料は他社より安く、また、なかなか斬新な特約も用意されている「意欲作」だと思う。
星4つ評価とした。
非喫煙割引について
タバコを吸わない場合、本商品は他社比較で優位性がある。
では、何故、非喫煙だと安くなるのか?
タバコは肺はもちろん、血管にもダメージを与えるため、がん(特に肺がん)や脳や心臓の血管障害を引き起こすリスクが高まる。
逆にタバコを吸わない場合、当然ながらそれらのリスクは下がる。
保険会社としては
タバコを吸う = お金を払う確率が高い
タバコを吸わない = お金を払う確率が低い
となるわけだ。
そのため「タバコを吸わない人には保険料を割引します」という保険商品は多く、本商品にもそれが導入されている。
ちなみにネオファーストでは、ほとんどの商品に「非喫煙割引」があり、ほとんど
タバコ吸わない人専用の保険会社
となっている。
現在、20代、30代の喫煙率は男性で30%前後、女性で7%前後なので、昔に比べると喫煙する人の方が少数派である。
ネオファーストとしては、これらの喫煙層は「相手にしない」ということで、非喫煙者に絞って一点集中しているのだろう。
実際、保険加入者の集合体としても「非喫煙者」の方が、保険金、給付金の支払いはかなり減る。
なかなか思い切った戦略ではあるが、マーケティングとしては正しいような気がする。
と、言うことで、本商品も誠に「ネオファーストらしい商品」とも言える。
リハビリにフォーカスした特約について
オプション(特約)の三大疾病リハビリ通院一時給付金は目新しい。
内容としては、三大疾病を罹患した「後」の「リハビリ」と「障がい」にフォーカスしたもので、
・三大疾病リハビリ通院一時金
・三大疾病後遺障害一時給付金
の2つで構成されている。
三大疾病リハビリは、その名の通りリハビリに特化したもので、以下の3つの「全て」を満たした時に、主契約(3大疾病一時金)に上乗せして支払われる。
1.一時金を受け取った病気(がん、脳、心臓)が原因で行った何かしらの状態(麻痺など)を改善するためにリハビリで通院していること
2.主契約の給付金の支払事由に該当した日以後の通院
3.公的医療保険の給付対象となるリハビリテーション料が算定される通院
がんや心臓の後遺症もあるにはあるが、やはり一番多いのは脳の病気による麻痺や言語障害などだろう。
また、リハビリで改善すれば良いのだが、最終的に麻痺や呼吸障害などが残ってしまう場合もある。
このような時、以下の状況の「どれか」に該当すれば三大疾病後遺障害一時給付金が受け取れる。
・身体障害者手帳 1~4級
・障害年金 1級 or 2級
・要介護1以上
筆者自身、脳溢血、脳梗塞などで倒れ、その後半身不随になった方を何人か知っているが、やはりその後の生活には相当な苦労がある。
中には仕事が継続できなくなる場合もあり、ご本人だけでなく、ご家族も大変だ。
そのような場面で、これらの一時金は心強いだろう。
もちろん、これだけで一生食っていけるような金額ではないが、それでもないよりはよほどマシだ。
保険料も安いので、良い特約だと思う。
半面、これだけをもって「3大疾病時の就労不能(働けない)リスク」をカバーしていると思うのは危険。
これらのリスクにしっかり対応するのであれば、別途、就労不能専門の保険を検討するべきだ。
参考コラム:就労不能保険「損保系」、「特化型」、「特約型」の違いを理解しよう
以上が本商品ならではの特徴・メリットだが、メイン部分(主契約)の内容はごくごくシンプルで、以下に該当した時に一時金を受け取れるというもの。
1 がん 初回は診断(がんです、と言わる)だけ、2回目以降は1日以上の入院(もしくは通院)が条件
2 心疾患 1日以上の入院(日帰りでもOK) or 手術
3 脳血管疾患 1日以上の入院(日帰りでもOK) or 手術
条件は他社と同等だが、他社では心疾患、脳血管疾患で「日帰りだとダメ」というところもあるので、本商品の方がやや緩い(払われやすい、という点では契約者に有利)。
実際には心臓が!!脳に!!などと言っているような場面で
「今日はお帰り頂いて結構です(日帰り)」
となるようなことはほとんどないので、日帰りでも対象であることがさほどの優位性があるわけでもないのだが、これらのことも「後発組」であるため、多少は他社と差を付けたかったのかもしれない。
そのためサイトやパンフレットなどでも「日帰り入院を含む」とご丁寧に書かれている。
一時金は30~200万円まで、10万円刻みで設定が可能。
給付は1年に1回が上限で、これも他社並み。
強みは前述の通り「タバコを吸わないと安い」という点で、むしろ「これだけ」とも言える。
実際に比較してみよう。
恐らく、現時点での本商品の仮想敵ははなさく生命(日本生命系列)やなないろ生命(朝日生命系列)などの、ネオファーストと同じ大手生保傘下の保険会社(当サイトでは第二生保と呼んでいる)だろう。
参考コラム:大手が続々参入 別働隊「第二生保設立」の裏事情とは?
30歳 男性 一時金 100万円 終身払
ネオファースト生命 ネオde3疾病サポート
2,470円/月(非喫煙)
3,090円/月(喫煙)
はなさく生命 はなさく一時金
2,710円/月
なないろ生命 なないろスリー
2,500円/月(優良区分料率適用)
注:優良区分料率は健康状態が良好な場合に適用される
ご覧頂いた通り、一応、ネオファーストが一番安いということになる。
但し、なないろ生命の「なないろスリー」は、脳と心臓に関しては180日に1回(180日以上空いていれば支払い対象)であり、本商品の1年に1回より期間が短く「条件が良い」
以上のことから保障内容が異なっているため一概には比較はできない。
しかし、保険料の「目た目」としてはネオファーストに軍配が上がる。
以上が商品概要。
では、弱点の解説に入る。
この保険の弱点(デメリット)はここだ!!
その1 喫煙者は相手にしていない
先の保険料の比較を見てもらっても分かる通り、たばこを吸う喫煙者はそもそも相手にしていない。
一応、保険料は提示しているものの、他社にぼろ負けで、これを選ぶ人がいるとは思えない。
これはネオファーストの会社としての戦略なので、弱点というようなものではないのだが、タバコを吸う人は別の商品の方が良いだろう。
この保険の弱点、こう考えろ!!(解決策)
タバコを吸わない方で「非喫煙割引」が適用できる場合、特に目立った弱点があるわけでもない。
3大疾病対策の保険商品としては良く出来ていると思う。
比較するなら、なないろ生命の「なないろスリー」か。
なないろスリーは、一時金の支払い上限を「180日に1回」としており、本商品の「1年に1回」より短い。
注:なないろスリーでは支払い限度に関してⅠ型(がん、心疾患、脳血管疾患が180日に1回)とⅡ型(がんは1年に1回、心疾患、脳血管疾患は180日に1回)から選択可能。
例えば、がんになって一応治療はしたものの、すぐに転移や再発をしてしまうようなことがある。
本商品であれば、それは「前回より1年経過していないと」支払い対象外になるが、なないろスリーであれば180日経過していれば支払われる。
もちろん180日以内に再発、転移をしてしまえばなないろスリーでも支払い対象外なのだが、契約者からすれば「短い方が良い」だろう。
本商品となないろスリーを比較した場合、年齢や性別によっても異なるが、保険料は僅差であり、多少の違いであれば180日のなないろの方が良い、という方もいるかもしれない。
ひとまず本稿を書いている2024年10月時点では完成度の高い商品だと思うが、この分野は他社もしのぎを削っているので、あっと言う間に他社に追い抜かれる可能性もある。
付けるべき特約!!
なし
付けても良いかも?な特約!!(疾病・災害入院、女性疾病、払込免除など)
三大疾病リハビリ通院一時給付特約
30歳 男性 終身払 非喫煙割引適用の場合、一時金100万円で+478円。
保障内容は本文参照。
3大疾病になり、その後の後遺症などでリハビリを受けたり、もしくは障がい認定を受けたような場合に一時期を受け取れる。
がん、心臓、脳のうち主に脳系の病気は、身体の麻痺や言語障害などが残る可能性がある。
そのような場面を想定した特約だろう。
実際にこのような状況になると、それは本当に大変だ。
「保険は自分の力だけではどうにもならない時のために入るもの」
それが保険の大前提。
大きな病気のあとに身体に後遺症が残るというのは、まさにこれだろう。
保険料も手ごろなので、予算に余裕があるのであれば付けておいても良いと思う。
なお、本文でも述べたが、これをもって「就労不能対策(働けない対策)」にはならない。
それらのリスクに対応するには、別途、就労不能専用の商品を検討すること。
また、それらの商品で働けないリスクをカバー出来ているのであれば、無理してこの特約を付ける必要はない。
保険料払込免除特約
がんと診断された、心疾患、脳血管疾患で1日以上の入院 or 手術を受けた場合、以後の保険料が免除される。
年齢、性別によっても異なるが、これを付けた場合、保険料は1.3~1.5倍程度になる。
当サイトのスタンスとして、払込免除は
「保険に保険をかけるようなもの」
だとして、原則不要だと思っている。
実際のところ数千円の保険料が「免除」されたところで、生活に何か影響があるとも思えない。
また保険料が割り増しされているため、仮に60代などで払込免除になったとしても、払込免除なしの保険料を死ぬまで払うのとほとんど変わらない可能性もある。
例えば、以下の条件で「払込免除あり」と「払込免除なし」を比べてみよう。
30歳 男性 終身払 非喫煙割引適用 一時金100万円
払込免除あり 3,687円/月
払込免除なし 2,470円/月
男性の平均寿命は81歳なので、本商品の契約者の「平均像」としては30歳から81歳まで51年間保険料を負担することになる。
払込免除なしを51年間支払うと、その総額は約151万円となる。
それに対して、払込免除ありの支払保険料の総額は年齢別に以下の通りとなっている。
50歳(20年間) 88万円
60歳(30年間) 132万円
65歳(35年間) 154万円
70歳(40年間) 176万円
81歳(51年間) 225万円
こうして見てみると、65歳で総額154万円と、払込免除なしを81歳まで支払う総額の「151万円」を超えていることが分かる。
つまり、
65歳までに3大疾病を経験し払込が免除されれば得(契約者の勝ち)
65歳以降に免除されても損(保険会社の勝ち)
ということ。
もちろん、中には30代、40代で3大疾病になり、払込が免除される方もいるだろうが、ごくごく稀だろう。
保険などは、困った時にお金が受け取れれば良いわけで、さらにそこに保険料を上乗せして「免除」という保険をかける必要などはないのではないか?
ただ、このように説明しても、払込免除は好きな人は好き。
そのため、「どうぞご自由に」という感じではあるが、優先順位は低いので、他の保障(一時金の額など)を削ってまで、払込免除を付ける必要はない。
付ける必要なし、な特約!!
なし
口コミ・評判(販売側から)
商談をしていて「親族や友達に脳梗塞、脳溢血の人がいて」という話が出ることは結構多いです。
そのような方々を見た方は「脳の病気は人生が変わってしまう」と感じているので、リハビリの重要性もすぐに理解してもらえるので、この商品は案内しやすいように思います。
ただ、正直、この商品の保障だけでは継続してお金を受け取れるわけではないので、その後の話の展開で就業不能系の保険もしっかり紹介するようにしてます。
昔は医療保険+がん保険という構成が多かったですが、最近は「3大疾病だけフォローしておけば良い」と合理的に考える方も多く(時代は変わった!!)、そのような方にはこの商品は受けが良いです。
謝礼Amazonギフトカード300円!! アナタの口コミ教えて下さい!!
保険会社勤務、代理店勤務の方でも、販売現場の情報や、当サイトで指摘していない弱点(デメリット)などには謝礼(amazonカード300円)をお支払い致します。
口コミ・評判(契約者から)
なし
比較検討した方が良い商品
当サイトで高評価の3疾病用の保険は以下の通り。
東京海上日動あんしん生命 あんしん治療サポート保険R ★★★★☆
オリックス生命 特定疾病保障保険With(ウィズ) ★★★☆☆
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編集後記
初稿:2024年10月18日